初心者がウクレレをゼロからはじめる方法
ウクレレのルーツは、ブラギーニャというポルトガルの楽器にあります。
1879年にポルトガルからハワイに訪れた移民が、ハワイの木材である「コア」を使って故郷の楽器を作り始めたことが現在のウクレレにつながっていきます。
ウクレレは楽器本体の大きさも音量もコンパクトなので、「これから楽器をはじめてみたいけど、保管場所やご近所さんの目や耳が気になる」という初心者の方にもおすすめです。
この記事はオンラインの音楽スクール「THE POCKET」が監修し、ウクレレの基本からその魅力、練習方法、簡単に弾ける曲とその弾き方までご紹介しています。
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ウクレレってどんな楽器?
とってもコンパクト
ウクレレは全長55〜70cm程度、横幅20〜25cm程度でギターと比べるととてもコンパクトです。
ギターが全長約100cm、横幅30cm〜40cm程度なので並べるとその小ささが際立ちます。
サイズが小さいので、初心者の方でも楽に持つことができ、体への負担もほぼありません。
また、コンパクトなボディーは音量も小さく、保管場所もコンパクトでなので日本人の住宅事情にもぴったりです。
「これから何か楽器を始めてみたいな」という方が手軽にスタートする楽器としても最適です。
ウクレレの音域は2オクターブ強
弦の本数はギターが6本なのに対し、ウクレレは4本しかないので出せる音域が狭くなっています。
(ギター=4オクターヴ弱、ウクレレ=2オクターブ強)
C音(ド)から2オクターブと4度上のF音(ファ)までが標準的なウクレレの音域です。
ウクレレの仕組み
ウクレレには4本の弦が張られています。
基本的な構造はギターとほとんど同じで、ボディー、ネック、ヘッドというパートに、ブリッジ、フレット、ナット、ペグ(糸巻き)といった部品で構成されています。
サウンドホール付近の弦を右手で弾いて音を出し、左手はネック上のフレットを押さえることで音程を変化させます。
弦を弾くとその振動がボディーで共鳴して音が大きくなります。
①ボディー:弦の振動を共鳴させる
②ネック:左手で押さえて音程を変化させる
③ヘッド:弦を固定する
④ブリッジ:ボディー側で弦を固定し、複数のパーツから構成される
⑤サドル:弦の振動をボディーに伝える
⑥サウンドホール:ボディーで共鳴した音が出ていく穴
⑦フレット:音程を変えるための金属バー
⑧ナット:4本の溝が掘られており、弦同士の幅を固定する
⑨ペグ:弦が巻き付けられており、回すことで音程が変わる
使われる弦はナイロン製のもので、クラシックギターと似ています。
(クラシックギターは1〜3弦がナイロン弦、4〜6弦が鉄弦で、アコースティックギターやエレキギターは全部が鉄弦です。)
ウクレレの種類と選び方
ウクレレとひと口に言っても、大きさや使われている木の材質によってたくさんの種類があるのですが、ここでは代表的なソプラノ、コンサート、テナーという3つの種類をご紹介していきます。
初心者の方はまずこの3つの大まかな違いを理解しておくことで、楽器選びや音の聞き分けがしやすくなります。
この3種類のウクレレで、いちばんの違いは「大きさ」です。
大きさが違うと音質や音量はもちろん弾きやすさまで変わってくるのですが、それぞれに独自の魅力があり「どの種類がいちばん良い」ということは言えません。
自分の求めるサウンドや弾き心地にあった種類を選ぶことになります。
ですが、初心者の方が「求めるサウンド」と言われても困ってしまうと思うので、まずはそれぞれの大まかな違いを知って最初の1本を選ぶ目安としましょう。
音の違い
KIWAYA商会さんの商品紹介動画を参考にしてみましょう。
ウクレレの音を表現する時に「コロコロしている」という言葉がよく使われますが、この3つの中ではソプラノの音がいちばん「コロコロしている」イメージに近く、いわゆる「ウクレレらしい音」がしており初心者の方のイメージにも近いのではないでしょうか。
コンサートの音は少しきらびやかな印象になっており、透明感を感じさせるサウンドになっていました。
テナーはコンサートのきらびやかさに加え、ボディーの大きさからかくるふくよかでリッチな印象を受けるサウンドでした。
サイズの違い
次に3種類の大きさの違いを、4つのポイントに注目して見ていきましょう。
- 全長:ヘッドの先からボディーの先までの長さ
- フレット数:フレットとは、ネックに付いている金属製のバーのこと
- ナット幅:ナットとは、ネックの先端にフレットと並んで付いている、白いバーのこと
- スケール:「弦長(ナットからサドルまでの距離)」のこと
種類/項目 | 全長 | フレット数 | ナット幅 | スケール |
---|---|---|---|---|
ソプラノ | 約55cm | 15f | 約3.5cm | 約35cm |
コンサート | 約62cm | 20f | 約3.5cm | 約38cm |
テナー | 約68cm | 19f | 約3.6cm | 約43.5cm |
