Day3.2本指で弾くオルタネイトピッキング
ここまでは右手の人差し指か中指のどちらかでピッキングを行ってきました。
どちらの指が自分にとって使いやすい利き指なのか、なんとなくつかめてきましたか?
ただ、今後弾く音が増えてくると、どちらか片方の指だけで弾き続けるのが難しくなってくるので、人差し指と中指を交互に使う「オルタネイトピッキング」が活躍してくれます。
ここではオルタネイトピッキングの基本から、クロマチックを使った練習方法まで解説していきます。
オルタネイトピッキングとは
「オルタネイト」とは「交互に」といった意味合いで、人差し指→中指…と交互に弦をはじく弾き方のことを「オルタネイトピッキング」と呼びます。
2本の指で弾くので、音数が多かったり、スピードの早いフレーズでも1本指に比べて弾きやすくなるため、様々な場面で用いられます。
オルタネイトピッキングのやり方
オルタネイトピッキングでは、人差し指と中指どちらとも同じ「強さ」「音量」「音色」で弾くことが大切になります。
そのために大切なポイントが次の3つです。
- 弦と指が当たる場所
指の先端のほんの少し右寄り - 指の長さをそろえる
中指を少し折りたたんで、指の先端をそろえる - しっかりと振り抜く
1、2を意識しつつ、指はしっかりと振り抜きましょう


人差し指と中指で均一な音が出せているかに注意しながら、基本のフォームを覚えましょう。
オルタネイトピッキングの基本練習
人差し指からスタート
まずは4弦の開放をオルタネイトピッキングで弾いて、均一な音を出す練習をしてみましょう。
タブ譜の上に表示されている「人 中」の文字は、右手の人差し指と中指を示しています。
人差し指と中指で交互に、均一な音が出るように弾いていきましょう。
中指からスタート
先ほどと同じ4弦の開放を弾いていきますが、ピッキングの順番を「中指→人差し指」に変えて弾いてみましょう。
利き指スタートが弾きやすい
ピッキングを「人差し→指中指」「中指→人差し指」の順番でそれぞれ弾いてみましたが、どちらがやりやすいと感じましたか?
一般的には利き指から弾き始める方がやりやすくなるので、「弾きやすい」と感じた指があなたの利き指の可能性が高いです。
今後のオルタネイトピッキングの練習では、利き指からスタートすると良いでしょう。
ただ、フレーズによっては利き指と反対からスタートすることもよくあるので、どちらの動きも練習しておいてください。
クロマチックトレーニングをオルタネイトで
上昇パターン
2日目と同じく、3弦の7フレットから始まるクロマチックの上昇パターンです。
左手は人差し指から小指までを使い、右手は人差し指と中指の交互で弾いていきます。
このとき、人差し指と中指はそれぞれ4弦に当たるまで振り抜く「アポヤンド奏法」を意識しましょう。
楽譜では人差し指スタートで指定していますが、右手は弾きやすい利き指スタートから練習して、慣れてきたら反対の指からスタートするオルタネイトピッキングにもチャレンジしましょう。
※最初は右手に意識が集中するので、左手の「使っていない指の扱い」がおろそかになると思いますが、オルタネイトピッキングが安定してきたら左手にも意識を向けてみましょう。
下降パターン
ここでも左手は人差し指から小指までを使い、右手は人差し指と中指の交互で弾いていきます。
右手は利き指スタート、慣れてきたら反対の指スタートにもチャレンジしてください。
上昇・下降パターン
上昇と下降が切り替わるタイミングでは同じフレットの音を連続で弾くことになります。
これまでにはなかった「左手は変わらないのに、右手は変わる」というイレギュラーな動きが発生するため、オルタネイトが乱れやすくなります。
左手と右手それぞれが、正しい順番で動いているか注意しながら弾いていきましょう。
気付いたらピッキングが同じ指で連続していたなんてこともよくあるので、ゆっくりと1音1音弾いていきましょう。
まとめ
オルタネイトピッキングの基本と、基礎トレーニングを行ってきました。
今は「ピッキングの順番なんて気にしなくても弾けそう」と感じるかもしれませんが、フレーズが複雑になればなるほど、弾けない原因がピッキングにあったというケースが増えてきます。
今回のような地味な練習が、実は今後の上達速度に大きく影響してくるので、少しずつ、確実に練習を重ねていってください。
次は音楽の基本となる「ドレミファソラシド」を弾いて、演奏技術や音楽についてより詳しく理解していきましょう。
様々なバンドやアーティストを支えるサポートミュージシャン、ベース講師として活躍中。
攻撃力のあるFunkyなプレイを中心としながらもJazz,Rock,Fusionから繊細なアコースッティックまで幅広いプレイスタイルを持ち味としながら、歌心溢れるプレイと「楽曲に貢献するベース」に定評がある。