パワーコードの押さえ方とカッコ良く弾くコツ
エレキギターの演奏に欠かせないコードが「パワーコード」です。
パワーコードとはその名の通り、力強いサウンドが特徴のコードでロックやポップス、ブルースなど幅広いジャンルの曲で使用されています。
この記事では、パワーコードの意味や押さえ方、12個あるパワーコードの効果的な覚え方などをご紹介していきます。
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パワーコードとは
まずは普通のコードがどのような仕組みでできているのか、パワーコードと何が違うのかという基本から見ていきましょう。
そもそもコードとは?
コードは日本語で「和音」と呼ばれており、高さの違う2つ以上の音が重なった響きのことを指します。
(厳密には、2つの音の重なりを「重音」、3つ以上の音の重なりを「和音」と呼びます)
また、どんな音でも重ねていけば和音になるのではなく、基準となる音に対して3度上の音程を重ねていくという基本ルールがあります。
基準となる音(ルート)に対して、3度と5度の音を重ねたものが最も基本的なコード「3和音」となります。
コードについての詳しい解説はこちら
C F#m A7 コードにはたくさんの種類があり、全部書き出すと数百〜千を超えるとも言われています。 ギターの場合、Cコードひとつに対しても数パターンの押さえ方があるので、全部を覚えようとするととんでもない記憶力が必要になってきます。 ですが、プロギタリストの多くはどんなコード進行でも...
パワーコードとは?
ルート、3度、5度の音で構成されたものが3和音ですが、ここから3度の音を省いたものが「パワーコード」で、ルートと5度の2つの音で構成されています。
(海外の楽譜では「C5」のようにルート音+5の表記でパワーコードを表していることもあります)
また、コードには「メジャー」と「マイナー」の2つの種類がありますが、これらの違いは3度の音程によって生まれているので、パワーコードにはメジャーとマイナーの区別がありません。
(どういうこと?)
CメジャーコードとCマイナーコードの違いは3度の音が「E(ミ)」か「♭E(♭ミ)」かの違いです。
3度を含まないパワーコード単体では、メジャーかマイナーかを決定づけることができません。
どんな場面で使われる?
3度を省くことによって独特な力強さが出て、特に歪ませたエレキギターのサウンドと抜群の相性を誇るパワーコードは、力強さや重厚感が求められる場面でよく使われます。
ロック、ハードロック、メタル、ポップス、ブルースなど幅広いジャンルで使われる、エレキギターにはなくてはならないコードです。
パワーコードの押さえ方
ここからはパワーコードの押さえ方といくつかの種類をみていきましょう。
基本のパワーコード
次の2つはどちらも「C」と名前がついたパワーコードです。
6弦の8フレットにあるCの音をルートにしたものと、5弦の3フレットにあるCをルートにしたもので、どちらも同じ音(ルートのC音と、5度のG音)で構成されています。
押さえ方は人差し指と薬指、もしくは薬指の代わりに小指でも問題ありません。
より力強いパワーコード
パワーコードには次のようなバリエーションもあります。
基本のパワーコードに、1オクターブ上のルート音を加えたものになります。
(小指で押さえている音が1オクターブ上のルート音)
2音だけだったパワーコードにもう一つの音が加わることで、力強さと重厚感が増していますが、パワーコードとしての機能には変化はありません。
パワーコードの覚え方
パワーコードにはメジャーとマイナーの区別がないため、ルート音違いの12種類しか存在しません。
Cのパワーコードはココ、Gのパワーコードはココと順番に覚えていっても良いのですが、あまり良い方法ではありません。
ルート音が変わっても薬指(もしくは小指)が担当する5度との位置関係は変わらないので、この際6弦と5弦の音名を覚えてしましましょう。
これを覚えてしまえばパワーコードだけでなく、他のコードやスケールを覚える際にも活きてくるので、下の表をみながら是非覚えてみてください。
この音名表が頭に入っていると、Gのパワーコードは6弦の3フレットと5弦の5フレット、もしくは5弦の10フレットと4弦の12フレットを押さえるという位置関係が瞬時にわかるようになります。
プリントアウトできる方は、覚えるまで部屋の壁に貼っておきましょう。
PDFはこちらからダウンロードしてください。
パワーコードをカッコ良く弾く方法
最後に、パワーコードをカッコ良く弾くためのポイントを5つご紹介します。
開放弦を使った押さえ方
Eのパワーコードは6弦0フレットと5弦2フレットを押さえます。
解放弦(0フレット)を交えて弾く時は、5度に当たる音を人差し指で押さえることが多くなります。
高音弦側のミュート
6弦ルートのパワーコードの場合、4〜1弦は鳴らしません。
しかし、力強いサウンドを出すためにはしっかりと振り抜くストロークで弾く必要があります。
そこで大切になるのが不要弦のミュートで、人差し指や薬指のお腹部分で4〜1弦をミュートすることになります。
このミュートが不十分だと雑音が混じり、せっかくのサウンドが台無しになってしまいます。
低音弦側のミュート
5弦ルートの場合、6弦のミュートも大切になってきます。
人差し指の頭を6弦の横に当て、しっかりとミュートしておきます。
ここでもピッキングはしっかりと振り抜くストロークが基本です。
ブラッシング音
不要弦をミュートし、しっかりと振り抜くストロークをすると、ミュートした弦を弾いた音(ブラッシング音)が入ります。
実際に弾いてみるとブラッシング音は小さく、パワーコードの音にかき消されてほとんど気にならないのですが、実はこのブラッシング音がパワーコードにおける大切な役割を果たしています。
人間の耳ではっきりと聞き取れない音であっても、サウンド全体の印象やアタック感といった部分に影響を及ぼすシチュエーションはたくさんあります。
はっきりと聞き取れないブラッシング音も、パワーコードには大切だと覚えておきましょう。
ピッキングの順番
パワーコードを8分音符で刻むフレーズは、たくさんの楽曲で登場します。
とてもシンプルなフレーズなのですが、ピッキングの順番でその印象は大きく変わります。
1=ダウンピッキングのみで演奏
2=ダウンとアップのオルタネイト
楽譜にピッキングの順番まで書かれていないケースもよくあります。
曲をよく聞いて、ピッキングの順番までコピーしましょう。
最後に
押さえ方もそのサウンドもとてもシンプルなパワーコードですが、本当にたくさんの楽曲で使われています。
パワーコードをカッコ良く聞かせるにはピッキング、サウンドメイク、リズムなど楽譜に書き表せない深い部分の理解も大切になってきます。
シンプルだけど奥が深いパワーコードの世界、じっくりと探求していきましょう。