ペンタトニックスケールが使えるようになる覚え方
ギターでいちばん大切なスケールは「ペンタトニックスケール」ではないでしょうか?
多くの名フレーズや名曲がペンタトニックスケールを元に作られており、ギターを弾く上で避けて通ることができないスケールです。
ペンタトニックスケールの響きはロックやブルースの根っこになっていると同時に、ギターの指板上でとても扱いやすい音の並びになっているのもその理由の一つです。
この記事ではペンタトニックスケールの仕組みや特徴からその覚え方、4種類のペンタトニックスケールの関係性までをご紹介しています。
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ペンタトニックスケールとは?
ペンタとはギリシャ語で数字の5を表し、スケールは日本語では音階と呼ばれています。
音階は「ある規則にしたがって並べられた、音の配列」を意味しており、ペンタトニックスケールを簡単に説明すると「5つの音で作られた音階」となります。
一般的なスケールは7音で構成されているのに対し、ペンタトニックスケールは5音で構成されているのが最大の特徴です。
ペンタトニックスケールは海外の民謡や、日本の雅楽などでも頻繁に使われており、どこか素朴で、牧歌的で、哀愁を感じさせるのが特徴で、私たち日本人にとっても馴染み深いスケールです。
5つの音で構成されるスケールはすべてペンタトニックスケールと呼ばれるのですが、音の並びによって幾つかのスケールが存在します。
ギターでよく使われるペンタトニックスケールには、
メジャーペンタトニックスケール
マイナーペンタトニックスケール
の2種類があり、「メジャーペンタ」「マイナーペンタ」のように略して呼ばれることがよくあります。
メジャーペンタトニックスケールとは
メジャーペンタトニックスケールはメジャースケールから4度と7度が省かれているので、メジャースケールの仲間と考えると覚えやすくなります。
上のメジャースケールと見比べると、4度と7度が省かれているだけで他の音は同じものが使われているとわかります。
メジャーペンタトニックスケールの音程幅は次のようになります。
メジャースケールには出てこない、「全+半」(1音半=3フレット分)の音程が出てきます。
6弦ルートポジション
ギターでは6弦にルートを置いた以下のポジションがよく使われるので、必ず覚えておきましょう。
【Cメジャーペンタトニックスケール】(6弦ルートポジション)
※赤丸はルートの位置を示しています。(ここではCの音)
5弦ルートポジション
6弦ルートポジションの次に使われるのが、5弦にルートを置いたポジションです。
【Cメジャーペンタトニックスケール】(5弦ルートポジション)
※赤丸はルートの位置を示しています。(ここではCの音)
ここでご紹介した2つのポジションを把握しておくと、ギターソロやメロディーのコピーが早くなったり、アドリブにつながるなど、必ず役に立ってくるので何度も弾いて指に馴染ませておきましょう。
メジャーペンタトニックスケールの響き
メジャーペンタトニックスケールが印象的な名曲と言えばこちらです。
Eric Clapton – Wonderful Tonight
Gメジャーペンタトニックスケールで作られたこの曲のイントロは、なんとも言えない哀愁を堪能できます。
6弦ルートポジションと5弦ルートポジションを繋ぐとても大切なポジションが使われており、ペンタトニックスケールの使い方を学ぶためには必須のフレーズと言えます。
この曲以外にも、スーパーの閉店間際によく流れる「蛍の光」はメロディー全体がメジャーペンタトニックスケールで作られています。
蛍の光は実は日本の曲ではなく、スコットランドの民謡なのですがどこか懐かしさを感じませんか?
