弾き語りに必須の4つのストロークとその使い方

初心者向け

ギターで弾き語りを楽しむ人にとってはとても便利な時代になりました。
「曲名 + コード」と検索するとどんな曲でもすぐに、歌詞とコードが掲載されたサイトが出て、コードネームだけでなくコードの押さえ方まで分かりやすく書いてくれています。
しかし、これらのサイトを見てもひとつだけわからないことがあります、それが「どんな弾き方をすればいいか」です。

ストロークなのか?
アルペジオなのか?
リズムパターンはどうするか?

曲に合った伴奏のパターンは自分で判断するしかないのですが、その判断は何を基準にしたらよいのでしょう?

結論から言うと「曲をよく聞いてそのリズムと雰囲気に合ったパターンで弾く」となるのですが、慣れないうちはこれがなかなか難しいものです。
今回の記事ではストロークにポイントを絞り、「4つのよく使うストロークパターン」の紹介と「どのストロークパターンを使えばいいのか?」を選ぶ基本的な方法を解説していきます。

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ゼッタイ覚えておきたい4つの基本のストローク

まずは基本となるストロークパターンを4つ覚えていきます。

いきなりストロークを覚えましょうと言われてこのページを閉じようと思ったあなた、ちょっと待ってください!
何百曲も何千曲にも弾けるようになるのとても使い勝手のいいリズムパターンなので、是非このまま読み進めてみてください。

基本的なパターンなら弾けるよという方は、表示されるリズム譜だけをチェックしてください。

[8分-A] 8分音符の基本ストローク

8分ストロークA

1拍目の4分音符はダウンピッキングで弾き、その後の8分音符はダウンピッキングとアップピッキングで交互に弾いていきます。

ここでもっとも大切なことは
「正しいピッキングの順番で弾く」
です。

ありがちな間違いとして、2拍目がアップから始まっているといったケースがあります。
これをやってしまうと最後の音がダウンピッキングになってしまい、続けて弾いたとき次の小節がアップから始ま流などピッキングの順番がむちゃくちゃになってしまいます。
アップとダウンの順番が正しく弾けているか、よく確認しましょう

また、「リズムを正しく弾く」ためには「リズムを正しく歌える」必要があります。
まずはギターを弾かずに声だけで「タン タカ タカ タカ」と歌いましょう。
慣れてくれば、歌いながら一緒にストロークしてみましょう。

[8分-B] シンコペーションの入った8分音符ストローク

8分ストロークB

先ほどのパターンの3拍目に空ピッキングが入りました。
空ピッキングとは、ダウンピッキング同じ動きをしつつもピックと弦を触れさせず、弦の上を素通りする奏法です。
見た目は同じ動きをしていますが、出てくる音がまったく違います。

空ピッキングの部分で右手がちゃんと空振りできているか確認しながら、正しいピッキングで弾けるように練習しましょう。

ここでもリズムを歌うことが大切です。
空ピッキングの部分を「ア」と声に出して読むことで、リズムの安定感が格段によくなります。

もうひとつ注目してほしいのが2拍目の2つ目の音です。

[8分-A]「タン タ タカ タカ」
[8分-B]「タン タ (ア)カ タカ」

[8分-A]では「カ」の表記になっていた部分が「タ」になっています。

これはシンコペーションと呼ばれるリズムで、3拍目の音がひとつ前にずれてきたことを意味しています。
本来なら3拍目にいるはずの「タ」の音を前のめりに演奏することで、躍動感のあるリズムを演出する方法です。

  1. 空ピッキングで右手を止めない
  2. シンコペーション部分は「タ」と歌う
  3. 空ピッキングを「ア」と歌う

この3点に注意し、口ずさみながら弾けるようになるまで練習してみましょう。

[16分-A] 16分音符の基本ストローク

16分ストロークA
8分音符のパターンに比べ、リズムが細かくなっており右手の動きは倍の速さになります。
ここでも重要なのはピッキングの順番と空ピッキングの扱いです。

  • 1拍目はダウンピッキングで1回弾くだけですが、その後にもう1度ダウンでの空ピッキングが入っています。
    ここに空ピッキングが入ることで、全体を通して右手は一定の速さで動き続けていることになります。
    空ピッキングを入れずに右手を止めてしまうとリズムがブレる原因となり、正確なリズムで演奏ができなくなってしまいます。
  • 2拍目は「タンタカ」のリズムでダウン、ダウン、アップの順番でピッキングを行います。
  • 3拍目は「タカタン」のリズムで、ダウン、アップ、ダウンの順番になります。
  • 4拍目は2拍目と同じ「タンタカ」のリズムです。

