声が通らない!店員さんに気付いてもらえる声の出し方

ボイストレーニング

「すいませ〜ん」
注文したいのに店員さんに気付いてもらえない…

そんな経験がある人は、一度じっくり声の出し方と向き合ってみると改善の糸口が見つかるかもしれません。
なぜなら、生まれたばかりの赤ん坊の声はものすごく通り、ほとんどの人がその通る声を出せていたのです。
なのに不思議と、私たち人間は大きくなるにつれてそんな声の出し方を忘れていってしまいます。

「歌の勉強は生まれたばかりの時の声の出し方に戻す練習よ」と言ったオペラ歌手もいるとかいないとか。
赤ん坊に戻ることは出来ませんが、ちょっとしたコツで声は今よりも通るようになります。
今回はそんなお話です。

「遠くに声を飛ばす」を1回やめる

遠くに飛ばそうとして飛ばないのですから、それは一回やめましょう。
さらにこねくり回した言い方をすれば「遠くに飛ばそうと思ったときに動く身体のプログラムが、実際には遠くに飛ばそうというフォームになっていない」ということなので、一回リセットして組み立てていく必要があります。
意外とこれだけでも余計な力みが取れて、声が飛ぶようになる人もいます。

「遠くに飛ばそう」と思って飛ばない人の多くは、飛ばす先を意識しすぎるあまり、自分の身体から声が出ているということを忘れてしまいがちです。
声は身体と繋がっています。
まずは一度、自分の身体に目を向けてみましょう。

身体の中のエネルギーを高める

まずは自分の身体の中のエネルギーを感じましょう。

今立っているのなら足の裏から意識をスタートさせます。
座っているのであればお尻からで構いません。
地面に接触している足の裏の感覚から、ふくらはぎ、膝、太もも、お尻、腰、背中、お腹、肋骨、首まで、自分の身体が繋がっていることを感じましょう。
その全てが連動しているイメージを持ってみましょう。

意識が出来たら、次はそのエネルギーを高めていきます。
身体を動かさなくても、エネルギーを高めることは出来ます。

例えばテニスやバドミントンをしている時、相手のサーブを待ち受ける気持ちになるとわかりやすいと思いますが、レシーブのために準備をしている間、むやみに動き回らなくとも身体はすぐに動けるようにエネルギーを高めた状態でいるはずです。
そうして身体に意識を向けてみると、自然と息も深くなるかもしれませんね。

エネルギーと空気をキープする

そうしたら、高めたエネルギーと共に吸い込んだ息を一度キープしてみましょう。
キープするためには、広がった肋骨を萎ませないようにするためのパワーと、空気を逃さないようにするための声帯のパワーが必要です。
身体の中にパンパンになった風船を作るようなイメージで、多少腹筋が動いても決して空気が漏れ出ないようにキープしてください。

空気がなければ物理的に声を出すことは出来ません。
そして、吐き出す空気に勢いを持たせるためには、身体のエネルギーが必要です。
あとはそれを吐き出すタイミングが肝心です。

自分の声が相手に届くことをイメージする

さあ、準備は出来ました。
あなたの身体の中には、溢れ出すほどの空気とエネルギーが溜まっています。

それを目標目掛けて炸裂させましょう。
ただ、キープさせるための力は簡単に抜いてしまってはいけません。
特に出口である声帯は「基本閉じているけどちょろっと開いている状態」を作る必要があります。

声を出そうと思うあまりに声帯が必要以上に開いてしまうと、声にならない空気がたくさん混じってしまい、エネルギーのロスが発生してしまいます。
ここでイメージしたいのは水道の蛇口につながったホース。
水道の蛇口から出る水の勢いは変わらなくとも、ホースの口を閉じると水の飛び方は大きく変わりますよね。
声もそれと同じです。

さらに蛇口側である肺から出て行こうとする空気のエネルギーを加えれば、あなたの声はどこまでも飛んでいき、店員さんの鼓膜にも届くことでしょう。

何度も繰り返して、「声を飛ばす」=「ホースの口を細く閉じる」となるように身体のイメージを書き換えていきましょう。

さいごに

大きな声が出ない、という人は大抵の場合、「空気をきちんとキープしておけないこと」と「吸った空気にエネルギーを与えられないこと」が原因です。
両方一度に意識するのが難しい場合は、まずは空気のキープから試してみましょう。
それだけでも声は多少変化するはずです。

キープした状態から声を出す状態に転ずるタイミングを意識的に掴むのは少し難しいかもしれませんが、もともと誰もが出来る動かし方ですので、出来ない時は頭を無にすると意外と簡単に出来たりします。

無事に店員さんが注文を取りに来てくれますよう、心よりお祈り申し上げます。

とは言っても、長年無意識のうちに出してきた声の使い方を変えるのはかなり大変です。
うまく感覚が掴めない、本気で声の出し方を変えて日常生活や仕事にも活かしていきたいという方は、ボイストレーナーによるマンツーマンのレッスンを受けてみましょう。
自分の悩みや特徴に合った方法で、変化を体感してください。

【自宅】で手軽にプロの講師の
マンツーマンレッスン!

自宅でできるマンツーマンレッスン!
オンラインボイストレーニング
THE POCKETで!!

オンラインボイストレーニング

関連記事一覧