コロナ禍でオンラインレッスンの市場はどう変わったか
ポケットエンターテインメント合同会社が運営する、オンラインミュージックレッスンのTHE POCKETは今年(2022年)で設立12年目を迎えます。
オンラインでの音楽レッスンに特化している企業としては、もっとも長い歴史と実績を兼ね備えていると自負しております。
2020年に発生したパンデミックにより世界は甚大な被害と影響を被りましたが、全世界的に見ると徐々に収束の方向へと向かっているように感じます。(2022年3月時点)
この記事では、当社が蓄積してきたデータをもとに、コロナ禍がオンライン音楽レッスン市場にどのような変化を起こし、今後どのように変化していくのかを分析、予測します。
(分析に使用したデータは個人情報とは切り離され、個人の特定に繋がらないように加工されています)
利用者は平均261%増加
2020年4月に発出された緊急事態宣言以降、利用者は大幅に増加しており平均で前年比261%という高い水準になっています。
これまで4度の緊急事態宣言と、3度のまん延防止等重点措置が発出・解除され、1〜2回目の緊急事態宣言下では外出自粛の観点からオンラインレッスンに注目が集まったと推測されましたが、それ以降の利用者数の増減はそれらのタイミングよりも従来の季節的な変化と近しくなっていました。
これは、企業の在宅ワークへの取り組み、商談のオンライン化、学校のオンライン授業導入などによるオンラインツールの活用頻度向上、メディアによるオンラインレッスンの紹介(当スクールも2020年6月7日放送のTV番組、「林先生の初耳学」でご紹介いただきました)などによる認知度向上が利用者の大幅な増加につながっていると考えられます。
そのため、アフターコロナの世界においても「オンラインレッスン」の市場は順調に伸長していくものと期待されます。
また、メタバースやAR、VRといった技術革新もこの流れを後押しするものと考えられます。
利用者の年齢分布には大きな変化なし
利用者の年齢分布はコロナ前後で大きな変化はなく、平均すると〜10代17.9%、20代31.2%、30代20.0%、40代17.9%、50代8.5%、60代3.5%、70代〜1.0%となっており、世代を問わず、幅広くオンラインレッスンの利用者が増加していることが伺えます。
これは先ほども取り上げたメディアによるオンラインレッスンの紹介や、オンラインツールの活用頻度向上が全ての世代に影響を及ぼしていると考えられます。
楽器演奏者とオンラインレッスン受講者の年齢分布
次に、楽器演奏を趣味とする層の年齢分布とオンラインレッスン受講者の年齢分を比較しました。
10代と60代以上ではオンラインレッスンの利用者割合が低いことがわかりました。
こちらの比較では、総務省統計局が整備する政府統計の総合窓口(e-Stat)のデータ(社会生活基本調査 平成28年社会生活基本調査 調査票Aに基づく結果 生活行動に関する結果 生活行動編(全国) 趣味・娯楽)における「楽器の演奏」の項目を楽器演奏者としています。
これは楽器演奏者全体との比較ですので、楽器レッスンを受けている人との比較ではない点を考慮してデータを見る必要があります。
女性の利用者が大幅に増加
コロナ禍以前は80:20と圧倒的に男性の利用者が多かったのですがで、コロナ禍では60:40と大幅に女性の利用者割合が増加しました。
性別、年代問わず多くの人に「オンラインレッスン」という形態が支持された結果となりました。
また、2020年には楽器店から初心者向けのギターが軒並み品切れするというブームも起きており、自宅で楽しめる趣味として、ギターをはじめとした楽器が再注目されたことも大きな要因と考えられます。
まとめ
オンラインレッスンは英会話など特定のジャンルでは古くから認知されていましたが、他のジャンルへの広がりはあまり進んでいませんでした。
受講者側だけでなく、指導者側にもオンラインでは十分な指導が行えないという考えの人が多くいたこともその要因のひとつです。
しかし、コロナ禍によりオンラインレッスンを余儀なくされた人々が「あれ?意外と使えるかも」と、技術の進歩とその利便性に気づきました。
もちろん現在の技術では対面とまったく同じ環境でレッスンをすることはできませんが、さまざまな工夫を凝らすことでデメリットを大きく上回るメリットが得られます。
今後もオンラインレッスンの市場は拡大していくと考えられます。
しかし、その形態は技術革新や環境の変化により、現在のビデオ通話以外にもまざまなものが予想されます。
当社は、今後も利用者様の利便性とより良いレッスン環境を通じて、皆様の生活が少しでも豊かになるお手伝いを続けていきたいと考えております。
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