初心者のためのエレキギターの始め方

初心者向け

「エレキギターってかっこいい!!弾いてみたい!」
この記事を読んでいるあなたはエレキギターの華やかなサウンド、ギタリストの姿に憧れそう思ったのではないでしょうか?

国内では年間に15万本以上ものギターが販売される一方「初心者の90%が1年以内にあきらめてしまう」とのデータも出ており、毎年多くの人がギターを始るも、残念ながら多くの人が挫折してしまっているのが現状です。

この記事では、これからエレキギターにチャレンジする方がつまづくことなくスタートし、挫折せずに続けるために必要な情報をまとめています。

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エレキギターってこんな楽器

エレキギターは「エレキ=エレクトリック」という言葉の通り、電気を使って音を出す楽器です。
まずはその大まかな特徴や簡単な仕組みから見ていきましょう。

代表的な3つの機種

一口にエレキギターといっても様々な種類が存在します。
ここでは初心者の方が目にする機会の多い3つの種類に絞ってご紹介します。

・テレキャスター
テレキャスター
フェンダー社が開発した現代エレキギターの元祖と言えるモデル。
構造的に最もシンプルであり、パキッとした明瞭なサウンドが印象的。
・ストラトキャスター
ストラトキャスター
フェンダー社がテレキャスターに様々な改良を加えて開発。
弦を固定するパーツ(ブリッジ)がトレモロユニットと呼ばれる独自のものになっている。
・レスポール
レスポール
ギブソン社がフェンダーに対抗して開発した機種。
ずっしりとした重量感とふくよかなサウンドが特徴。

まずは見た目でテレキャスター、ストラトキャスター、レスポールの違いを把握しておきましょう。

豊富なサウンドバリエーション

エレキギターの最大の特徴は、アンプやエフェクターと呼ばれる機材を使用して作られる音の種類の豊富さにあります。
ここではエレキギターの代表的なサウンドを、動画を交えてご紹介します。

・クリーン

ほとんど味付けが施されていないシンプルなサウンドで、伴奏、ギターソロ問わず様々なシーンで使用されます。

・オーバードライブ

「歪み」と呼ばれる成分が加えられていますが、音の輪郭も残しつつ、力強さが加わっています。

・ディストーション

オーバードライブトーンに比べ「歪み」がさらに強調されたパワフルなサウンド。

エレキギターの音が出る仕組み

エレキギターはそのほとんどの部分が木でできており、そこにいくつかのパーツを取り付け、弦を張っています。
弦を弾くと振動が生まれて音が出るのですが、その音量はとても小さく歌の伴奏やバンドでの演奏に使うことはできません。

そこで、エレキギターには「ピックアップ」と呼ばれる部品が取り付けられており、弦の振動を電気信号に変える役割を果たしています。
①ピックアップで作られた電気信号は、②ケーブル(シールド)を伝ってアンプに送られ、③アンプが電気信号を増幅してエレキギターらしい音が作られます。

エレキギターの音が出る仕組み

購入前に知っておきたいこと

エレキギターもアンプもたくさんの種類が販売されており、それ以外に必要な周辺アイテムも数多くあります。
最初は何を購入すればいいか迷ってしまうので、ここでは初めてギターを購入するときに覚えておきたいポイントをご紹介します。

エレキギターに必要なもの

先ほどご紹介した「ギター」と「アンプ」、さらにはその2つをつなぐ「ケーブル(シールド)」の3点に、弦を弾くための「ピック」、正しい音に合わせるための「チューナー」を含めた5点が必ず必要になります。

他にはギターを立てかけるための「ギタースタンド」、清掃するための「クリーニングクロス」、立って弾くときに使う「ストラップ」、弦が切れたり消耗したときの「交換弦」なども必要になってきます。

エレキギターに必要なもの

ギターの選び方

エレキギターにはテレキャスター、ストラトキャスター、レスポール以外にもSG、フライングV、セミアコなどなど様々な種類があり、それぞれサウンドや弾き心地が異なるため、初心者の方が自分にぴったりのギターを見つけ出すのは至難のわざです。
そのため、はじめてのギター選びでは好みの色や形、好きなアーティストが使用しているギターの形、など見た目から入ることをおすすめします

また、自分がかっこいいと思えるギターを持つことは、モチベーションや練習意欲の向上にもつながり、結果的にギター上達の助けにもなってくれます。

※ちなみに、さきほどご紹介したクリーン、オーバードライブ、ディストーションの各サウンドはアンプのセッティングで作るので、どのギターを選んでも出すことができます。

アンプの選び方

アンプ選びはギター選び以上に難しいかもしれません。
見た目がかっこいいアンプや好きなアーティストが使っているアンプは大型のものが多く、自宅で練習するためにはオーバースペックで値段も高くなってしまいます。
自宅練習用の小型アンプもたくさんの種類が販売されていますが、その違いは電気のワット数や出せる音の種類(チャンネル数)など少し専門的な内容になってきます。

