ギターで必須の4つのスケールと役にたつ覚え方
ギターをはじめた方が必ず目にする「スケール」という言葉。
メジャースケール、ペンタトニックスケールなどたくさんの種類があり、何から覚えればいいのか、違いは何なのか、どんな役に立つのか分からない事だらけだと思います。
この記事では、ギターを弾くうえで必ず知っておいてほしい4つのスケールの意味と、実践的な覚え方をご紹介しています。
スケールの知識は演奏の上達や作曲など、音楽のあらゆる場面で活きてくるので、まずは基本を理解してこれからのギター演奏の土台にしてください。
※この記事はオンラインギターレッスンのTHE POCKETで、実際にレッスンで使用してきた資料などをもとに作成しました。
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スケールって何?
音の階段
スケールとは、ある規則にそって並べられた音の配列の事で、日本語では「音階」と呼ばれています。
上の楽譜にはもっともポピュラーな「Cメジャースケール(ハ長調音階)」が書かれているのですが、その音をひとつずつ見ていくと「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」になっています。
※音階は「音の階段」と書きますが、確かに階段のように見えますね。
ギターの5弦だけでドレミファソラシドを弾くとこのようになります。
5弦の3フレットから15フレットまでが使われており、その間には12フレット分の幅があります。
この12フレット分の幅を「オクターブ」と呼び、1オクターブは12音で構成されています。
スケールは1オクターブ(12音)の中の音を、ある「規則」にしたがって並べた音の配列のことです。
???
「規則」とは何のことなのでしょうか?
スケールの規則とは?
「規則」を知るために、もう一度「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」をギターの指板上で見てみましょう。
今度は隣り合った音同士の幅も書き込まれています。
全と書かれているのは「全音」の略で、2フレット分の音の幅を意味しています。
半と書かれているのは「半音」の略で、1フレット分の音の幅を意味しています。
ドレミファソラシドは
全 / 全 / 半 / 全 / 全 / 全 / 半
の幅で音が並んでいる事がわかりました。
このように、「全 / 全 / 半 / 全 / 全 / 全 / 半」という幅で並んだ音階のことを「メジャースケール」と呼び、メジャースケールの「規則」とは「全 / 全 / 半 / 全 / 全 / 全 / 半」の音の並び順のことです。
そして、ドレミファソラシドの始まりの音「ド」は英語では「C」と呼ばれるので、Cから始まるメジャースケールで「Cメジャースケール」と呼ばれています。
スケールの「規則」とは、隣り合った音同士の幅がどんな順番で並んでいるのかを意味しています。
スケールの違い
スケールとは、ある規則にしたがって並べられた音の配列のことで、「メジャースケール」は「全 / 全 / 半 / 全 / 全 / 全 / 半」という規則で音が並んでいることまでわかりました。
では、他にも「規則」はあるのでしょうか?
Cメジャースケールと同じく、5弦3フレットから始まる別のスケールみてみましょう。
こちらのスケールは
「全 / 半 / 全 / 全 / 半 / 全 / 全」の規則で音が並んでおり、マイナースケールと呼ばれています。
5弦3フレット、Cから始まるマイナースケールなので「Cマイナースケール」になります。
(※正式にはナチュラルマイナースケールと呼ばれますが、ここでは分かりやすさを優先してマイナースケールと呼んでいます)
メジャースケールとマイナースケールを並べてみるとその違いが良くわかります。
スケールは日本語で音階、「音の階段」と書きますが、一段飛ばしで階段を登っているところと、飛ばさずに登っているところがあります。
このように、1オクターブをどのような歩幅(規則)で登っていくかによって、スケールの種類が変化するのです。
スケールが変わると何が変わる?
では、歩幅(規則)が変わることで何が変わってくるのでしょうか?
メジャースケールとマイナースケールを比べてみましょう。
まずは音を聞いてその違いを確かめてください
メジャースケール
マイナースケール
聞き比べると、全体的な雰囲気が変わっていたのではないでしょうか?
