ギター初心者のための7日間練習メニュー
ギターは今も昔も人気の高い楽器で、ネットやYouTubeでもたくさんの情報が手に入ります。
まったくの未経験者でも1人で手軽にはじめられる環境が整っているのですが、情報が多すぎて何から初めていいのかわからない、それぞれ言っていることが違ってどれが本当なの?という声を聞くことも多くなってきました。
この記事は、オンライン専門の音楽スクールを12年以上運営するTHE POCKETが、多くの初心者ギタリストへのレッスン経験をもとに作成した、ギター独学用のオリジナルメニューです。
はじめてギターにチャレンジする方が迷わず、楽しくギターをスタートして、ずっと続けていけることを目指して組み立てられた、7日分のレッスンメニューです。
それぞれのレッスンには練習用の動画や音源も用意されており、楽譜の読み方が分からないという方も楽しく練習することができます。
まずはギターの楽しさ、楽器演奏の楽しさを体感して、ギターを長く続けて上達していくための基礎を作っていきましょう!
ギターの練習を始める前に知っておきたいこと
アコギとエレキ
ギターにもいくつかの種類がありますが、大きく「アコースティックギター」と「エレキギター」に分類されます。

アコースティックギター

エレキギター
「アコースティックギター」はギター本体のボディーと呼ばれる部分が空洞になっており、音が増幅される仕組みなのでギター単体で演奏ができます。
自分で伴奏しながら歌う、弾き語り系のアーティストが使う姿をよく目にします。
「エレキギター」はギター本体では音が増幅されないので、「アンプ」と呼ばれるスピーカーのようなものと接続して演奏します。
ロックバンドのギタリストが弾いているギターと言えば、イメージがつきやすと思います。
この記事で紹介している練習方法はアコースティックギター、エレキギター問わず利用できるので、お手持ちのギター片手に読み進めて下さい。
ギター練習の流れ
子供がピアノを習いに行くと、「バイエル」という教則本を使って練習を進めることが多くあります。
「バイエル」は初心者向けの練習曲がレベルごとに収録された100年以上愛される教則本ですが、ギターには「バイエル」のような存在の教則本はありません。
そのため、指導者ごとに練習の進め方は異なりますが、「基本の弾き方の練習」→「実際の曲の練習」という大きな流れは共通しています。
いきなり「実際の曲」から練習しようとすると正しい構え方や弾き方、押さえ方が分からず挫折へまっしぐらです。
当レッスンメニューでは「基本の弾き方」の核となる、「コード弾き」と「単音弾き」を7日間で練習できるように組み立てられています。
どれくらいで弾けるようになるの?
これからギターを始めようと考えている人からよくいただく質問に「どのくらいでギターが弾けるようになりますか?」というものがありますが、正直、こればかりは個人差が大きくてはっきりとは答えられません。
「ギターが弾ける=1曲通して弾けるようになること」と仮定した場合、どんな曲(難易度)を、どれくらい(1日に何時間)練習するかによって完成までの期間は大きく変わります。
早い人では1ヶ月程度で簡単な曲を弾けた例もありますが、適切な難易度の曲を毎日少しずつ練習したとしても、2〜3ヶ月はかかると考えておきましょう。
そのため、モチベーションを保つことも大切になってきます。
難易度が適切であっても、弾きたいと思える曲でなければ2〜3ヶ月も練習に取り組むことができません。
ギターに限らず、楽器演奏にはある程度の時間と練習が必要になるものだと覚えておきましょう。
焦らず、じっくりと取り組んでみてください。
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1日目 / ギターを始めた初日にやること
まずはギターを弾いてそのサウンドと「音が出る!」という感動を一緒に体感していきましょう。
数あるコードの中でいちばん簡単なコード「Em」を使うので、完全初心者の方でも10分以内には弾けるようになります。
ですが、ギターを弾く前にどうしても避けては通ることのできない、「チューニング」というものがあります。
