毎日続けたい!声を出さない歌の練習11選
ボーカルの上達のためにたくさん練習したいけど、声を出しにくい時ってありますよね。
「家で発声練習は時間帯が限られる…」
「喉の調子が良くない…」
「カラオケに通うとお金がかかるし…」
そんなふうに考えて結局練習できずに終わってしまった、なんて経験もあるのではないでしょうか。
でもちょっと待ってください。
実は自宅で声を出さなくてもできる歌の練習方法はたくさんあるんです。
この記事では、声を出さずにできる練習法を
- ストレッチ
- ブレスコントロール
- リズムトレーニング
- 滑舌
- 表現力
- 筋トレ
の6カテゴリーに分け、11の技法でご紹介しています。
俳優・声優・ボーカリストの経験がある筆者が、特に効果が高ったと思う家でできる歌の練習方法をご紹介していきますので、ぜひ最後まで読んであなたの練習に役立ててみてください!
ストレッチ
体がほぐれてリラックスできていると、声も伸びやかに出るようになります。
体の緊張やコリは知らず知らずのうちに溜まってしまうこともあるので、ストレッチは毎日でも行いたい練習です。
ここでは、上半身のストレッチを3つご紹介します。
首回し
首は声帯のすぐ近くにあり、特にほぐしたい部位です。2つのストレッチを実践しましょう。
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 両手を軽くクロスさせ、胸に置く。
(ドキドキする胸をおさえるイメージ) - 上半身の力を抜き、頭を回す。右に2回、左に2回。
- 3をもう一度繰り返す。
首を回す時は、つむじで大きな円を描くイメージをすると首がよく動きますよ。
首伸ばし
首の側面を伸ばすストレッチです。
手を使うことで首が伸びていることをより感じられるようになります。
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 首を右に倒す。
(このとき、左手を地面に向けて軽く伸ばす) - 首の左側が伸びていることを感じながら、4秒キープ。
- 首を戻す。
- 同じように、首の右側も伸ばす。
クロール&背泳ぎストレッチ
肩甲骨をほぐすことで猫背が解消され、胸が開きます。
肺に空気が入りやすくなり呼吸も安定するので、このストレッチでしっかりほぐすようにしましょう。
- 足を肩幅に開いて立つ。
- 目線は正面に向けて、クロールで泳ぐように腕を後ろから前へ動かす。右腕が前にある時は左腕は後ろに、左腕が前にある時は右腕を後ろに。
- 10秒繰り返す。
- 次は背泳ぎのイメージ。同じく目線は正面で、腕を前から後ろに動かす。
- 10秒繰り返す。
ブレスコントレール
呼吸の制御ができると、強弱やニュアンスといった歌の表現のコントロールにもつながってきます。
まずは、息をまっすぐ均等に吐き出すための練習をしましょう。
- 仰向けに寝転がり、お腹に手を当てる。仰向けに寝転がる。
- 息を吸う。
- 息を前歯の裏側に当てるように吐き出す。スーッという音が鳴るようなイメージで。最初から最後まで一定の量の吐息になるように意識して。
- 2と3を5回繰り返す。
横になることで、腹式呼吸がしやすくなり呼吸をより意識できるようになります。
寝転がるのが難しい場合は、立って行うことも可能です。
息を吐き出すとき、最後の方はお腹がプルプルと震えだすかもしれません。その際、無理に息を絞り出そうとして体に力を込めないように注意してください。
慣れてきたら、吐息にバリエーションを付けてみましょう。
いつもより細く長い息や、太く丸いイメージの息などが良いですね。
リズムトレーニング
リズムとは「同じ動きの繰り返し」です。
そのため、動きの周期をつかめれば誰でもリズム感を良くすることが可能です。
日頃からリズムトレーニングに親しんで、リズムを意識することを心がけましょう。
リズムトレーニングにはメトロノームが必須。
スマートフォンアプリに無料のメトロノームがあるので、ダウンロードしてみてください。
表拍
リズムには「表拍(おもてはく)」と「裏拍(うらはく)」があります。
この2種類のリズムを、自在に掴むための練習から始めましょう。
まずは表拍です。
- メトロノームをテンポ100で鳴らし続ける。
- メトロノームの音をしばらく聞き、リズムに慣れる。
- メトロノームが「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…」と音を鳴らすタイミングが表拍です。
表拍にあわせて手拍子をします。 - 手拍子に慣れたら足拍子や、体ごと揺らして表拍に合わせる。
裏拍
次は裏拍を意識する練習です。
メトロノームの「ピッ、ピッ、ピッ、ピッ…」という音が表拍でしたね。
表拍と表拍の間が裏拍に当たります。
テレビで音楽やダンスのプロが「ワン、エン、ツー、エン、スリー、エン、フォー、エン」と言ってリズムを取っているのを聴いたことはありませんか?
この数字の部分が表拍で、「エン」の部分が裏拍です。
それでは、裏拍を感じてみましょう。
- メトロノームをテンポ100で鳴らし続ける。
- メトロノームの音をしばらく聞き、リズムに慣れる。
- 「ワン、エン、ツー、エン〜」のカウントを言いながら、裏拍に合わせて手拍子をする。
- 上手く裏拍がつかめない場合は、テンポを90や80に下げてみる。
- 手拍子に慣れたら足拍子や、体ごと揺らして裏拍に合わせる。
メトロノームでのリズムトレーニングが終わったら、好きな曲に合わせて体を動かしてみましょう。
全身でリズムに乗れるようになっているとGOODです!