ソプラノ→コンサート→テナーの順に「全長」「スケール」も大きくなっていくのが分かります。
※ここでは日本の老舗ウクレレ専門店KIWAYA商会さんのプライベートブランド「Famous」のソプラノウクレレ【FS-5G】とコンサートウクレレ【FC-4】、同じくKIWAYA商会さんのプライベートブランド「LUNA」のテナーウクレレ【No.92T】で比較しています。
ウクレレやギターでは「スケール」という言葉をよく耳にしますが、ここでは「弦長(ナットからサドルまでの距離)」のことを指しています。
スケールが長くなるにつれて弦の張りが強くなり、音も硬い印象になります。
また、スケールが長くなるとフレット同士の幅も広くなっていくので、弾きやすさにも影響が出てきます。
ギターと比べるとフレット同士の幅がとても狭いので、ギター経験者にはスケールの長いコンサートやテナータイプのウクレレの方が弾きやすく感じます。
値段の違い
あとは気になるお値段ですが、今回取り上げた3機種では ソプラノ → コンサート → テナー の順で高くなっていきますが、もちろん値段の高いソプラノ、お手頃価格のテナーなども存在しています。
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ウクレレの選び方
ウクレレには3つの代表的な種類があることが分かりましたが、同じソプラノでもコアウッド、マホガニー、スプルースなどさまざまな木材で作られているものがあり、音もそれぞれ違いがあります。
また、メーカーも「Famous(フェイマス)」「KAMAKA(カマカ)」「KoAloha(コアロハ)」「Martin(マーティン)」など沢山あり、値段も本当にピンキリです。
初めてウクレレを購入する人が自分にぴったりの理想的な一本を見つけるのは至難の技と言えるでしょう。
先ほども出てきたように、ウクレレらしいサウンドが欲しい初心者の方はソプラノ、ギター経験者であればコンサートのような基準で大まかに決めてしまい、後は予算と相談しながら探していくのが良いと思います。
楽器店に行けば試奏(購入前に実物を触らせてもらえる)できるので、大まかな種類と予算が決まったら是非一度足を運んでみましょう。
ウクレレの弾き方
ウクレレが手に入ったら弾き方を一歩ずつ練習していきましょう。
ウクレレの構え方
ここでは右ききの人の場合の構え方を説明していきます。
①ウクレレを体の真ん中に持ってきて、ボディーの端を右ひじで支えます
②右手の人差し指〜薬指の指先を、ボディーの下に添えます
③左手はネックに下から軽く添えておきます
右手は大きく動かす場合もあり、指先でボディーを支え続けることができないので、基本は右手の肘と左手でウクレレを支えます。
弦の弾き方
いろいろな弾き方がありますが、まずは基本の親指で弾く方法を覚えましょう。
基本の構え方でウクレレを持ち、右手の親指を上から下に振り下ろして弦を弾きます。
親指の関節は曲げずに、付け根から動かすようにイメージしましょう。
親指の側面が弦に当たるようにすると柔らかいサウンドになり、指先で弾くと爪が弦にあたり硬くクリアなサウンドになります。
実際の演奏では出したいサウンドによって弾き分けますが、最初はどちらか弾きやすい方で大丈夫です。
上から下に弾くこちらの弾き方は「ダウン・ストローク」と呼ばれます。
チューニングの方法
ウクレレを弾く上で必ずしなくてはならないのが「チューニング」です。
チューニングが正しくできていないと、どんなに正確に演奏しても調子はずれになってしまい、気持ちよくウクレレを楽しむことができません。
そこで絶対に用意しておきたいものが「チューニングメーター(チューナー)」です。
慣れてくれば自分の耳だけでチューニングすることも可能ですが、初心者のうちは正しいチューニングを身につけるためにも必ずチューナーを用意しておきましょう。
チューナーにはいろいろな種類がありますが、今の主流はヘッド部分にはさんで取り付ける「クリップ式チューナー」です。
1,000円〜3,000円程度で購入できるのでウクレレ本体と同時に用意しておきましょう。
ウクレレの基本的なチューニングは4弦からG(=ソ)、C(=ド)、E(=ミ)、A(=ラ)の音に合わせていきます。
チューナーをウクレレのヘッドに取り付けて弦を弾くと、今鳴っている音の高さが液晶画面に表示されます。
4弦をチューニングする場合、チューナーの表示がG(=ソ)より低けれペグを巻いて音を上げ、低ければ緩めて音を下げます。
4本の弦を1本ずつチューニングしていくので、慣れるまでは少し時間がかかりますがコツを掴めれば1分もかからずにチューニングができるようになります。
詳しいチューニングの手順はこちらの記事でも解説しているので参考にしてください。
ウクレレやギターなどの弦楽器は、その特性上「チューニング」とは切っても切れない関係にあります。 演奏する前や演奏中など、ウクレレを弾いていると何度もチューニングを行うことになりますが、覚えてしまうと難しいものではありません。 これからウクレレを楽しく練習し、充実したウクレレライフを手に入れるため...
