ギター初心者がドレミファソラシドより先に取り組む基礎練習
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ピアノを始める場合は、ドレミファソラシドの練習からスタートします。
ドレミファソラシドは音楽の基本なので正しい指使いを含め最初に習得します。
ギターにおいてもドレミファソラシドは大切なのですが、最初から取り組むべきではありません。
その理由としては、「初心者には難しすぎる」の一言につきます。
なにが難しいのか、ピアノとギターのドレミファソラシドを図で比べると一目瞭然です。
ピアノの場合、隣り合った鍵盤弾いていけばいいのですが、ギターは2フレット離れてみたり、1フレット離れてみたり、挙句の果てには弦も移っています。
左手で押さえた弦を正確に狙って右手で弾くこと自体難しいのに、こんな複雑なものを初心者が弾けるはずありません。
ムリに練習してもしんどいばかりか、ムリな押さえ方により悪い癖がついてしまうなどの弊害もあります。
そこでおすすめなのが、今回ご紹介するクロマチックトレーニングという、半音階で4音ずつ上昇や下降を繰り返すギターの基礎トレーニングの代表格です。
この練習の目的は「狙った弦を確実にピッキングする」と「左手の指の動かし方を覚える」の2点です。
毎日10分間だけこの練習を続けるのと続けないのでは、1年後のギターの腕前に格段の差が出てくること間違いなしのトレーニングです。
STEP1 1弦だけをつかったクロマチックトレーニング「上昇」
使う弦を1弦だけに限定し、左手も人差し指、中指、薬指、小指と順番に押さえていくだけのクロマチックとレーニンが効果的になります。
使う指もシンプルで、弦移動もなく、指の動きにだけ集中できる練習です。
人差し指から順番に隣のフレットを押さえていき、ピッキングは全てダウンで行います。
この時の注意点は、一度押さえた指は小指が4フレットを押さえるまで決して離さないということです。
順番に解説すると
- 人差し指で1フレットを押さえ、ダウンピッキング
- 人差し指で1フレットを押さえたまま、中指で2フレットを押さえ、ダウンピッキング
- 人差し指で1フレット、中指で2フレットを押さえたまま、薬指で3フレットを押さえ、ダウンピッキング
- 人差し指で1フレット、中指で2フレット、薬指で3フレットを押さえたまま、小指で4フレットを押さえ、ダウンピッキング
最初は指が思うように動かないと思いますが、こうすることできれいな指使いが身についていきます。
④まで弾けたら①に戻って繰り返し練習しますが、①に戻る際は中指、薬指、小指だけを離して、人差し指は弦を押さえたままの状態にしておきましょう。
STEP2 1弦だけをつかったクロマチックトレーニング「下降」
先ほどの練習は低い音から高い音へ上がっていく指使いのトレーニングでした。
次は下がっていくトレーニングになります。
このトレーニングのポイントは弦を押さえている指以外が大きく動かないようにするということです。
上昇に比べ下降の動きの方が難しいため、つい使っていない指がバタバタしてしまいがちです。
最初はしかたありませんが、なるべく小さな動きで弾けるように意識しましょう
STEP3 1弦だけをつかったクロマチックトレーニング「上昇&下降」
次はこれまでの上昇と下降を組み合わせたトレーニングです。
ここでのポイントはSTEP1同様、上昇時は弦に置いた指は離さない。
下降時も各指を弦に置いたままにし、小指から順番に離していくようにします。
4つの音を上昇下降するだけのシンプルな練習ですが、得られる効果はかなり大きなトレーニングです。
STEP4 横移動ありの上昇
今度は左手全体が横移動していくパターンです。
STEP1 の上昇トレーニングと同じ要領で小指で4フレットまで弾いた後は全ての指を離し、すぐに人差し指を2フレットに横移動させます。
その後STEP1と同じ要領で1フレットずつ小指まで弾いていき、再度横移動します。
小指が11フレットに到達するまで繰り返します。
STEP5 横移動ありの下降
STEP2 の下降フレーズを小指が1弦の11フレットになる位置から弾いていきます。
8フレットを人差し指で弾き終えた後は、人差し指を離すと同時に小指を10フレットに移動させ小指から順番に弾いていきます。
人差し指が1フレットに来るまで弾きましょう。
スムーズに弾けるようになるまではとにかくゆっくり
この練習は基本中の基本でありながら、どんなにギターが上達してもやり続ける必要と価値のある練習です。
初心者のうちは指を滑らかに動かすことに集中してほしいのですが、上達してくるとピッキングと弦を押さえるタイミングを意識したり、メトロノームを鳴らしてリズムを意識したりと同じ練習でもその深さや目的が変わり、いつまでも得るものがあります。
ギターの上達を望むのならば外すことのできないとても大切な練習なので、初心者の頃から正しいやり方を身につけておきましょう。
退屈な練習ではありません
どんな楽器でもスポーツでも基礎練習というものは必ず必要で、基礎がしっかりできているかどうかがその後の上達を大きく左右してきます。
しかし、「基礎練習=退屈」というイメージを持っている方も多いのではないでしょうか。
「あの曲を弾きたい!」と思ってギターを買ったのに、4つの音を上昇したり下降したりするだけの退屈な練習をしなくてはいけないんだ?
と思うのは当然の事だと思います。
しかし、ここはだまされたと思って曲の練習8:基礎練習2くらいの割合でいいので続けてください。
必ず自分の弾きたかった曲にもその成果が表れてきます。
初心者のうちは理解しがたいかもしれませんが、実は基礎練習とはとても楽しいものなのです。
基礎練習を楽しめるようになるまでにはある程度のレベルアップが必要ですが、基礎練習も含めてギターの演奏を楽しもうとする姿勢を持つことが、結果的にギターの上達につながってくるのではないでしょうか。