ギターはその特性上、弦の音が狂いやすく最低でも1日1回はチューニングをする必要があります。
これからのギターとの長い付き合いの中でチューニングは何百回、何千回とすることになるので、今のうちに正しい方法を覚えておきましょう。
チューニングの方法
チューニングは「チューナー」と呼ばれる機械を使って行います。
チューナーを取り付けて弦を弾くとチューナーの表示画面に音名が出るので、その表示を頼りに音を上げ下げしていきます。
チューナーには「クリップ式チューナー」と「接続式チューナー」の2種類があるのですが、現在の主流はクリップ式チューナーです。
使い方も簡単でお値段もお手頃なので、ギター購入時に一緒に用意しておきましょう。
ギターの弦は細い弦から順番に1弦、2弦、3弦と数えていき、それぞれの弦を
1弦 = E(ミ)
2弦 = B(シ)
3弦 = G(ソ)
4弦 = D(レ)
5弦 = A(ラ)
6弦 = E(ミ)
の音に合わせていきます。
【チューニングの手順】
- チューナーを取り付け、6弦だけを鳴らします
- 液晶の表示がEを指すようにペグを回転させます
- 他の弦も同様に基準の音に合わせます
Emコードを弾いてみる
チューニングができたらいよいよ音を出していきましょう。
ギターは左手で弦を押さえ、右手に持ったピックで弦を弾いて音を出しますが、まずは押さえ方が簡単なEmコードを押さえてじゃら〜んと音を鳴らしてみましょう。
- 中指で、5弦(2番目に太い弦)の2フレット
- 薬指で、4弦の2フレット
を押さえて、それ以外の弦は開放弦を鳴らします。
※開放弦とは、弦をどこも押さえない状態のことで0フレットとも言われます。
Emコードを押さえる場合、中指や薬指が隣の弦に当たって音が出ないことがよくあるので注意しましょう。
左手が押えられたらピックを親指と人差し指で軽く持ち、6弦から1弦まで弾いてみましょう
次の記事では「チューニングの方法」から「ピックの持ち方」、「コードの押さえ方」まで詳しく解説しています。
最後には練習用の動画も掲載されているので、一緒に弾いてギターの楽しさを体感してください!!
2日目 / 初心者におすすめのいちばん簡単なコード進行
「楽譜が読めないからギターはできない」とおっしゃる方もいます。
しかし、ギターには専用の「タブ譜」という楽譜があり、普通の五線譜よりも簡単に読むことができるため、音楽未経験者の方でも手軽に始めることができます。
タブ譜の読み方
タブ譜は五線譜のように横線が引かれていますが、その線は6本ありギターの弦と同じ数になっています。
その線の上に数字を書くことで、「◯弦のこの位置を押さえましょう」と表しており直感的に理解しやすい仕組みになっています。
また、ダイアグラムという表も使われるのですが、こちらもギターの指板を図式化しており、ひと目見るだけで押さえ方がわかります。
タブ譜とダイアグラムはそれぞれ一番下の横線が6弦(太い弦)を、一番上の横線が1弦(細い弦)を表しています。
※上の3つの楽譜は、すべて「C」という同じコードを表しています。
2つ目のコード Aadd9
コードを2つ覚えると、そのコードを行ったり来たりしてコード進行のある伴奏ができてしまいます。
ここでは、初日に覚えたEmと同じくらい簡単なAadd9というコードを覚えて「Em / Aadd9」というコード進行にチャレンジしていきます。
- 中指で、4弦の2フレット
- 薬指で、3弦の2フレット
を押さえて、5、2、1弦は開放弦を鳴らします。
Emではすべての弦を弾いていましたが、ここでは6弦は弾きません。
開放弦を弾かない場合、ダイアグラムでは×印で表されます。
EmとAadd9ふたつのコードは、弦を押さえている中指と薬指をただ隣の弦に移動させるだけなので、数分練習すればすぐに弾けるようになります。
コードが切り替わることで一気に曲を弾いている感覚になり、ギターを弾く楽しさも倍増していくことでしょう。
次のページではタブ譜の読み方の詳しい説明や、2つのコードを使った練習動画をご紹介しています。
ぜひ一緒に弾いて音楽の楽しさを実感してください。
2日目 / 初心者におすすめのいちばん簡単なコード進行 へ進む
3日目 / コードストロークに挑戦!