この懐かしさや、Wonderful Tonightのような哀愁を感じさせる点がメジャーペンタトニックスケールの特徴になっています。
マイナーペンタトニックスケールとは
マイナーペンタトニックスケールはマイナースケールの2度と6度を省いたスケールです。
上のマイナースケールと見比べるとその違いが一目瞭然です。
マイナーペンタトニックスケールの音程幅にも、「全+半」(1音半=3フレット分)の部分が登場します。
6弦ルートポジション
ギターでは6弦ルートと5弦ルートの以下のポジションを覚えておきましょう。
【Cマイナーペンタトニックスケール】(6弦ルートポジション)
※赤丸はルートの位置を示しています。(ここではCの音)
5弦ルートポジション
【Cマイナーペンタトニックスケール】(5弦ルートポジション)
※赤丸はルートの位置を示しています。(ここではCの音)
マイナーペンタトニックスケールの響き
マイナーペンタトニックスケールで作られたギターのフレーズは数えきれないほどありますが、こちらはTVcmなどいろんな場面で耳にしたことがあるのではないでしょうか。
DEEP PURPLE – Black Night
この曲のリフはEマイナーペンタトニックで弾かれており、一気にロックのテイストが溢れ出してきます。
また、マイナーペンタトニックスケールはブルースとの相性も抜群です。
B. B. King – The Thrill Is Gone
このように、マイナーペンタトニックスケールはロックやブルースとの相性が抜群で、ギターとマイナーペンタトニックスケール、ロック、ブルースは切っても切れない関係となっています。
その他のペンタトニックスケール
ここまでメジャー、マイナー2つのペンタトニックスケールをご紹介してきました。
ギターでよく使われるペンタトニックスケールはこの2つですが、実は他にもペンタトニックスケールは存在します。
琉球音階
メジャースケールの2度と6度を省いた「琉球音階」などと呼ばれるこちらのスケールは、その名の通り弾くだけで沖縄の空気感が漂ってきます。
ヨナ抜き短音階
一気に演歌の響きがしてくるこのスケールは「ヨナ抜き短音階」などと呼ばれています。
マイナースケールの4度と7度が省かれたスケールなので、4と7を「ヨ」と「ナ」と呼び替えて「ヨナ抜き」です。
メジャーペンタトニックスケールもメジャースケールの4度と7度を省いたスケールなので、「ヨナ抜き」の仲間です。
ペンタトニックスケールの覚え方
メジャーペンタトニックスケール、マイナーペンタトニックスケール、琉球音階、ヨナ抜き短音階の4つのペンタトニックスケールをご紹介してきました。
ギターを弾くうえでは、メジャーとマイナーの2つのペンタトニックスケールを覚えてしまえば十分に事足りるのですが、最後に今回ご紹介した4つのスケールの関係性をおさらいしておきましょう。
ペンタトニックスケールの関係性
4つのペンタトニックスケールはそれぞれ、「メジャースケール」「マイナースケール」という2つのスケールを基礎に作られていました。
また、基礎となるスケールから「4度と7度を省く」か、「2度と6度を省く」かによって4つのペンタトニックスケールに分類されます。
一覧表にすると次のようになります。
メジャースケールが基礎 | マイナースケールが基礎 | |
4度と7度を省略 | メジャーペンタトニックスケール | ヨナ抜き短音階 |
2度と6度を省略 | 琉球音階 | マイナーペンタトニックスケール |
マトリクス表で表すと次のようになります。
ルートの場所を把握する
メジャーペンタトニックスケールとマイナーペンタトニックスケールをダイアグラムで見比べると、実は同じ形をしています。
ここが2つのペンタトニックスケールを覚える際の落とし穴になるのですが、形は同じでも同じスケールではありません。
その理由は「ルートの場所が違う」ためです。
同じポジションを弾いても弾き始めの音が変わると、音の並びが変わるで全体的な響きも変わります。
赤丸で示してあるルートの場所はとても大切なものになるので、必ず意識して覚えておきましょう。
ギターと相性抜群のペンタトニックスケール、それぞれの特徴や響き、サウンドをしっかりと整理して覚えておきましょう。
メジャースケールの詳しい解説はこちらも合わせてお読みください。
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