ウクレレの練習方法
3つのコードを弾いてみる
チューニングができたらいよいよウクレレをポロロンと鳴らして、そのサウンドを楽しんでいきましょう。
ウクレレの楽しさを実感するためにはやはり「コード」を弾くのが最善の方法だと思います。
いきなりコードを弾くとなると少し難しそうに感じるかもしれませんが、ウクレレには指1本で押さえられるコードもあります。
まずはCコードを押さえてみましょう。
C
最初の図は「ダイアグラム」と呼ばれるウクレレのコードの押さえ方を表す図で、横線は下から4弦、3弦、2弦、1弦を表しており、縦線はフレットを表しています。
このダイアグラムは「1弦の3フレットを薬指で押さえる」ということを表しており、次の写真が実際に押さえた状態になります。
(ダイアグラムと写真では180度回転した状態になっており、ダイアグラムはウクレレを構えた時の目線、写真はウクレレを持った人を前から見た時の目線になっています)
薬指で1弦の3フレットを押さえて、4本の弦を右手の親指で4弦から順番にポロロンと弾いてみましょう。
これだけでCコードが弾けてしまいました!!
F
中指で4弦の2フレット、人差し指で2弦の1フレットを押さえます。
3弦と1弦はどこも押さえずに鳴らしたいのですが、よくある失敗として中指や人差し指の腹が当たってしまい音が出ないというケースがあります。
弦を真上から押さえるイメージで指を立て、隣の弦に指が当たらないように注意しましょう。
G7
中指で3弦の2フレット、人差し指で2弦の1フレット、薬指で1弦の2フレットを押さえます。
ここでも4本の弦が全部鳴っていることを確認したいので、弦を1本ずつ弾いてみてください。
音が出ていない弦があれば「しっかりと押さえられていない」「隣の指が弦に当たっている」のどちらかが原因なので、指を立てて弦を真上から押さえるようにしましょう。
きらきら星を弾いてみる
ここまで練習した3つのコードは「3コード(スリーコード)」と呼ばれ音楽の根幹を作るとても重要なコードです。
この3つのコードだけでできている曲はたくさんありますが、今回は子供の頃に誰もが聞いたことのあるこちらの曲にチャレンジしてみましょう。
「きらきら星(Twinkle Twinkle Little Star)」
(こちらから楽譜のPDFをダウンロードできます。プリントしてお使いください)
コードの切り替わり(コードチェンジ)が多いのですが、テンポがゆっくりなのでそれほど忙しくは感じないと思います。
いちばん上の段と3段目はまったく同じコード進行で、2段目の1〜2小節目と3〜4小節目も同じコード進行になっているので、覚えるパートも実はとても短くなっています。
1、2、3、4のリズムに合わせて右手の親指を4弦側から1弦側に振り下ろし、コードを弾いていきます。
このように4本の弦を同時に鳴らすことを「ストローク」と呼び、ウクレレでコードを鳴らすときの基本動作になります。
(上から下に振り下ろす動作を「ダウンストローク」、下から上に振り上げる動作を「アップストローク」と呼びます)
慣れてきたら下の音源に合わせて一緒に弾いてみましょう。
音源:きらきら星(Twinkle Twinkle Little Star)
とてもシンプルな曲なので、初めてでも30分もかからずに弾けるようになる方もおられます。
もし簡単にできてしまった方は、こちらの記事で他のコードやコードチェンジのコツも解説しているので参考にしてみてください。
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最後に
ウクレレの基本とその練習方法はいかがでしたか?
ここまでしっかりと読んでいただいた方は、あとはひとつずつ自分に合った練習を重ねていくことでそう遠くない未来にウクレレを自由に楽しめるようになっているでしょう。
あなたの楽しいウクレレライフを絶賛応援しています!!
また、ウクレレの演奏をちゃんとプロから教えてもらってしっかりと弾けるようになりたい!という方には当スクール「THE POCKET」のオンラインレッスンをおすすめしています。
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