そこで目安としてワット数は5〜10W以上のもの、チャンネルが2つ以上切り替えられるものをおすすめします。
ワット数が小さすぎるアンプでは迫力のある音が出づらく、いくら練習をがんばってもエレキギター本来の音を楽しむことができません。
また、エレキギターは澄んだクリーントーンや、激しく歪んだオーバードライブサウンドを曲によって切り替えるので、チャンネル切り替えのついたタイプの方がいろいろな楽曲に対応できます。

初心者セットってどうなの?

意外と必要なものが多いエレキギターですが、初心者の方に便利な「初心者セット」もたくさん販売されています。
値段も必要なものがすべて入って1万円台〜と手ごろな価格なので、「とりあえず初めてみたい」という方でも気軽にスタートすることができます。
(私も最初に購入したギター(25年ほど前)は初心者セットでした)

ひと昔前の初心者セットや初心者向けのギターは弾きづらかったり、チューニングがすぐに狂ってしまうなど、品質が良くないと言われてきましたが、最近の初心者セットは品質も向上しており、弾きやすく音もそれなりに良い、コストパフォーマンスの高いギターが増えています

こちらの記事では1万円、2万円、3万円台の初心者セットを実際に購入してレビューしていますので、購入時の参考にしてみてください。

エレキギターを弾く準備

無事ギターが手に入ったらいよいよ弾いていきたいのですが、ギターを弾く前にやること、知っておくべきことがあります。

チューニング

ギターはその構造上とても音が狂いやすい楽器なので、演奏するたびに音を合わせる(チューニング)必要があります。
チューニングには「チューナー」と呼ばれる機械を使用しますが、現在はギターのヘッド部分に取り付ける「クリップ式チューナー」というタイプが主流です。

チューナーを取り付ける

まずは洗濯バサミの要領でヘッド部分に取り付け、チューナーの電源を入れます。
チューナーの取付

チューニングしたい弦を弾く

チューニングは弦1本ずつ行うので、まずは6弦(いちばん太い弦)をピックや右手の親指で軽く弾きます。

チューニング

ペグ(糸巻き)を回して音を合わせる

6弦は「E(ミの音)」に合わせるのですが、6弦がEよりも高ければ(チューナーの針が右にふれていれば)時計回りに、低ければ(チューナーの針が左にふれていれば)反時計回りに、ペグ(糸巻き)を回して針が真ん中を示すように調整します。

ペグを回す

6弦のチューニングがぴったりと合ったら、同じ要領で5〜1弦も合わせていきます。
ギターの基本となるチューニングは6弦から順番にE / A / D / G / B / E の各音に合わせていきます。

チューニング

全ての弦のチューニングが終わったら、もう一度6弦から順番に音が合っているか確認しましょう。
※楽器の特性上チューニングの過程で狂いが出るものなので、必ず2回以上確認するクセをつけておきましょう。

※チューニングのコツ
・チューニングしたい弦以外が鳴ってしまわないようにする
・ペグはゆっくりと少しずつ回す
・ギターの音が合わせたい音よりも高い場合、いったん合わせたい音よりも低くして、音を上げながら合わせる(チューニングの狂いを軽減できる)

チューニングのくわしい方法はこちらの記事を参考にしてください。

ピックの持ち方

ピックは右手の親指と人差し指で挟みます。
このとき、ピックの先端が親指に対して直角で、1cm程度見えている状態にし、人差し指をフワッと軽く曲げて指の側面でピックを押さえます。

ピックの角度
ピックの持ち方

※ピックを上手に持つコツは「強く握りすぎない」です。

アンプの使い方

次はいよいよエレキギターの醍醐味である、アンプでの音の出し方です。
音を出す手順は以下の通りです。

  1. 「ギターのジャック(ボディー横にある差込口)」と「アンプのINPUT端子」をシールドで繋ぐ。
  2. アンプのVOLUMEが0(ゼロ)になっていることを確認する。
  3. アンプの電源スイッチをONにする。
  4. アンプのVOLUMEを少しずつ上げていく。
    ※GAINつまみがついている場合はGAINも少しずつ上げることで音が出るようになります。

