エフェクターって何?どうやって使うの?を徹底解説
エレキギターはギターとアンプがあれば音を出せますが、エフェクターがあればさらに多彩な音作りができるようになり、表現の幅や好きな曲をコピーするときの再現度が大幅に上がります。
この記事ではエフェクターの基礎知識や代表的な使い方、サウンドの違いなど、音源も参考にしながらギター初心者の方に向けてひとつずつ解説していきます。
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エフェクターとは?
エフェクターとは、エレキギターなど楽器の音になんらかの効果や影響(Effect/エフェクト)を与えるための機器の総称です。
得られる効果や影響は、それぞれのエフェクターの特性によって決まっており、たくさんの種類があります。
なんで音が変わるの?
エレキギターで音が出る基本的な仕組みは、
- ピックアップが弦の振動を電気信号に変化させる
- 電気信号がアンプで増幅されて音が出る
となっています。
ピックアップの仕組みについてはこちらで詳しく解説しています。
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ギターとアンプの間では電気信号の受け渡しが行われているのですが、エフェクターはその電気信号に意図的に手を加えることで、音を変化させているのです。
ギターアンプでも音を変化させることができますが、それはツマミを回すことで電流の量や抵抗の値が変化しているからです。
エフェクターはアンプよりもさらに細かく、幅広く音を変化させることができますが、やっていることはアンプと同じく電気信号になんらかの手を加えるという操作です。
どんな時に使うの
エフェクターにはたくさんの種類がありますが、それぞれの特性によって使われる場面も変わってきます。
演奏中ずっと使われる場合もあれば、曲の一部でだけ使われる場合もあります。
例えば、1曲の中で複数の音色が使われている曲では、エフェクターで場面ごとに音色を変化させる必要があります。
イントロは激しく歪んだサウンドでパワーコードのリフを弾いて、Aメロではクリーントーンでアルペジオを弾く曲の場合、アンプはクリーントーンでセッティングしておきディストーションなど歪み系のエフェクターで音色を変化させたりしています。
エフェクターの種類
エフェクターにはたくさんの種類がありますが、ここでは便宜上4つに分類してそれぞれの特徴や音のイメージ、代表的なエフェクターをご紹介していきます。
歪(ひず)み系
エフェクターの代表格にして、エフェクターの元祖になります。
ギターの音を歪ませる効果を持ち、ロックの歴史と共に進化してきたエレキギターに欠かすことのできないエフェクターで、音の特徴によりオーバードライブ、ディストーション、ファズなどに分類されています。
オーバードライブ
ギターの信号をわずかに歪ませることで、チューブアンプのクランチ感やウォームな音色を再現します。
ブルースやロックでよく使われるエフェクターで、クリーンな音をブーストする際にも用いられます。
温かみのあるまろやかな歪みサウンドになっており、ピッキングのニュアンスも忠実に再現できます。
ディストーション
オーバードライブよりも強い歪みを生み出すエフェクターで、よりハードなロックやメタルのサウンドに適しています。
激しく、力強いサウンドが得られます。
ファズ
さらに激しい歪みサウンドが得られ、原音やアタック感が認識できないくらいに歪ますこともできます。
とても個性的なエフェクターですが、実はオーバードライブやディストーション以前に作られたエフェクターの元祖なのです。
ぐしゃっと潰れた独特なサウンドで、サイケデリックな印象を受けます。
空間系
空間系エフェクターは、ギターサウンドに立体感と広がりを与える役割があります。
お風呂やトンネルで大きな声をだすと、声が反響して独特なエコー感が得られますが、あの効果をコントロールするのが空間系エフェクターの役割です。
リバーブ
音を反射させて、まるで広い空間で演奏しているかのような響きを生み出します。
ホールやルームなどの異なるリバーブタイプがあり、大袈裟なセッティングで使う場合もあれば、他の楽器とのアンサンブルではその効果が分からないくらいにうっすらと使う場合もあります。
サウンドに奥行きが出て、ホールで演奏しているような印象になりました。
ディレイ
ギターの音を一定の時間遅らせて再生することで、山びこのようなエコー効果を生み出します。
ディストーションサウンドと相性が良く、ギターソロでは音に奥行きを与えたり、厚みを加える目的で使われることがあります。
原音に対して5つほどの音が遅れて聞こえることで、音に厚みと広がりが加わっています。
モジュレーション系
原音に対して音量や音程、タイミングを変化させることで独特な「揺れ」効果を生み出すエフェクターです。
コーラス
原音とコピーした音の音程を微妙にずらして重ねることで、豊かで広がりのあるサウンドを作り出します。
クリーントーンとの相性が良く、様々な場面で使用されています。
