216個のギターコードを最速で覚える方法
C
F#m
A7
コードにはたくさんの種類があり、全部書き出すと数百〜千を超えるとも言われています。
ギターの場合、Cコードひとつに対しても数パターンの押さえ方があるので、全部を覚えようとするととんでもない記憶力が必要になってきます。
ですが、プロギタリストの多くはどんなコード進行でも譜面をみるだけでスラスラとコードが弾けてしまいます。
彼らは恐ろしく記憶力のいい人種なのでしょうか?
いえ、彼らは「コードを覚えている」のではなく「コードの仕組みを知っている」のです。
コードにはきっちりとした仕組みがあり、その仕組みを知っていればどんなコードでもすぐに弾けるようになります。
コードは「覚える」ものでなく、仕組みを「知る」ものです。
仕組みを正しく理解するためには音楽理論の知識が必要になってきますが、この記事では初心者の方でもわかりやすいように、難しい音楽理論をできる限り使わずに解説していきたいと思います。
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コードとは?
コードは日本語で「和音」と呼ばれ、「いくつかの音を重ねた響き」のことを指します。
また、重ねる音には一定のルールがあり、そこには意味があります。
コードの基本は3和音
コードの基本は3つの音が重なったもので「3和音(トライアド)」と呼ばれます。
では、この3つの音はどんなものを重ねれば良いのでしょうか?
ここには明確な決まりがあり、1度、3度、5度の3つの音を重ねます。
「度」とは音を数えるときの単位のことで、基準になる音を1度、そこからひとつ飛ばした音を3度、さらにそこからひとつ飛ばした音が5度になります。
ドレミファソラシドを度数で表すと下の楽譜のようになり、ドを基準にした三和音は「ド・ミ・ソ」の音からできています。
1オクターブ上の「ド」は8度になりますが、同じ「ド」なので1度と言い換えることがあります
ギターの3和音てどんなもの?
ギターをはじめて最初に覚えるコード、Eも3つの音からできている「3和音(トライアド)」です。
ですが、Eコードは6弦から1弦まで6本の弦を鳴らすコードで、6つの音が鳴っています。
3和音は3つの音でできているはずなのに、これはどう言うことでしょうか?
その理由は「オクターブ違いの音は同じ音としてカウントする」にあります。
先ほどご紹介した度数の楽譜でも、1オクターブ上のドは1度と表記されていました。
下のダイアグラムはEコードの押さえ方を表しており、数字は度数を表しています。
6弦と4弦と1弦は1度、3弦は3度、5弦と2弦は5度になっています。
このように、ギターには5本、6本の弦を同時に鳴らしていても、実際には3種類の音しか使われていないようなコードがたくさんあります。
コードの仕組みを知ろう
EやEmなど、コードにはそれぞれ名前がついており、この名前のことを「コードネーム」と読んでいます。
コードネームにはそれぞれ意味があり、その意味を理解することがコードの仕組みの理解につながっていきます。
メジャーとマイナーの違い
「E」のようにアルファベットだけで書かれたコードを厳密に読むと「Eメジャー」となり、「Em」は「Eマイナー」と読みます。
まずは下のEとEmコードのダイアグラムを見てみましょう。
この二つのコードの違いは3弦を1フレットで弾くか、開放で弾くかの違いだけで他の弦は同じ音が鳴っています。
3弦は3度の音なので、「メジャー」コードと「マイナー」コードの違いは3度の音だけということが分かります。
メジャーコードの3度を1フレット分(半音)下げると、マイナーコードに変わっています。
※マイナーの3度は区別しやすいように「m」と表記しています。
4つの音でできているコード
3和音のメジャーとマイナーの違いを見てきましたが、3和音にもうひとつ音をプラスした4和音と呼ばれるコードもあります。
4和音は1度、3度、5度の3つの音(3和音)に7度の音を付け加えたコードで、3和音を基本にしています。
また、3度に「3」と「m」の2種類があったように、7度にも2つの種類があります。
まずは「E(Eメジャー)」の三和音に7度の音を付け加えた 「EM7(Eメジャーセブンス)」と「 E7(Eセブンス)」2つのコードを見てみましょう。
- M7(メジャーセブンス)は、8度の音を1フレット分(半音)下げた音
- 7(セブンス)はM7をさらに1フレット分(半音)下げており、8度からは2フレット分(全音)下がった音
どちらのコードも3和音が基本になっており、3つある1度(=8度)のうちひとつを7度に変化させていることが分かります。
※M7(メジャーセブンス)はmaj7、△7と表記される場合もありますが、どれも意味は同じです
同じように、「Em(Eマイナー)」に7度の音を付け加えた 「EmM7(Eマイナー・メジャーセブンス)」と「 Em7(Eマイナーセブンス)」2つのコードを見てみましょう。
まずは4弦の音が開放になっており、Em(Eマイナー)が元になったコードだということを確認しておきましょう。
- mM7(マイナーメジャーセブンス)はマイナーコードの8度(=1度)を1フレット分(半音)下げたコード
- m7(マイナーセブンス)はマイナーコードの8度(=1度)を2フレット分(全音)下げたコード(M7を半音下げたとも言える)