アンプの使い方

【よくある失敗例】
・電源を入れるとき、アンプのボリュームを0にしておらずいきなり大きな音が出る
・ギター本体のボリュームが上がっておらず音が出ない

音が出たらVOLUME以外のつまみを回して好みの音に仕上げていきますが、まずはTREBLE(高音域の調整)、MIDDLE(中音域の調整)、BASS(低音域の調整)を12時の位置(つまみの目印が真上を向く状態)に合わせましょう
多くのギターアンプでフラットな音が出るように設計されています。
※MIDDLEは付いていない機種も多い

まずはフラットな状態で音を出し、ひとつずつつまみを回してどのように音が変化するか確かめてみましょう。

また、GAINというつまみはギターの音に「歪み」を加える役割があり、サウンドと音量の両方に影響を与えます。
GAINを上げると「歪み」が増すと同時に音量自体も上がるので、VOLUMEつまみで調整してください。

楽譜の読み方

ギターではほとんどの場合、「タブ譜」という弦楽器専用の楽譜が使われており、一般的な「五線譜」が読めなくても簡単に楽譜を読むことができます。

タブ譜は、6本の横線の上に数字を書いて表し、横線はギターの6本の弦、数字は押さえる場所(フレット)を表しています。
※いちばん下の横線が6弦(太い弦)、いちばん上の横線が1弦(細い弦)を表す

タブ譜
こちらがタブ譜で「6弦(太い弦)の3フレットを押さえてください」という意味になっています。
タブ譜を指板図で解説

ギターの指板図で表すと図のようになります。

ギター続けていくうえで大切なこと

最後に、エレキギターを楽しく続けて上達するために覚えておいて欲しい、練習への取り組み方と具体的な練習方法をご紹介します。

弾けるようになるには練習が必要

ギターは弦を弾くだけで音が出るので、楽器の中では簡単な部類だと言われることもありますが、決してそんなことはありません
どんな楽器にもそれぞれ難しさがあり、自由に楽しく弾けるようになるにはある程度の練習量が必要です。

よく「何ヶ月で曲が弾けるようになりますか?」と聞かれますが、その曲の難易度はもちろん、その人の練習量や楽器経験の有無なども大きく影響するので、一概にどのくらいとは言えません。
多くの人がギターを弾けるようになったときの理想の姿をイメージしていると思いますが、そこへたどり着くまでには地道な練習と時間が必要です。
そこを甘くみていると「こんなに大変だと思わなかった」「練習が楽しくない」「自分には才能がなかった」といった理由をつけて挫折してしまいます。

すぐに弾けるようにならなくて当然だが、地道に練習すると必ず弾けるようになるということを頭に入れておくと、挫折することなくギターを続けることができます。

基礎から順序よく取り組むべし

ギターが弾けるようになるには根気よく練習を続けていく必要があるのですが、どんな順序で練習をするかがもっとも大切です。
いきなり難しい曲や、今の自分のレベルに合っていない練習をしているといつまでたっても弾けるようにならず、徐々にギターを弾く楽しさが感じられなくなり、苦痛になっていってしまいます。

今はYouTubeなどでも初心者向けの練習方法がたくさん解説されていますが、そのほとんどが単発のレッスンになっており、初心者の方が順序よく練習をしていくには向いていない場合もあります。
初心者向けの練習方法が順序よくまとめられたものとしては「教則本」があり、独学で始める初心者の方は1冊購入することをおすすめします。

当スクール、THE POCKETのブログでも「ギター初心者のための7日間らくらく練習メニュー」として7日分の練習メニューを無料で公開しています。

また、THE POCKETが監修したエレキギター初心者のためのeラーニングシステム「GUITAR CAMP」では、まったくの初心者の方が半年〜1年でエレキギターの基本テクニックをマスターできるようにカリキュラム化されたプログラムを提供しており、すべてのエクササイズと楽曲がこのプログラムのために書き下ろされています。

「自分の好きな曲を最短で弾けるようになりたい」「1人で練習していけるか不安」「プロに教えてもらい、確実に上達していきたい」という方にはTHE POCKETのオンラインギターレッスンもお勧めです。
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とにかく楽しく!

練習の方法はたくさんありますが、すべてに共通して言えるのは「楽しくギターを弾くことがいちばん大切」ということです。

ギターを弾いていると思うように上達できず辛い思いをする時もありますが、それを乗り越えた時は何ものにも替えられない楽しさが待っています。
ひとつひとつの練習、できなかったことができるようになる喜び、好きな音楽を自分で演奏する快感、そのすべてを楽しんでいるとギターは自然と弾けるようになり、自分でも驚くくらい上達しているでしょう。

あなたも是非、この楽しさを一緒に味わってください!

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