音に揺れが出て、幻想的な雰囲気を醸し出しています。
フランジャー
わずかに遅れた音を加えることで、波打つような効果を与えるエフェクターです。
インパクトの大きなサウンドなので、使われる場面は少し限定的です。
よく出てきそうなリフが、かなりインパクトのあるジェットサウンドのリフに変わりました。
フェイザー
フィルターを使って位相を変化させた音を原音とミックスすることで、うねり効果を生み出します。
フランジャーとサウンド的には近いイメージですが、原理的には異なっており、よりまろやかな効果となります。
音に揺れが加わり、独特な浮遊感を感じさせます。
フィルター/ダイナミクス系
特定の周波数帯を強調または減衰させることで、音質を変化させるエフェクターです。
フィルター系はイコライザー、ワウペダルなどで、ダイナミクス系はコンプレッサーなどが代表格です。
イコライザー
音の周波数帯域ごとに増加、減少させることができるエフェクターで音質を大きく変化させたり、アンプのツマミだけではできない細かな音作りが可能です。
前半は普通のオーバードライブサウンドですが、後半にイコライザーを加えています。
少し高めの中音域をカットしているため、尖りがなくなりマイルドなサウンドになりました。
ワウペダル
足でペダルを操作することでフィルターの中心周波数を変化させ、ワウワウと口で言っているような音が出せるエフェクターです。
強烈でクセのある効果が得られますが、愛用するギタリストも大勢います。
足でペダルを操作するので、フレーズに合わせて音色を変化させることができます。
コンプレッサー
設定上限を超えた音量を小さくし、下限より小さな音を大きくすることで、全体的な音量を均一にする効果があります。
他のエフェクターに比べるとその効果は分かりにくいのですが、上手く使うと全体の印象を大きく左右するエフェクターです。
前半はコンプレッサーなし、後半はありの音源になっています。
パッと聞いただけでは違いが分かりづらいかもしれないので、大きな音で聞いてみましょう。
コンプレッサーをかけると音が平準化され、少し奥まった印象になっています。
エフェクターの疑問
種類やその効果が分かったとしても、たくさんの疑問が湧いてくるのがエフェクターです。
ここではそんな疑問にお答えしていきます。
何から買えばいいの?
たくさんの種類があり、何を買えばいいか分からないという場合、まずは今何が必要かというところから考えてみましょう。
コピーしている楽曲が激しく歪んだ音ならばディストーション、豊かな広がりがあるクリーントーンが使われていたらコーラスが必要かもしれません。
ただ、コピーしている楽曲に必要だからと言って出現頻度の低いエフェクターを買うともったいないので、一般的には歪み系から購入することをおすすめします。
コンパクトとマルチエフェクターの違い
コンパクトエフェクターは1つの効果を持った小型のペダルで、特定のエフェクトを使用したい場合や、そのエフェクターならではの音にこだわりがあるギタリストが使用します。
一方、マルチエフェクターは複数のエフェクトが1つの機械で使用できるので、手軽に多彩なエフェクトを使いたい場合に便利です。
繋ぎ順って決まりがあるの?
エフェクターの繋ぎ順を変えるだけで、サウンドに大きな影響を与えます。
一般的な繋ぎ順は、ギターからフィルター/ダイナミクス系→歪み系→モジュレーション系→空間系の順番になります。
ただ、この繋ぎ方は一般的なものというだけで絶対ではありません。
エフェクターに慣れてきたらいろいろな繋ぎ順を試して、自分の理想のサウンドを見つけてみましょう。
その場合、ギターの原音に対して繋いだ順番に効果がかかっていくので、変化させた音に対してさらに変化が加わっているという音の流れを意識すると、音作りがやりやすくなります。
何個買えばいいの?
演奏するジャンルやスタイルによって必要な個数は異なります。
最低限のエフェクトだけを使ってギターとアンプそのままの音を楽しみたい人もいれば、多様なサウンドや理想の音を作り込みたい人もいます。
まずは1つエフェクターを買ってみて、それを使いこなすところから始めてみましょう。
エフェクターケースって必要?
エフェクターケースは、エフェクターを保護して持ち運ぶためのケースです。
エフェクターが複数ある場合、エフェクターケースの中に配置してセッティングができるので、移動先でもいつもと同じセッティングがすぐに使えます。
エフェクターの数が増えたり、持ち運びの機会が増えた段階で購入を検討してみましょう。
エフェクターには膨大な種類があり、それぞれの違いや使い方をすべて把握するのは大変です。
まずは歪み系などひとつのエフェクターを実際に触ってみて、音がどのように変化するか体感してみましょう。
プロギタリストであっても、エフェクターをほとんど使わない人や、巨大なエフェクトシステムを駆使する人など様々なタイプがいます。
エフェクターをどう使うかの前には必ず、「どんな音を出したいか」というイメージが頭の中で出来上がっている必要があるので、いろんな曲を聞いて自分の好みの音を見つけていきましょう。