Day4.ベースでドレミファソラシドを弾こう
子供の頃にピアノを習ったことがある人は、これまでドレミファソラシドが出てきていなかったことを不思議に思うかもしれません。
ピアノでは隣り合った鍵盤を押さえるだけなのでそれほど難しくありませんが、実はベースで弾こうとすると意外と大変なのです。
今回はドレミファソラシドの弾き方にチャレンジしつつ、必要なテクニックや知識を身につけていきましょう。
ドレミファソラシドの弾き方
ベースでは、ドレミファソラシドをいろいろなポジションで弾くことができますが、まずは基本のポジションから覚えていきましょう。
左手で押さえるポジション
「ド」の音は3弦の3フレットにあるので、ここからスタートしていき1弦の5フレットまで使います。
楽譜には左手指の指定が書かれており、使う指はフレットごとに固定となっています。
- 2フレット:人差し指
- 3フレット:中指
- 4フレット:薬指
- 5フレット:小指
最初は大変ですが、弦を押さえていない指も指定のフレット上で待機できるよう心がけてください。
手全体が横移動しながら押さえていては、スムーズに弾くのが難しくなってきます。
また、ベースのフレットはヘッド側に行くほど幅が広くなるので、このポジションでは指を大きく広げる必要が出てきます。
指がうまく開かない場合は、左手の親指の位置や肘の角度、ベースの構え方など、1日目の内容を思い出してみましょう。
「ドッ、レッ、ミッ、」のように音を短く切るのではなく、「ドー、レー、ミー、」のように音が長く、切れ目のない演奏を目指してください。
基本のピッキング
今回弾いていくポジションでは4弦を使わないので、右手の親指をピックアップではなく4弦に置くようにすると、2弦や1弦まで指が届きやすく、ピッキングがやりやすくなります。
また、親指が不要な4弦が鳴ってしまうことを防いでくれるミュートの効果もあります。
(どうしてもやりにくい場合、親指をピックアップに乗せたままでもOKです)
ピッキングは、人差し指か中指どちらか1本(利き指)だけで弾いていきます。
次々と弾く弦が変わっていきますが、隣の弦まで振り抜く「アポヤンド奏法」で、1音1音しっかりと音を出していきましょう。
オルタネイトで弾いてみる
左手が押さえる場所を覚えたら、オルタネイトピッキングで弾いていきましょう。
(利き指スタートでOKです)
楽譜にピッキングの順番を書いていますが、特に2弦から1弦に移るタイミングでピッキングの順番が逆になりがちです。
人間はどうしても、違う弦に移ったタイミングで利き指からスタートする癖があるので、慣れるまでは注意が必要です。
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下降フレーズの弾き方
ここまではドレミファソラシドと上昇していくフレーズでしたが、ドシラソファミレドと下降していくフレーズも弾いていきましょう。
4弦5フレットから下がって行きますが、左手の押さえる場所や使う指は上昇のときと同じです。
ピッキングは利き指だけで行い、「アポヤンド奏法」で隣の弦まで振り抜きながら弾いていきます。
レイキングとは
「1弦の次に2弦を弾く」「2弦の次に3弦を弾く」というように、高い弦から低い弦に移動する場合に発生する弾き方が「レイキング」です。
人差し指だけでピッキングを行い、しっかりと「アポヤンド奏法」で隣の弦まで振り抜きます。
すると、1弦から2弦に移るタイミングと、2弦から3弦に移るタイミングで「今から弾こうとしている弦に、すでに右手の指がかかっている」という現象が発生しています。
ドシラソファミレドと下がってくる時の「ミレ」(2弦から3弦に移動する)のタイミングを例に詳しく見てみましょう。

①2弦をアポヤンドで弾く

②ピッキングした指は3弦に当たって止まる

③3弦はこのまま弾くことができる
という状況です。
ピッキングの基本動作は「弦を弾く→弾いた指を元の位置に戻す」の繰り返しです。
同じ弦で弾く場合は必ずこのような動きになります。
しかしここでは「弾いた指を元の位置に戻す」動作をしなくても、次の音が弾ける状態になっています。
この小さな動作を省いて、次の音を弾く奏法を「レイキング」と呼びます。
今回のような場面ではレイキングを使うことで、ピッキング全体が効率的になりスムーズに弾けるようになります。
オルタネイトとレイキング
同じフレーズをオルタネイトピッキングで弾いてみましょう。
1弦から2弦に移るタイミングと、2弦から3弦に移るタイミングでは、先ほどと同じようにレイキングが発生します。
ベースの場合、オルタネイトピッキングで弾く場面でも、レイキングを交えて弾くほうがスムーズな指使いになる場面が多いので、必ずピッキングの指を交互に弾かないといけないという訳ではないと覚えておいてください。
ついついレイキングのタイミングで利き指を使ってしまいがちなので、注意してください。
スケールって何?
ドレミファソラシドという音の並びは、正式名称「Cメジャースケール」と呼ばれています。
「スケール」とは、ある規則にそって並べられた音の配列の事で、日本語では「音階」と呼ばれています。
多くの楽曲が「スケール」を基に成り立っており、ベースを演奏するうえでも欠かせないものとなります。
ただ、ベースをはじめて4日目で完全に理解しなければならないものでもありません。
「Cメジャースケール」は「ドレミファソラシド」のことなんだなと覚えておけば大丈夫です。
しっかりと理解したいという方はこちらの記事を参考にしてください。

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まとめ
今日はドレミファソラシド(Cメジャースケール)の弾き方と、レイキングを交えたピッキングについて解説してきました。
今回も派手さのない内容でしたが、初心者のうちに理解しておくことで今後の上達を強力にサポートしてくれるポイントです。
次回はここまで学んできた細かなテクニックをさらにいろいろなパターンで弾いていき、ベースの基礎テクニックを身につけていきましょう。
次はベースに欠かせない「リズム」についてみていきましょう。
様々なバンドやアーティストを支えるサポートミュージシャン、ベース講師として活躍中。
攻撃力のあるFunkyなプレイを中心としながらもJazz,Rock,Fusionから繊細なアコースッティックまで幅広いプレイスタイルを持ち味としながら、歌心溢れるプレイと「楽曲に貢献するベース」に定評がある。