メジャースケールは明るく、マイナースケールは暗い雰囲気になっていました。
曲を作る場合その曲の元となるスケールを決めるのですが、どのスケールを選択するかで曲全体の雰囲気がガラリと変わってきます。
スケールとは音楽の中でそれほど大きな役割を占めているものなのです。
スケールの違いでどれほど曲の雰囲気が変わるか、「ドレミの歌」で体感してみましょう。
最初は原曲通りメジャースケールで、次にマイナースケールで演奏してみました。
「ドレミの歌」
なんだかパッとしない曲になりましたね。
ギターでよく使うスケール
スケールにはたくさんの種類があるのですが、いきなりたくさん覚えるのはしんどいですし、覚えたところで使えなければ意味がありません。
ここではギターで頻繁に使われる4種類のスケールに絞って、それぞれの規則と基本となるポジションをダイアグラムでご紹介していきます。
◆メジャースケール
「全 / 全 / 半 / 全 / 全 / 全 / 半」の規則で音が並んでいます。
実際にギターで弾く場合は6弦から1弦までを使って弾いていきます。
6弦の赤丸を8フレット(Cの音)の位置にして弾くとCメジャースケールになり、1弦の赤丸まで弾くと2オクターブ分のCメジャースケールが弾けます。
※赤丸はそれぞれのスケールの始まり(基準)となる音で「ルート」と呼ばれています。
◆マイナースケール(ナチュラルマイナースケール)
「全 / 半 / 全 / 全 / 半 / 全 / 全」の規則で音が並んでおり、メジャースケールの3、6、7番目の音をそれぞれ半音下げたとも言い換えられます。
6弦の赤丸を8フレット(Cの音)の位置にして弾くとCマイナースケールとなります。
◆メジャーペンタトニックスケール
「全 / 全+半 / 全 / 全 / 全+半」の規則で音が並んでおり、メジャースケールの4、7番目の音を省き、5つの音で構成されたスケールです。
6弦の赤丸を8フレット(Cの音)の位置にして弾くとCメジャーペンタトニックスケールとなります。
◆マイナーペンタトニックスケール
「全+半 / 全 / 全 / 全+半 / 全」の規則で音が並んでおり、マイナースケールの2、6番目の音を省き、5つの音で構成されたスケールです。
6弦の赤丸を8フレット(Cの音)の位置にして弾くとCマイナーペンタトニックスケールとなります。
ペンタトニックスケールのさらに詳しい解説はこちら
ギターでいちばん大切なスケールは「ペンタトニックスケール」ではないでしょうか? 多くの名フレーズや名曲がペンタトニックスケールを元に作られており、ギターを弾く上で避けて通ることができないスケールです。 ペンタトニックスケールの響きはロックやブルースの根っこになっていると同時に、ギターの指板上...
スケールの覚え方
ギターでよく使われる4種類のスケールをご紹介しましたが、丸暗記はなかなか大変です。
それぞれのスケールの関係性を理解することで覚えやすくなり、また実戦でも活きた使い方ができるようになります。
ここからは4つのスケールの関係性に注目して、それぞれの共通点と違う部分を探っていきましょう。
メジャースケールとマイナースケールの位置関係
CメジャースケールとCマイナースケールは、ダイアグラムで表すと形はほとんど同じです。
メジャースケールの6弦には灰色の丸で示された音が2つ追加されていますが、実はこの音もCメジャースケールの中の音です。
このメジャースケールの形を3フレット上にずらし、ルートの位置(赤丸)を変えるだけでマイナースケールが弾けてしまいます。
(弾いている場所は違うが、形は同じ)
メジャーペンタとマイナーペンタの位置関係
この関係はメジャーペンタトニックスケールとマイナーペンタトニックスケールでも同じです。
Cメジャーペンタトニックスケールの6弦に灰色の丸で示された音を追加し、3フレット分上にずらしてルートの位置(赤丸)を変えるだけでマイナーペンタトニックスケールが弾けてしまいます。
ここで大事なことは「スケールごとの響きの違いを意識する」です。
ダイアグラム上では形が同じなのでメジャーとマイナーの違いが頭から離れてしまいがちですが、ルート音(赤丸の音)が違うため別のスケールになっており、響きもまったく違うことを常に意識しておきましょう。
メジャースケールとメジャーペンタの関係
メジャースケールから青丸の音を省くとメジャーペンタトニックスケールになります。
逆にメジャーペンタトニックスケールに青丸の音を加えるとメジャースケールになります。
マイナースケールとマイナーペンタの関係
この関係はマイナーの場合でも同じです。
マイナースケールから青丸の音を省くとマイナーペンタトニックスケールになります。
逆にマイナーペンタトニックスケールに青丸の音を加えるとマイナースケールになります。
このように、それぞれのスケールの関係性を理解することで覚えやすくなると同時に、活きた使い方ができるようになります。
ルートの位置を変えると別のスケールになる
ダイアグラムで赤丸になっていた音はルートと呼ばれ、ルートが何の音から始まるかによってスケールの名前が変わってきます。
同じメジャースケールでも、
6弦8フレット(Cの音)をルートにしたメジャースケールはCメジャースケール、
6弦5フレット(Aの音)をルートにするとAメジャースケール
になります。
CメジャースケールもAメジャースケールも形は同じなので押さえるフレットの場所をずらすだけで弾けてしまいます。
これはピアノなど他の楽器にはない、ギターの特徴です。
まとめ
- スケールとはある規則にしたがって並べられた音の配列
- 規則が変わるとスケールの名前が変わる
- スケールが変わると雰囲気が変わる
- ギターで頻繁に使われる4つのスケール
- スケールの関係性を理解して覚える
をご紹介してきました。
最後に今回ご紹介した4つのスケールの関係性を一覧表で確認しておきましょう。
スケールをしっかり理解することで、フレーズが覚えやすくなったりアドリブができるようになるなど、ギターの上達にも大きく影響してきます。
音楽を学ぶうえで欠かす事のできないスケールの知識を身につけ、より深く、楽しくギターが弾けるよう日々の練習に取り組んでいきましょう!!