リズムトレーニングについては、こちらの「楽器不要のリズムトレーニング」という記事でより詳しくご紹介しています。
ぜひ参考にしてみてください。
滑舌トレーニング
まるで早口言葉のような言葉がたくさん詰まったアップテンポの曲も、滑舌が良ければ歌いこなすことが出来るようになります。
ここでは良い滑舌には欠かせない、舌と唇の脱力トレーニングをご紹介します。
長く続けすぎると疲労からかえって力んでしまうので、どちらも1日3分以内にとどめましょう。
舌の体操&タングトリル
まずは、舌を使ったリラックス法「舌の体操&タングトリル」です。
- 口を閉じる。
- 口の中で舌を大きく回す。右回し4回、左回し4回。もう一度左右回しを繰り返す。
- 口を開け舌を軽く出す。
- そのまま舌を大きく回す。右回し4回、左回し4回。もう一度左右回しを繰り返す。
- 次はタングトリル。口を軽く開けて舌先を上顎(上前歯の裏辺り)につける。
- そのまま舌先を震わせる。息を吐き、「タラララ…」と巻き舌で発音するイメージで。
タングトリルがうまくできない時は、力が入りすぎているか抜けすぎているのかもしれません。
舌ストレッチを念入りにやると、疲れてきて自然と余計な力が抜けやすくなりますよ。
リップロール
次は、唇を振動させるリップロールです。
- 唇を閉じる。
- 息を口から吐いて唇を振動させる。細かく「ブルルル…」と震わせるイメージで。
慣れてきたら、息をいつもより多く送り込んだり、少なく送り込んだりして、バリエーションをつけて遊びます。
うまくできない時は、唇の湿り具合を調整したり、吐き出す息の量を変化させたりして振動させやすい量を探ってみましょう。
表現力トレーニング
筆者が考えたオリジナルの練習法「梅干しトレーニング」をご紹介します。
このトレーニングは、歌うときの表情を確認することで表現力のバリエーションを増やすことが出来る手法です。
必要な道具は鏡のみ。
まず、鏡の前で好きな曲をワンコーラス、口パクで歌ってみましょう。
やってみると、自分で思っている以上に無表情で歌っていませんでしたか?
声は体を楽器にして出る音なので、顔の表情で音色が大きく変わります。
そこで、表情を大きく変える練習「梅干しトレーニング」をしてみましょう。
- 鏡の前で眉を大胆に動かす。
(上に下に、左右に、眉間にシワを寄せたり) - 充分に眉が動いたら、顔全体の表情筋を動かす。
(酸っぱい梅干しを食べたときのように、顔のパーツを中心にギュッと寄せて3秒。そして一気に脱力する。) - 3を5回繰り返す。
梅干しトレーニングが終わったら、もう一度好きな曲を口パクで歌います。
その際、「喜怒哀楽」の表情を考えて、それぞれの感情の表情で歌ってみましょう。
別れの歌を喜んで歌ったり、恋の始まりを怒りながら歌ってみたりすると「この歌詞の部分はこんな表現をしても良いかも」という意外な発見があります。
表現力の幅が広がるきっかけになりますよ。
筋トレ
筋トレもオススメのトレーニングです。
体を支える筋肉を鍛えることで、安定感のある声を出すことに繋がります。
ただし、発声練習前の筋トレには要注意。疲労や緊張で体が固まり声が出にくくなることもあるので、筋トレは発声練習の後にすることをオススメします。
また、腹筋と背筋はバランスよく鍛えることで良い姿勢を保つことにも繋がります。
歌うときの姿勢維持にも役立つので、腹筋と背筋にトライする際は同じ回数をこなすようにしましょう。
腹筋
- 仰向けに寝転がる。
- 足を天井に向けてまっすぐ上げ、膝を90°に曲げる。
- 手を胸の前で組む。
- その状態で下腹を見るように軽く上体を起こす。
- 上体を静かに下ろす。
- 4と5を繰り返す。
背筋
- うつ伏せに寝転がる。
- 両腕を前に伸ばす。目線は正面に向ける。
- 足を床につけたまま上体を静かに上げる。
- 上体を静かに下ろす。
- 3と4を繰り返す。
歌の上達のために家での練習を活用しよう!
いかがでしたか?
ボーカルの上達のためには、声を出さなくても出来る練習方法が意外と多くあるんです。
今回は
- 首回し
- 首のストレッチ
- 肩甲骨のストレッチ
- ブレスコントロール
- リズムトレーニング【表拍】
- リズムトレーニング【裏拍】
- タングトリル
- リップロール
- 梅干しトレーニング
- 腹筋
- 背筋
の11の練習法を6つのカテゴリーに分けてご紹介しました。
もちろん、今回ご紹介したのは基礎練習なので実践的な練習も大切です。
しかし、上達に何より大切なのは練習を続けることです。
家だと声を出しづらいからと練習を諦めてしまわずに、今回ご紹介したトレーニング法も試してみてください。
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