楽器不要のリズムトレーニングで基礎力アップ!
「わたしにはリズム感がないから…」
あなたはそんな悩みを抱えていませんか?
リズム感の大切さは音楽だけにとどまらず、ダンスやスポーツなど様々なジャンルで取り上げられており、リズム感を鍛えることでそれぞれの技術向上につながると言われています。
私はギター講師を長年やっていますが、リズム感に関する悩みを耳にする機会はたくさんあります。
また、私自身も若い頃は自分のリズム感に自信が持てず悩んだ経験もあります。
そんな経験から言えることは「リズム感は誰でも、必ず、良くなる」です。
リズム感を良くするには、リズムとはどんなもので、どのようなトレーニングが必要かを理解し、あとは実践していくのみです。
今回はリズム感を身につけるために必要な基礎知識と、すぐにできる効果的なトレーニング方法をご紹介します。
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リズムでいちばん大切なこと
リズムとはいろいろな意味合いや場面で使われますが、ここでは「一定の周期で繰り返される音」から感じるリズムを指します。
一定の周期で繰り返される音のことを「拍」といい、拍がいくつか集まったまとまりを「小節」と呼びます。
リズム感を養うためには「拍」と「小節」の感覚を身につけることがいちばん大切です。
この感覚がリズム感の幹となり、枝葉を実らせる土台になってきます。
上の図では拍が4つまとまって、小節になっています。
そして、拍と拍は等間隔に並んでおり、一定の周期で繰り返されていることが分かります。
一定周期の拍と、その集まりの小節からリズムが作られるということを覚えておいてください。
拍と小節の関係がわかったところで、早速リズム感を鍛えるトレーニングに入っていきましょう。
トレーニングに使うものは
- メトロノーム
- 手拍子
- 声
- 足踏み
だけです。
メトロノームは無料のアプリで十分ですので、お好きなものをダウンロードしてお使いください。
※この記事では各トレーニングにメトロノームの音源を埋め込んでいますので、メトロノームがなくても大丈夫です。
私はiPhoneアプリのこちら(Metronome Ϟ)を使用しています。
(無料版で問題ありません)
NO1、メトロノームと同時にカウント
まずは、いちばん大切な拍と小節の感覚を身につけるトレーニングです。
練習用メトロノーム BPM:70
メトロノームはBPM70でならし、声と手拍子と足踏みを同時に行います。
難しい場合はメトロノームと声だけではじめて、なれてきたら手拍子を、それも慣れたら足踏みを、というようにひとつずつ増やしていきましょう。
ここで大切なことは「それぞれの音をしっかりと鳴らす」です。
声はお腹の底から出し、手拍子は「パンッ!」と歯切れ良い音が出るように強く叩き、足踏みはかかとから床に落として振動を体で感じるくらいの強さで行いましょう。
最初はメトロノームの音に合わせようと探り探りになってしまいますが、合わせようという意識が強すぎるとどうしてもリズムが不安定になります。
声も手拍子も足踏みも、練習なのですからずれてもまったく問題ないので、堂々と音をならして、堂々と失敗してください。
リズムトレーニングは頭で覚えるだけでなく、身体に染みついてはじめて効果が出てきます。
1分以上続けてもずれなくなれば、だいぶ身体に染みついたと言ってもいいでしょう。
慣れてくればメトロノームをダウンロードして、BPMを少しずつ(5ずつ)上げてみましょう。
NO2、裏拍をカウントするトレーニング
次は声に出すカウントが変化したトレーニングです。
練習用メトロノーム BPM:70
ワンとトゥの間に「&(エン)」というカウントが入っています。
ここでのカウントのポイントは、「タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ タッ 」という音をイメージして短く、歯切れの良く歌うことです。
歯切れ良く歌うことでリズムが際立ち、カッチリとしたリズムになります。
「&(エン)」と声に出した部分は「裏拍」(ウラ拍)と呼ばれ、ウラ拍をしっかりと感じられるようになるとリズムの安定感が向上します。
オモテ拍とウラ拍を一定のタイミングで歌うよう意識し、ここでも身体に染み込ますため1分以上ブレずに続けられるまで練習してください。
NO3、8分音符に躍動感を出す
声と同じタイミングで手拍子を叩くトレーニングです。
練習用メトロノーム BPM:70
1小節の中で8回の手拍子が鳴っているので、8分音符と呼ばれるリズムで手拍子をしていることになります。
8分音符は1小節に8回、1拍に2回、一定のリズムで音が鳴ります。
ここでも手拍子はしっかりと鳴らすように意識してください。
弱々しい手拍子だとリズムが不安定になってしまいます。
慣れてきたら、オモテ拍(ワン トゥ スリー フォーの部分)の手拍子を少し強く叩いて、アクセントをつけましょう。
アクセントをつけることで、リズムに躍動感が生まれることを体感できるまで続けてください。
NO4、裏拍の感覚を馴染ませる
次はウラ拍の感覚をより強く身につけるためのトレーニングです。
練習用メトロノーム BPM:70
