【ギターアルペジオ入門】5つの定番練習フレーズ
アルペジオとはコードの音を一音ずつ弾いていく奏法で、ストローク(コードを同時に鳴らす)と対になる奏法です。
アルペジオの特徴はストロークに比べてメロディアスな伴奏になるため、しっとりとした曲や、曲の中で静かな伴奏をしたい部分で利用されます。
また、メロディアスな特徴を活かしてイントロのフレーズとして用いられたり、バンドアンサンブルにいろどりを加える目的で使用されるなど、様々なシーンで耳にします。
フレーズからは優しく、しっとりとした印象を受けるアルペジオですが、右手は常に弦移動を繰り返しているため実はかなり難易度が高い奏法です。
この記事ではこれからギターのアルペジオを覚えたいという方に向けた、おすすめの練習フレーズを5つご紹介していきます。
簡単なパターンから練習して、アルペジオの基本をマスターしましょう。
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ダウンピッキングだけの練習
最初のフレーズはダウンピッキングのみで弾くアルペジオです。
使用するコードは「C」と「Dadd11」の2つだけです。
Dadd11はコードネームだけを見るととても難しそうに見えますが、Cを押さえた左手をそのまま2フレット分ずらすだけで弾ける簡単なコードです。
アルペジオを弾く時、左手はコードが変わるまですべての弦を押さえたままにしておきましょう。
そうすることでそれぞれの音が重なって聞こえ、美しいハーモニーになります。
EX-1
参考音源:BPM80
肝心のピッキングですが、5弦から2弦まで順番にダウンピッキングで弾いていきます。
練習のでのポイントはとにかくゆっくりの速さではじめ、1音1音確実にピックで弦をとらえる、その感覚を身につけていきましょう。
最初は思うようにピックが弦に当たらないかもしれませんが、右手をよく見ながら練習してください。
慣れてきたら目をつぶって右手の感覚だけで弾く練習にもチャレンジしてみましょう。
アップピッキングを交えた練習
次のフレーズは先ほどとほぼ同じですが、2弦をアップピッキングで弾くように指定されています。
EX-2
参考音源:BPM80
実際の曲中で使われるアルペジオでも、トップノート(そのコードフォームの中でいちばん高い音)だけアップで弾くようなパターンがよく使われます。
これは、弾きやすくするための工夫であったり、アップピッキングとダウンピッキングのサウンドの違いをフレーズに活かしたい場合に用いられるテクニックです。
どのようなピッキングの順番が正解かという明確な基準はありませんが、ここでは2弦がダウンピッキングの時とアップピッキングの時で生まれるサウンドの違いを体感しましょう。
また、左手は目で見なくても感覚だけで横移動できるように練習し、視線を右手に集中させるようにしましょう。
オルタネイトピッキングでのアルペジオ
これまでのフレーズとまったく同じですが、ピッキングがダウンとアップを交互に繰り返すオルタネイトピッキングになっています。
EX-3
参考音源:BPM80
最初は思うようにピックが弦をとらえられず難しく感じるかもしれません。
しかし、このピッキングをマスターすれば速いフレーズでもスムーズに弾けるようになるため、必ず身につけておきましょう。
これまでのフレーズと同じく、最初はピックと弦の動きをしっかり目でとらえながら弾いていきます。
視覚と右手の感覚を使い、それぞれの弦の位置関係を身につけていきましょう。
また、すべての音の強さ(音価)が一定になるよう心がけてください。
アルペジオはフレーズに合わせて強弱をつけて演奏することが多くなりますが、同じ強さで弾くことができてはじめてピッキングのニュアンスやダイナミクスを表現できるようになります。
「すべてのピッキングをコントロールする」という意識を持って練習してみてください。
左手に変化をつけた練習
次のフレーズからは使用するコードが変わります。
G / Em / C / D と基本的なコードばかりですが、右手だけでなく左手にも注意を向ける必要があるため難易度が上がってきます。
EX-4
参考音源:BPM80
ピッキングは、高音弦に向かう時はダウンピッキング、低音弦に向かう時はアップピッキング、Dコードの部分だけ変則的なピッキングになっています。
また、それぞれの小節の最初の音(1拍目)が4分音符になっています。
長さの違う音符を正確に弾き分けるためには、その音符が表すリズムを口に出して歌うことが近道になります。
「タン タタ タタ タタ」というリズムを歌いながら弾いてみましょう。
※上の譜例ではGとEmの時には5弦を弾いていないので、5弦は押さえなくて良いと考えてしまいがちですが、下のコード表を参考に正しい押さえ方を覚えてください。
実際には弾かない音があっても、常に正しいコードフォームで押さえるクセを身につけておきましょう。
右手の弦移動が大きなアルペジオ
6弦を弾いた直後に1弦を弾くなど、右手が大きな弦移動を伴うフレーズになっています。
EX-5
参考音源:BPM80
右手の動きが大きく、それぞれのコードで弾く最初の弦も変わっていきます。
視線を右手に集中させることと、次に弾く弦が何弦なのか事前に思い浮かべておく先読みのイメージ持ちながら練習していきましょう。
リズムはEX-4のフレーズとほぼ同じですが、2拍目の裏と3拍目の頭がタイ(⌒)で繋がれており、「タン タタ アタ タタ」というリズムになります。
「ア」の音を強めに発音して歌うと、リズムを正しく演奏できるようになります。
このリズムは歌の伴奏や弾き語りなどで多用されるので、スムーズに演奏できるようになるまで何度も練習しておきましょう。
さいごに
今回ご紹介したフレーズはすべてピックを使って練習する前提となっていましたが、ピックを持たない指弾きの練習にも応用可能です。
各小節の最初に弾いているいちばん低い音を右手親指で弾き、それ以外の音を右手の人差し指と中指、薬指で弾いていきましょう。
ピック弾きとは違ったまろやかなサウンドを楽しむことができます。
アルペジオをマスターすると、様々な曲を表情豊かに演奏することができるようになります。
ギターの必須テクニック、アルペジオを身につけ、より楽しい音楽ライフを送りましょう!