ギターのピッキングフォーム 右手を固定する?浮かせる?
ギターを美しい音で響かせる為の最も重要な要素はピッキングであると言っても過言ではなく、ピッキング次第で同じギターの音でも全く別物になってしまうほど影響力の大きな部分です。
ピッキングのフォームは正直どれが正解というものもありません。
上手いギタリストでも独特で個性的なフォームの人も多く、それでいい音を出せており自分自身が思い描く通りのサウンドが得られているのであれば、それがその人にとっての正解なのでしょう。
しかし、初心者の方にとっては何が正解か分からず迷ってしまう要因にもなります。
ピッキングフォームの違いで最も分かりやすい部分に右手をギターに付けて弾く、右手をギターから浮かせて弾くという違いがあります。
結論としては右手をギターから浮かせて弾くほうが多くの面で有利になってくると思います。
今回はピッキングの際に右手をギター本体に固定するのか、浮かせるのかという点に絞って見ていきましょう。
右手を固定するってどういう事?
右手を固定するピッキングフォームは大きく分けて2つあります。
1、「右手をブリッジに固定してピッキング」
小指の付け根から手首にかけての部分をブリッジに乗せている状態です。
この場合、弦をピッキングをする位置がリアピックアップの近く、ブリッジ寄りになるためブライトなトーンになります。
このピッキングの位置というものがギターのサウンドにとってはとても重要で、リアピックアップ寄りになるほどブライトなトーン、フロントピッックアップ寄りになるほどウォームなトーンになります。
右手をブリッジに固定して弾くという事は、ピッキングの位置の違いで得られるトーンの幅を自ら狭めている事になります。
2、「小指や薬指をピックガードに固定してピッキング」
小指や薬指がピックガードに「軽くふれている」だけだと問題ないのですが、「固定されている」状態の人もよくみかけます。
右手のぶれが少なくなり、ピッキングが安定するからというのがこのピッキングを行っている人の大半の理由だと思います。
確かに、ピッキング自体は安定するのですが、このピッキングの最大の難点は「高音弦を弾いている時の低音弦のミュート」です。
クリーントーンで演奏する際はあまり気にならないのですが、歪ませたサウンドで高音弦を演奏していると低音弦の開放がその振動で鳴ってしまいます。
これは、クリアなサウンドでの演奏を邪魔する大きな障害になります。
通常、高音弦を演奏する際は右手の腹で低音弦に触れてミュートをかけながら演奏するのですが「小指や薬指をピックガードに固定してピッキング」する癖のある人はこのミュートが苦手な人が多いようです。
右手を浮かせて練習しよう
今現在右手を固定するピッキングを行っていて、自分のサウンドに100%満足しているという方は問題ないのですが、迷いのある人は右手を浮かせて練習するようにお勧めします。
最初はかなりやりにくいはずですが、慣れてくれば幅広いトーンやどんなタイプのギターでも自由に弾きこなせる柔軟さを身につける事ができます。
先ほども少し出てきましたが、右手を浮かせると言っても高音弦を弾く際は低音弦をミュートする必要があるなど、右手がギターに触れてしまってはだめという訳ではありません。
右手を固定せずに自由な位置で、自由自在にピックを操れるようにする事が大切です。
あとは力を抜いて
いつも言っている事なのですが、ピッキングをする時は力を完全に抜いてしまいましょう。
ピックを持つ親指と人指し指の力、手首、腕、肩などすべての力を抜いて下さい。気付かない間に肩に力が入って肩が上がってしまっているなんてこともよくあります。
簡単なようでかなり難しいこの脱力というテーマも忘れずに、ピッキングに取り組みましょう。