スライドギターの名手 サニー・ランドレス 「ビハインド・ザ・スライド」奏法

中級者向け

今回はスライド・ギターの名手サニー・ランドレスをご紹介。

エリック・クラプトンから「もっとも過小評価されているギタリスト」と言われ、クラプトンが主催した「クロスロード・ギター・フェスティバル」では「マイ・ヒーロー」として紹介されるほどの人物。

Sonny Landreth サニー・ランドレス

1951年に生まれ、13歳でギターを始める。
アメリカ南部のルーツ音楽、特にブルースや地元ルイジアナ州のケイジャン、ザディコなどを基調としたサウンドを特長としている。スライド・ギターで知られており、独自の「ビハインド・ザ・スライド」奏法を編み出すなど、革新的で卓越した技術はエリック・クラプトンを始めとするプロのミュージシャンからも幅広く尊敬を集めている。
セッション・プレイヤーとしての活動も顕著で、ジョン・ハイアット、マーク・ノップラー、ボビー・チャールズ、クラレンス”ゲイトマウス”ブラウンなど、数多くのアーティストの作品で客演をしている。

wikipediaより

彼の特徴はなんと言ってもそのスライドギターです。
スライドギターならではの情熱的なトーンで聞く人を圧倒させてくれます。

しかしサニー・ランドレスが普通のスライドギタリストと違う点は「ビハインド・ザ・スライド」という奏法を生み出したことでしょう。

スライドギターの基礎知識

slide bar
スライドギターは左手の小指もしくは薬指にガラスのバー(材質はスチールなどもあります)をはめて演奏します。
写真で小指に着けているのがスライドバーです。

指での押弦とは違い、1弦12フレットのEの音を出したい場合は12フレットの真上にスライドバーを乗せた状態でピッキングします。
スライドバーと弦は触れているだけの状態にすることが大切で、力を入れて押してしまうときれいな音が出ません。

スライドバーで演奏する場合、弦とフレットが触れることがないのです。


ビハインド・ザ・スライド奏法とは

サニー・ランドレスの「ビハインド・ザ・スライド」とはスライドバーで押さえたフレット(例えば12フレット)より後ろのフレット(例えば10フレット)を押さえてフレージングする奏法です。

1、2弦の12フレットにスライドバーをおいた状態で2弦10フレットを人指し指で押さえると、1弦は12フレットのスライドの音がなるのですが、2弦は10フレットの音がなります。
これは、2弦10フレットを押弦することで弦が直線ではなくなり、2弦が12フレット上にあるスライドバーと接しなくなるので10フレット押弦の音が出るという仕組みです。
behind the slide

この奏法はそれまでのスライドギターの常識を覆し、スライドギターの可能性をさらに広げたとも言えます。
百聞は一見にしかず。この映像では「ビハインド・ザ・スライド」を堪能できます。
スライドバーで押さえながら人指し指や中指を動かしているのがよくわかります。

素晴らしいテクニックですね。

次の映像は「クロスロード・ギター・フェスティバル」でのライブ映像です。

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