1拍目から4拍目までを通して弾くのがむずかしい場合、1拍ずつに分けて練習し、慣れきたら続けて弾いてみましょう。

また、ここでもリズムを歌うことを忘れないでください。
「タン タンタカ タカタン タンタカ」のリズムを口ずさみながら弾けるようになるまで練習してみましょう。

[16分-B] シンコペーションの入った16分音符ストローク

16分ストロークB

先ほどのパターンとほぼ同じですが、3拍目の1つ目の音が空ピッキングになっています。

ここでも注目してほしいのが、2拍目の4つ目の音です。
[16分-A]で「カ」になっていた音が「タ」になっています。
シンコペーションが用いられているため、3拍目の音がひとつ前にずれているためです。
シンコペーションのリズム

ここでも必ず声に出してリズムを歌いましょう。
シンコペーションと空ピッキングに注意して「タン タンタタ (ア)カタン タンタカ」と声に出して歌ってください。

正しく弾けるようになるためには、リズムを正しく理解する必要があります
正しく理解するためには声に出して歌うことがもっとも効果的です。

曲に合ったストロークの選び方

さて、基本の4パターンは覚えていただけたでしょうか。
あとはどのパターンが自分の弾きたい曲に合うか、選ぶ方法を覚えるだけです。

弾き語りで人気の2曲を題材に解説していきます。

空も飛べるはず/スピッツ

弾き語りで人気のスピッツの名曲です、まずはAメロを聞いてみましょう「幼い微熱を〜」から始まる部分です。

この部分の伴奏はドラム、ベース、アコギだけとシンプルなので、ギターのストロークも聞き取りやすくなっています。
先ほどの4つのストロークの中から、どれがぴったりハマるか想像できましたか?

すぐにわかった方はオッケーです、この先は読み飛ばして次の項目に進みましょう。

「ちょっとよくわからない」
という方は一緒にじっくりとみていきましょう。

まず、先ほど練習した4つのストロークは8分音符をベースにしたリズムと16分音符をベースにしたリズムに分かれていました。
どちらがしっくりくるでしょう?

この曲のテンポ(BPM115)に合わせた

[8分-A]「タン タカ タカ タカ」のストロークと
[16分-A] 「タン タンタカ タカタン タンタカ」のストロークを聞き比べてみましょう。

[8分-A]

[16分-A]

どちらのリズムがこの曲の雰囲気に合っていると思いますか?

16分のパターンの場合、この曲のゆったりした雰囲気がなくなり、なんだか忙しくなってしまいました。
「空も飛べるはず」ではなく「空を飛んでやる!」って感じです。

8分音符ベースのパターンがこの曲には合いそうです。
8分音符ベースが合うとわかったら、次は[8分-A]と[8分-B]どちらのパターンが合うか比べていきましょう。
2つのパターンの違いは2拍目と3拍目の間にシンコペーションがあるかないかでした。

Aメロの4小節を2つのストロークで聴き比べてみましょう。
[8分-A]「タン タカ タカ タカ」

[8分-B]「タン タタ (ア)カ タカ」

どちらがしっくりときたでしょうか?
ギターの音だけでなく、ドラムやベースの音にも注目しながらもう一度曲を聴いてみてください。

シンコペーションが入った[8分-B]がこの曲のリズムにしっくりくるのではないでしょうか?
そうです、ドラムもベースもシンコペーションが入ったリズムで演奏されているため、ギターのストロークもシンコペーション入りのリズムで演奏したほうがしっくりときました。
空も飛べるはずのストロークは[8分-B]のパターンが合うとわかりました。

このように

  • 8分音符ベースなのか、16分音符ベースなのか?
  • シンコペーションがあるのかないのか?