ストロークにチャレンジ!
ギターは左手で弦を押さえて音程を変化させ、右手で弦を弾いて音を出しますが、右手はただ音を出すだけでなく音楽の大切な要素「リズム」を生み出す役割も担っています。
3日目は右手を使ったコードストロークについて学び、リズムの出し方を覚えていきます。
覚えたコードをただ鳴らすだけでは飽きたらなくなったみなさんも、コードストロークを覚えることで一気に音楽の世界が開けギターの楽しさがさらに倍増してくるでしょう。
まずは右手を上から下(6弦側から1弦側)に振り下ろして弾くダウンピッキングを4回した直後に、下から上に振り上げて弾くアップピッキングを入れるストロークを練習します。
楽譜で見るだけではイメージが付きにくいので、「タン タン タン タタ」とリズムを声に出して読んでみましょう。
最初の「タン タン タン」を3回のダウンストロークで弾いて、最後の「タタ」をダウンとアップで弾きます。
「タン」ひとつと「タタ」は同じ長さの音になるのですが、言葉ではイメージしづらいので3日目の練習動画で確認しましょう。
3つ目のコード C
また、EmとAadd9のコードに加えて「C」というコードも覚えていきます。
- 薬指で、5弦の3フレット
- 中指で、4弦の2フレット
- 人差し指で、2弦の1フレット
を押さえて、3、2弦は開放弦になります。
3つのコードとコードストロークを覚えると、一気に音楽を演奏している感覚が強くなってきます。
豪華なバンド演奏で一緒に練習してみましょう。
4日目 / 弦1本だけを狙って弾く練習
コードを弾くときは複数の弦を同時に弾くため、右手は大きく動いていました。
しかし、メロディーなど1つの音だけを出したい場合、右手を小さく動かす必要があります。
「不要な弦を弾かない」というのが意外と難しいと実感できると思いますが、一歩ずつポイントを掴める練習内容になっています。
5弦だけを弾いてみる
まずは5弦の5フレットを薬指で押さえて弾いていきます。
左手は動かさないので、視線と全神経を右手に集中させながら弾いてみましょう。
ピックが隣の6弦や4弦に当たってしまわないように右手をコントロールする必要がありますが、右手に力が入りすぎないように気をつけましょう。
最初の頃は気がついたら肩から腕全体がガッチガチになっている、という方もたくさんいます。
ドレミを弾いてみる
次は「ドレミ」という3つの音だけを使った練習ですが、5弦と4弦を使うため右手が弦を移動する時の感覚も同時に身につけることができます。
5弦3フレットは薬指、4弦の2フレットは中指で押さえるというように使う指を決めておき、先に左手の場所を覚えてしまうのがポイントです。
左手は右手に比べて感覚を使いみやすいので、まずは左手を見ないでも弾けるように練習します。
左手に余裕が出てきてから右手の練習を開始しましょう。
ある程度慣れてきたらドレミのスピードを少しずつ上げていき、右手と左手の感覚を覚えこんでいきます。
練習用の動画素材を使って一歩ずつ練習していきましょう。
5日目 / ギターでドレミファソラシドを弾いてみる
左手の押さえる位置から覚える
4日目の昨日は「ドレミ」を練習してみましたが、今日は「ドレミファソラシド」まで弾いてみましょう。
弾く弦は5弦から2弦まで、左手も人差し指と中指と薬指が目まぐるしく変わっていくのでなかなか大変になってきます。
練習のコツはピッキングなしで、とにかく左手で押さえる場所を覚えていくことです。
また、弦が移動しても3フレットは薬指、2フレットは中指、1フレットは人差し指という指の割り当ては変わっていません。
右手に視線を集中して練習する
まずは左手の動きだけを覚える、次に右手の動きを覚える、というように右手と左手を分けて練習していくとスムーズに練習していくことができます。
