Day5.ベースの醍醐味リズムを操ろう
音楽を聞いていて自然と体が動き出したり、踊りたくなったりする裏には必ずベースの存在があります。
ベースは「リズム楽器」とも呼ばれ、バンド演奏ではドラムと並んで音楽のリズムやグルーヴを決定づける大切な役割をになっています。
聞く人の体が自然と動き出すようなベースを弾くための第一歩は、正確なリズムで演奏できる技術を習得することです。
正確なリズムで演奏するためには、リズムに対する正確な理解が絶対条件になってくるので、まずはリズムの基礎からみていきましょう。
リズム譜の読み方(音符と休符の基本)
楽譜には音の高さや低さを表す情報と、その長さを表す情報が示されています。
音の高さについては、タブ譜と五線譜で書き方が異なりますが、音の長さについてはどちらも同じ書き方になっています。
拍と小節
メトロノームを「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ」と鳴らしたときの「ピッ」1回分の長さの固まりを「拍」と呼びます。
この「拍」は音楽のリズムを構成する基本単位となります。
そして、世の中のほとんどの音楽が、いくつかの拍を1つにまとめた「小節」という単位を骨組みにしています。
上の図は、4つの拍が1小節を構成しているということを表しており、「4分の4拍子」と呼ばれます。
楽譜の先頭に4/4 や C といった記号で表されています。
音符の長さ
音符にはいろいろな形がありますが、その形によって音の長さを表しています。
まずは一覧表で音符ごとの長さ、読み方を把握しましょう。
それぞれの音符がどのような長さになるのか、実際に弾いて体感してみましょう。
全音符は4拍分の長さ、2分音符は2拍分、4分音符は1拍分の長さを表しています。
「1拍分の長さなのに4分音符ってなに?!ややこしい!」と感じるかもしれませんが、音符の読み方は「全音符を1としたときの長さ」を分数であらわしています。
全音符の「2分の1の長さが2分音符」「4分の1の長さが4分音符」となっています。
先ほどの楽譜では、8分音符を連続して演奏すると4拍(1小節)のあいだに、8回の音が鳴っています。
これは全音符を「8分の1の長さ」にした音符を8回連続して弾いたことになります。
16分音符の場合、これが16回になります。
休符の長さ
音符は音を鳴らす長さを表していますが、休符は音を鳴らさない長さを表しています。
それぞれの長さは音符の時と同じです。
休符と音符を交互に弾いてみると、その長さがより実感できます。
4分音符も4分休符も「1拍分」という「長さ」については同じ意味合いとなっています。
休符は漢字で書くと「休む、休憩する」というゆるいニュアンスを受けますが、「音を止める」「無音を演奏する」と捉えた方が本質的なニュアンスに近づきます。
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休符の弾き方
4分音符と4分休符が連続する場合、4分休符の部分で音を消す必要があります。
音を消すことを「ミュート」と呼びますが、ミュートには大きく2つの方法があります。
左手でのミュート
左手の押弦していない指を使います。
5弦5フレットを人差し指で押さえていた場合、使っていない中指から小指を軽く弦に触れさせることで音を切ります。
右手でのミュート
右手の指を弦に当てて、音を消す方法です。
弦を弾くときと同じように、指を弦に当てることで音を切ります。
左手と右手のミュートは、それぞれ単独で使うことも、両方を組み合わせて行うこともあります。
いろいろなリズムで弾いてみる
実際の楽譜ではこれらの音符が組み合わさって、音楽が表現されています。
すらすら読めるようになるにはある程度の慣れが必要ですが、まずは楽譜を見て音符の長さをイメージするところから始めてみましょう。
長い音符のフレーズ
全音符は4拍分、2分音符は2拍分の音を伸ばします。
メトロノームに合わせて拍数を数えながら演奏してみましょう。
細かい音符のフレーズ
8分音符は1拍の間に2つ、16分音符は1拍の間に4つの音を鳴らします。
16分音符では右手のオルタネイトピッキングが忙しくなりますが、リラックスしつつ素早い動きを心がけましょう。
休符の入ったフレーズ
音符と休符の違い、音符ごとの長さの違いなどを声に出しながら弾くと効果的です。
4分音符は「タン」、4分休符は「ウン」、8分音符は「タ」、8分休符は「ウ」などが言いやすいと思います。
休符部分で音を切る際は、左手だけのミュート、右手だけのミュートをそれぞれ試してみましょう。
同じフレーズでも、ミュートの仕方が変わることによって引きやすさがかなり変わってきます。
実際のフレーズではどちらの方法も頻繁に使われるので、しっかりと練習しておきましょう。
まとめ
音符や休符の長さを理解した演奏と、なんとなくで弾いた演奏では大きな違いがあります。
まずはそれぞれの音符がどのような長さを示しているか、感覚として理解できるまで今回紹介した練習フレーズを弾いてみましょう。
また、楽器を演奏する場合はどうしても音を出すタイミングにばかり気を使いがちですが、それと同じだけ音を切るタイミングも重要になってきます。
音符と休符が組み合わさって音楽ができている、ということを覚えておいてください。
様々なバンドやアーティストを支えるサポートミュージシャン、ベース講師として活躍中。
攻撃力のあるFunkyなプレイを中心としながらもJazz,Rock,Fusionから繊細なアコースッティックまで幅広いプレイスタイルを持ち味としながら、歌心溢れるプレイと「楽曲に貢献するベース」に定評がある。