ひとつずつ順を追っていくことで、その曲にぴったりのストロークを選択することができます。
それではもう一曲、どのストロークが合うか探っていきましょう。

マリーゴールド/あいみょん

弾き語りをする女性から大人気の曲ですね。

こちらの曲もまず、8分音符ベースなのか16分音符ベースなのかをはっきりとさせましょう。
この曲のテンポ(BPM106)で

[8分-A]「タン タカ タカ タカ」
[16分-A] 「タン タンタカ タカタン タンタカ」

を聞いてみましょう
[8分-A]「タン タカ タカ タカ」

[16分-A] 「タン タンタカ タカタン タンタカ」

どちらがしっくりマリーゴールドの雰囲気に合うでしょうか?
8分も合わないことはないですが、この曲が持つ躍動感を表現するには何か物足りない感じがします。
16分音符ベースのほうがこの曲の雰囲気を忠実に再現してくれそうです。

あとはシンコペーションの有無を見ていきましょう。
[16分-B]のシンコペーションは、とても細かい音符なのでバンドの演奏を聞いて聞き分けるのは、慣れるまでは大変です。

そこで、シンコペーションの有無でどのように雰囲気が変わるかをイメージしてみましょう。

  • [16分-A]シンコペーションのないパターンは地に足のついた、どっしりとした雰囲気
  • [16分-B]シンコペーションのあるパターンは前へ前へと引っ張られていく雰囲気

といった感じでしょうか。
(感じ方は人それぞれなので、自分のイメージが明確にある場合はそのイメージを大切にしてください)

さて、この曲にどちらが合うかですが、Aメロ4小節を2つのストロークで聴き比べてみましょう。

[16分-A] タン タンタカ タカタン タンタカ

[16分-B] タン タンタタ (ア)カタン タンタカ

一緒に歌うと、[16分-B]のパターンだとシンコペーションの部分で曲の雰囲気から少し浮いている感じがしませんでしたか?

この曲の持つどっしりと地に足の付いた雰囲気とは少し違う感じがしました。
この曲では3拍目の最初の音をしっかりと弾くことが大切なので[16分-A]がぴったりと合いそうです。

1曲の中でストロークが変わる場合もある

「空も飛べるはず」「マリーゴールド」と2曲でぴったりと合うストロークのパターンを探ってきました。
先ほどまでの流れをおさらいすると。

  1. 8分音符ベースなのか?16分音符ベースなのか?
  2. シンコペーションが使われているか?

の2つのステップを踏むことで、4つのストロークからぴったりなパターンを選べました。

「曲に合うストロークがわかった!これで1曲弾ける!」
と言いたいところですが、1曲通して同じストロークだけで弾けない場面もあります。

それは
曲の中でリズムが大幅に変わる部分」と
コードチェンジのタイミングが変わる部分
です。

曲の中でリズムが大幅に変わる部分がある場合、ここまでに覚えた方法でどのストロークが合うか選んでいきます。
AメロとBメロ、サビなどのセクションによってリズムパターンが変わる曲もよくあります。

コードチェンジのタイミングが変わる部分については先ほどの「空も飛べるはず」でみていきましょう。
「空も飛べるはず」のAメロとBメロは1小節ごとにコードが変わっています。
しかしサビの1小節目「君と出会った奇跡が〜」の部分は、1小節の中で2つのコードが使われています。

また、2つ目のコードに変わるタイミングは3拍目の頭で、シンコペーションがありません。
シンコペーションなし

1小節目は[8分-A]のパターンでストロークをして、2小節目で[8分-B]のパターンに戻っています。

続けると
「(1小節目)タン タカ タカ タカ / (2小節目)タン タタ (ア)カ タカ」

となっています。
このように、1曲の中で使うストロークが変わることはよくあります。
リズムやコードの切り替わるタイミングの変化に注意して、

  • 基本となるリズムパターンだけで弾けるのか
  • 部分的に違うストロークで弾くことになるのか

見極めていく必要があります。

さいごに

たくさんの曲が弾けてしまう、基本のストロークを4つご紹介しました。
もちろん、どんな曲にもぴったりの伴奏が弾けるようになるためには、さらに多くのストロークパターンを覚える必要があります。

好きな曲を弾くとき、ここで紹介した4パターンで弾いてみて
「大体いけてるけど何か違う」
と感じるようになるとしめたものです。
リズムに対する感覚が鋭くなってきた証拠です。

ここまでくれば曲をよく聞き込むことで、どこがどのように違うか自分の耳で聞き分けられるようになってくるでしょう。
慣れてくれば曲を1回聞くだけでどんなストロークが合うか、すぐにわかるようになります。

また、あえて原曲とは違うリズムパターンで弾き、雰囲気をアレンジして弾き語るという方法もあります。
完璧に決まった答えというものは存在しません。
自分が気持ち良く弾き語りできればそれが正解なのです。
気負わずに思いっきり楽しく弾き語りましょう!!

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