手拍子をウラ拍(&(エン)のタイミング)で鳴らします。
なかなか難しいトレーニングですので、まずはメトロノームに声と手拍子だけでやってみて、慣れてきたら足踏みも付け足してください。
最初はみなさん気がつくと
- メトロノームと手拍子が同じタイミングになっている
- メトロノームと「&(エン)」と手拍子が同じタイミングになっている
なんてことがよくあります。
ウラ拍ばかりに気をとられメトロノームをしっかりと聞けていないことが原因なので、常にオモテ拍を意識してメトロノームをしっかりと聞きながらトレーニングしてください。
ウラ拍は重要ですが、オモテ拍が安定してはじめてウラ拍が活きてきます。
こちらもブレずに、リラックスしてできるようになるまでじっくりと取り組んでみましょう。
NO5、裏拍を操るトレーニング
さいごは一気に難易度が上がります。
先ほどの「4、裏拍の感覚を馴染ませる」トレーニングがリラックスしてできるようになってからチャレンジしましょう。
練習用メトロノーム BPM:70
声、手拍子、足踏みは2つ目に紹介した「裏拍をカウントするトレーニング」と同じですが、メトロノームがウラ拍の「&(エン)」のタイミングで鳴っています。
オモテ拍を自分で作る必要があり、ここまでくると今まで頼りにしていたメトロノームが、自分の補助をしてくれるサブの役割へと変化していきます。
このトレーニングはとても難しいので、まずは声だけで始めください。
最初はメトロノームに合わせて「エン ワン エン トゥ エン スリー エン フォー」と反対から歌い、慣れてきたタイミングで「ワン トゥ」の部分に手拍子をつけます。
しかし、これだけではただ反対に歌っているだけなので、手拍子にも慣れてきたら「ワン トゥ スリー フォー」の部分にアクセントをつけて歌いましょう。
そうすることでリズムが逆転し、手拍子がオモテ拍、メトロノームがウラ拍に聞こえてきます。
ここでのポイントは「ウラ拍でメトロノームが鳴る」です。
自分でオモテ拍を作り出し、ウラ拍でメトロノームが感じられているかチェックしてください。
メトロノームをウラ拍で感じられるようになったら、足踏みも加えて体の中心(腰)でリズムを感じるように意識しましょう。
このトレーニングはかなり難易度が高くなっています。
うまくいかない場合4のトレーニングに戻り、ウラ拍をの感覚をしっかりと身体に染み込ませましょう。
NO6、リズムキープのトレーニング
これまではメトロノームを頼りにトレーニングをしてきましたが、ここからはいかに自分でリズムを作り出し、キープするかのトレーニングです。
練習用メトロノーム BPM:70 1-3
ワンとスリーのタイミングにだけメトロノームが鳴るパターンです。
ワンからスリーまでは一人でリズムをキープしなければならず、とても心細くなりませんか?
ワンとスリーのタイミングでメトロノームをバッチリと合わせるには、その間のリズムをいかに正確にキープするかにかかっています。
オモテ拍とウラ拍ひとつずつを正確なリズムで歌うことで、全体のリズムも安定してきます。
練習用メトロノームは2小節の予備カウントの後、ワンとスリーの部分にだけメトロノームが鳴っているので、予備カウントの間に「ワン エン トゥ エン スリー エン フォー エン」と声に出してしっかりとリズムを感じておきましょう。
NO7、リズムキープトレーニング その2
次は1拍目だけにメトロノームが鳴るパターンです。
練習用メトロノーム BPM:70 1-1
最初はとんでもなく心細いと思いますが、8分音符のリズムをしっかりと感じられていると徐々に自信を持ってリズムをカウントできるようになります。
2小節の予備カウントでどれだけ正確にリズムを感じとれるかが、その後の正確性を左右します。
NO8、洋楽リズムの基本トレーニング
最後はメトロノームがトゥとフォーに鳴るバージョンです。
ロックやジャズ、R&B、ヒップホップなど洋楽は、2拍目と4拍目にアクセントが置かれたリズムが基本になっています。
日本古来の音楽は反対に1拍目と3拍目にアクセントが来るようになっているので、我々日本人は洋楽リズムの基本を理解しておく必要があります。
練習用メトロノーム BPM:70 2-4
こちら練習用メトロノームも2小節のカウントの後、トゥーとフォーの部分にだけメトロノームが鳴っています。
予備カウントの間にしっかりとリズムを声に出して感じておきましょう。
ここまでのトレーニングを楽しみながらできるようになれば、あなたのリズム感は今までとは比較にならないくらい向上しているでしょう。
さいごに
リズムは音楽だけでなく、ダンスやスポーツなどの基礎を支える部分です。
リズム感だけが良くても楽器やダンスがうまくなる訳ではありませんが、しっかりとしたリズム感を持っていると上達のスピードやクオリティーが格段に上がってきます。
幹がしっかりとしている木は大きく枝葉を伸ばせるように、リズム感はあなたがこれから習得しようとしているジャンルの成長を支えてくれます。
私自身の体験や、多くの生徒さんをみてきた経験からも、リズム感がない人なんておらず、リズム感は誰でも向上させることができると確信しています。
決してあきらめることなく、地道にトレーニングを続けて、最高のリズム感を身につけましょう!