左手が押さえる場所と右手がピッキングをする場所は離れているので、同時に目で追うことができません。
まずは覚えやすい左手から覚えてしまい、そのあとで右手に視線と意識を集中させながら同時に弾いていきましょう。
ここでも練習用の動画に合わせて一緒に弾いてみましょう。
6日目 / ギターでかえるのうたを弾いてみる
せっかくドレミファソラシドの弾き方を覚えたので、その応用編としてみなさんご存知のメロディーを弾いてみましょう。
薬指と中指だけで弾いてみる
押さえる場所はドレミファソラシドで覚えた場所だけなので比較的スムーズに弾けるようになると思います。
使う指は薬指と中指だけです、まずはしっかりと左手の場所を覚えていきましょう。
(中指と人差し指でも弾けそうですが、次のメロディーが弾きにくくなるので薬指と中指を使います)
左手の場所が覚えられたら、視線を右手に集中させながらダウンピッキングで弾いていきましょう。
休符の弾き方
次は「休符」といって音を出さない場所が出てきます。
休符はただ休むだけのところとして、おろそかにされがちですが音楽ではとても大切な役割を担っている音符です。
ギターで休符を弾くときは左手を少し浮かせるようにして音を切るのが基本となります。
次の動画で曲に合わせて一緒に弾いて、タイミングと感覚を身につけていきましょう。
7日目 / かえるのうたで覚えるオルタネイトピッキング
ここまではダウンピッキングのみでメロディーを弾いてきましたが、ダウンピッキングにアップピッキングを組み合わせた「オルタネイトピッキング」が使えるようになると弾けるフレーズの幅が一気に広がってきます。
はじめてオルタネイトピッキングにチャレンジする方が一歩ずつマスターできるよう、段階的な練習フレーズをご紹介しています。
5弦だけでオルタネイトピッキング
まずは5弦の3フレットだけで、ダウンピッキングとアップピッキングを交互に行う「オルタネイトピッキング」で弾いてみましょう。
ダウンとアップでピックの当たる角度や力加減が変わるので最初はとても弾きにくいと思います。
しかしオルタネイトピッキングはギターを弾く上では欠かせない、とても大切なテクニックなのでしっかりとマスターしておきましょう。
オルタネイトピッキングでメロディーを弾こう
オルタネイトピッキングができるようになったら弦移動を交えたフレーズを弾いてみましょう。
一気に難易度が上がってきますが、スピードを落としてゆっくりと練習していけば必ず弾けるようになります。
ここまでの練習フレーズが弾けるようになったら、最終日の集大成として練習用の動画と一緒に弾いてみましょう。
この動画で使われている音源はドラム、ベース、ギター、エレクトリックピアノで演奏されており、おしゃれな「かえるのうた」に仕上がっています。
バンドと一緒に演奏して、音楽の楽しさを体感してみてください!
7日目 / かえるのうたで覚えるオルタネイトピッキング へ進む
今後の練習方法
ギター初心者専用の7日間練習メニューをやり終えた方は、チューニング、ピックの持ち方、楽譜の見方、コードの押さえ方、ストロークの方法、メロディーの弾き方など、ギター演奏に必要な基本を一通り見てきたことになります。
今後必要な練習としては「基礎練習」があります。
基礎練習はギターを弾くために必要な指の動かし方や、ピックをコントロールする力を養います。
野球選手が毎日素振りや筋トレをするように、基礎練習は初心者だけでなく上達してもずっとやり続けるものになります。
やり方はこちらの記事でご紹介しているので、ぜひお試しください。

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