オクターブ奏法のコツと練習のポイント
オクターブ奏法とは、1オクターブ離れた2つの音を同時に弾く奏法のことで、1つの音だけで弾くよりも音に厚みが増すので、ギターソロはもちろんメロディーやバッキングなど様々な場面で使用される、ギターには欠かせないテクニックのひとつです。
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オクターブ奏法のポイント
オクターブ奏法は、2本の指で1オクターブ離れた音を同時に押さえながら弾いていくので、左手全体の移動がとても激しくなります。
通常の単音弾きだと指を動かすだけでフレーズが弾けますが、オクターブ奏法では指の形が固定されたままになるので、手全体を動かしてフレーズを弾いていくからです。
オクターブ奏法の基本ポジション
1オクターブ離れた2つの音をスムーズに弾くためには、まずはギターの指板上で1オクターブの位置関係を理解しておく必要があります。
まずはオクターブ奏法で使われる4つの代表的なポジションをご紹介します。
6弦と4弦を同時に弾きます
5弦と3弦を同時に弾きます
4弦と2弦を同時に弾きます
3弦と1弦を同時に弾きます
オクターブのポジションは使用する弦によって変わるので注意が必要です。
6弦-4弦、5弦-3弦ポジション→フレットの間隔が2フレット分
4弦-2弦、3弦-1弦ポジション→フレットの間隔が3フレット分
逆に言えば、使用する弦を変えなければ左手の指はずっと同じフレット間隔で弾くことが出来ます。
6弦3フレットの1オクターブ上は3弦5フレット、6弦8フレットの1オクターブ上は3弦10フレットと、常に2フレット分の間隔になります。
それぞれのポジションは人差し指と小指、もしくは人差し指と薬指で弾くことになりますが、まずは人差し指と小指で押さえる方法からはじめてみましょう。
とても大切な不要弦のミュート
オクターブ奏法では離れた弦を同時に弾くのでピッキングが大きくなります。
そのため、不要弦のミュートがとても大切になってきます。
押さえている弦よりも高音側の弦は人差し指や小指の腹でミュートし、低音弦は人差し指の先端や中指を使ってミュートします。
図に表してみましょう。
5弦-3弦ポジションの場合、1、2弦は人差し指と小指を寝かせた腹の部分でミュートをします。
人差し指か小指のどちらか1本だけでもミュートはできますが、歪ませた音で弾くと不要なハーモニクスが出やすいので、高音弦は2本の指を使ってミュートするクセをつけておきましょう。
また、4弦は人差し指の腹で、6弦は人差し指の頭で横から触れてミュートします。
4弦-2弦ポジションでも基本的なミュートの方法は5弦-3弦ポジションの場合と同じですが、6弦のミュートに注意が必要です。
中指の先端でミュートすることになりますが、指を寝かせすぎると4弦や2弦にも当たってしまうので、指が少しアーチ状になるようにして6弦と5弦をミュートします。
「6弦を弾かなければいいじゃないか」と思ってしまいますが、ピックが直接当たらなくても他の弦の振動が6弦に伝わり自然に音が出てしまうので、中指でのミュートが大切になります。
ですが、最初のうちはかなり難しいと思うので6弦のミュートは慣れてからにしても良いでしょう。
3弦-1弦ポジションでも同様に中指を使って5弦と6弦をミュートします。
オクターブ奏法のコツ
オクターブ奏法の基本がわかったところで、練習フレーズに入っていきましょう。
お題はおなじみ「かえるのうた 」です。
もう少しかっこいい曲を使った方がやる気が出るかもしれませんが、「よく知っているメロディー」というのがこの練習のポイントになってくるので、ページを閉じずに先に進んでいってください。
オクターブ奏法の練習フレーズ1
かえるの歌を5弦-3弦ポジションだけで弾いた譜面です。
左手の人差し指と小指は常に同じ幅で開いているため、左手全体が横移動を繰り返しています。
弦を強くギュッと押さえていると左手の動きが鈍くなってしまうので、できるだけ力を抜いて必要最小限の力で弦を押さえるようにしましょう。
まずはポジションを確認しながらメロディーを弾けるように練習してください。
一通りメロディーが弾けるようになったらここからが本番です。
まずは「かえるのうた 」を歌ってみましょう。
「かーえーるーのーうーたーがー」
となりますよね。
次にもう一度ギターで弾いてみましょう。
「かっ えっ るっ のっ うっ たっ がっ」
のように音がぶつ切れになっていませんでしたか?
ここがオクターブ奏法をきれいに聞かせる最大のコツで、音をつなげて弾くことに最大の注意を払いましょう。
音をつなげて弾くためには、
- 左手に力を入れすぎない
- 音をギリギリまで伸ばす
- 素早い左手の移動
- 移動時に指を弦から離さない
ことが大切になってきます。
左手全体を軽やかに動かし、音の切れ間をできるだけ小さくします。
音がぶつ切れになっているかどうか自分で確かめるには、馴染みのあるメロディーでの練習が最適です。
「かーえーるーのーうーたーがー」と歌いながら練習を繰り返しましょう。
【良い例】
【悪い例】
オクターブ奏法の練習フレーズ2
先ほどの練習は5弦-3弦ポジションの横移動だけで弾くことができましたが、次は弦移動を含むパターンで「かえるのうた」を練習してみましょう。
5弦-3弦ポジションと4弦-2弦ポジションを行き来するようになりますが、気をつけるポイントは先ほどと同じく音をつなげて弾くことです。
先ほどは横移動するだけで弾けたのですが、ここではそういうわけにはいきません。
弦移動とポジション移動(指を広げる間隔変更)が同時に発生するので、
- 左手に力を入れすぎない
- 素早く左手を動かす
- 正確に次のポジションに指を広げる
この3つのポイントを意識しながら、繰り返し練習してみてください。
練習の時は「かーえーるーのーうーたーがー」を歌いながら、弦移動のポイントで「かーえっ るーのーうっ たーがー」とならないように注意してください。
【良い例】
【悪い例】
まとめ
不要弦のミュート、弦によって変わるフレットの幅、フレーズが途切れないように弾く練習などオクターブ奏法の基本と効果的な練習方法をご紹介してきました。
オクターブ奏法ばジャズギタリストのウェス・モンゴメリーが広めたとされていますが、今ではジャズに限らずロック、ポップス、ファンク、ソウルなど幅広いジャンルの音楽で使用されるギターの必須テクニックと言えます。
最初のうちは思うようにミュートができなかったり、音がぶつ切れになってしまうなど難しく感じるかもしれませんが、何度も弾いているうちに手が形や間隔を覚えて自然ときれいに弾けるようになります。
最初から完璧を目指しているとなかなか前に進めません、少しの雑音や音のつながりの悪さはあまり気にせず繰り返し弾いてオクターブ奏法のコツをつかんでいきましょう。