コードとコードの関係性を知ろう
ここまでで、E、Em、EM7、E7、EmM7、Em7の6つのコードの押さえ方と関係が分かりましたが、もう一度その全体像を確認しておきましょう。
- マイナーはメジャーの3度を半音下げたコード
- M7(メジャーセブンス)は1度(=8度)を半音げる
- 7(セブンス)はM7(メジャーセブンス)を半音下げる
という関係性になっています
それぞれのコードをバラバラに覚えるのではなく、どのような関係にあるのか関連づけて覚えるのがポイントです。
コードネームの意味を知ろう
そして、コードネームにはこれらの情報が簡潔にまとめられています。
それぞれの文字の意味を覚えておきましょう。
- コードの頭には必ずルート音が表記されます。
(ルートとは1度のことで、そのコードの基礎となる音です) - 次に3和音の種類を書きますが、メジャーコードの場合は何も表記せず、マイナーコードの場合には小文字の「m」を表記します。
- 最後に4和音の種類を書きます。
何も書かれていなければ3和音、M7の場合は「メジャーセブンス」、7は「セブンス」コードになります。
※よくある間違いに、「CM7」のことをCメジャー(CM)にセブンス(7)の音を加えたコードだと勘違いしているというケースがありますが、似ているようで違うコードです。
「CM7」はCメジャー(C)にメジャーセブンス(M7)の音を加えたコードです。
小文字のmは3度のことで、大文字のMは7度のことだと覚えておきましょう。
コードネームに関するさらに詳しい解説はこちらをどうぞ。
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指板の音を覚えよう
ここまででEをルートにした6つのコードの仕組みを知ることができましたが、ここにもうひとつのルールを追加して覚えると、一気に72個のコードが弾けるようになります。
EとFは同じ形
Eは初心者でも比較的押さえやすいコードですが、Fはギター初心者の多くが挫折してしまう難しい押さえ方のコードです。
Eは6弦と2弦と1弦を開放で鳴らしているのに対し、Fでは人差し指をセーハして押さえていますが、形だけに注目するとこの2つのコードはまったく同じものになっています。
EmとFmも同じ形
この関係はEmとFmでも同じで、実際に押さえる指づかいこそ大きく変わりますが、コードの形は同じです。
この関係は4和音のM7、7、mM7、m7でもすべて同じで、E〇〇のコードを1フレット分上げるだけでF〇〇のコードに変わります。
6弦の音名
同じように、押さえる場所を1フレットずつずらしていくとF#〇〇、G〇〇とルート違いのコードが押さえられるようになります。
ギターのフレットは12フレットで1周して1オクターブ上の同じ音になるので、12フレットまでの音を覚えると、「6つのコードフォーム×12個のルート音」で合計72個のコードが押さえられるようになります。
このように、コードフォームとフレットの音名を覚えると一気にたくさんの種類のコードが弾けるようになります。
逆にこの仕組みを意識せずにひとつひとつのコードの押さえ方を覚えるのは、とても効率の悪い方法と言えます。
あと144個のコードを一気に覚えよう
これまでは6弦にルートを置いたコードだけをみてきましたが、5弦や4弦にルートが来る場合でもまったく同じ仕組みになっています。
5弦ルートのコード
5弦ルートではAのコードを基準にして考えます。
まずは6つのコードフォームを見てみましょう。
3度は2弦にあり、メジャーの場合は2フレット、マイナーになると1フレットに移動しています。
マイナーになると3度が1フレット(半音)分下がるのは、6弦をルートにしたコードと同じ仕組みです。
7度は3弦にあり、ここでもM7は8度の1フレット(半音)下で、7はさらに1フレット(半音)下がっていることが分かります。
この位置関係がつかめたら、あとは5弦の音名を覚えていくだけで72個のコードが弾けます。
4弦ルートのコード
4弦ルートの場合はDコードが基準になります。
3度が1弦にあり、7度は2弦にあります。
この位置関係と4弦の音名を覚えると72個のコードが弾けるようになります。
さいごに
ここまでの内容を覚えるだけで、なんと216個ものコードが弾けるようになりました。
とは言っても、これだけの内容をすぐに覚えることも大変なので、まずは6弦ルートの72個のコードが弾けるように、ひとつずつ練習していきましょう。
今回はコードフォームとして、各弦で6個ずつご紹介しましたがまだまだコードフォームはたくさんあります。
基本のコードフォームが弾けると、他のコードフォームもすぐに覚えて弾けるようになるので、あっという間に1000を超えるコードも弾けるようになります。
ですが、この仕組みを覚えたからと言ってコードがすぐに弾けるわけではありません。
覚えた内容がスラスラ出てくるようになるためにはそれなりの練習が必要です。
ここは少し大変になってきますが、乗り越えた先のリターンがとても大きなものなので、諦めずに少しずつ練習していって欲しいと思います。
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