指弾きでギターを弾く方法と練習フレーズ
ギターの弾き方にはピックを使う「ピック弾き」と、ピックを使わずに指で弾く「指弾き」があります。
どちらにもサウンド面での特徴や奏法上のメリットがあり、アコースティックギター、エレキギター問わず頻繁に使われる弾き方です。
この記事では「指弾き」の特徴やその方法といった基本から、アコギ、エレキどちらにも使える練習フレーズまでご紹介していますので、初めて指弾きにチャレンジする方はぜひじっくりとご覧ください。
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指弾きとは?
フィンガーピッキング(Fingerpicking)、フィンガースタイル(Fingerstyle)とも言われ、ピックを使わずに指で弾く奏法全般をさしています。
指弾きの特徴
硬いピックで弾くのに比べて、指弾きでは柔らかくふくよかな音を出せるのが最大の特徴です。
アコースティックギターの場合ピックで弾くよりも音量を小さくしやすいので、自宅では指弾きをメインにしているという方もいます。
また、右手の指を3本から最大5本まで使って弾くため、弦をバラバラに弾く「アルペジオ」と相性がよく、バラードの弾き語り伴奏などで使われることが多い弾き方です。
指弾きで弾かれたギターが印象的な曲といえば2019年にリリースされた瑛人さんの「香水」や、秦基博さんの「ひまわりの約束」などがあります。
指弾きはどんな時に使う?
バラードの弾き語り伴奏の他にも、テンポが早くて弦移動の多いフレーズや、低音弦と高音弦を交互に弾き分けるフレーズ、リズミカルなパターンなど色々なシーンで利用されます。
また、クラシックギターやフラメンコギター、ボサノバでは指弾きが基本スタイルになっています。
フレーズの弾きやすさや音楽ジャンルという観点以外にも、ピックでは出せないそのサウンドを得るためにあえて指弾きを選択するというケースもよくあります。
3大ギタリストとして尊敬を集めるジェフ・ベック氏は、エレキギターを指弾きすることによって多彩なサウンドを聴かせてくれます。
Jeff Beck – Cause We’ve Ended As Lovers
指弾きの方法
指弾きでは「親指、人差し指、中指」の3本を使う3フィンガーと、「親指、人差し指、中指、薬指」までを使う4フィンガーが代表的ですが、最初は4フィンガーで練習すると使う指の順番など理解しやすくなります。
ここからは4フィンガーによる指の使い方や指弾きのフォームなど、具体的な方法を見ていきますが、3フィンガーの際も基本は同じです。
基本フォーム
まずは親指でベース音(コードの中でいちばん低い音)、人差し指で3弦、中指で2弦、薬指で1弦を弾く基本フォームを身につけましょう。
Eコードを弾く場合ベース音(コードの中でいちばん低い音)が6弦にあるので、6弦を親指で弾いて、3弦→人差し指、2弦→中指、1弦→薬指で弾くことになります。
【Eコード】
実際にギターを構え、上の図の通りに右手の指を弦の上に置くと、次の写真のようになります。
親指を6弦の上側に置き、人差し指、中指、薬指は3弦、2弦、1弦のそれぞれ下側に置きます。
親指は弦と平行にまっすぐ伸びた状態、他の指は関節を軽く曲げて弦を右手の指全体でつまむような形にします。
この時、手首を軽く下に曲げて人差し指、中指、薬指が弦に対して垂直になるイメージ(完全に垂直になる必要はありません)で構えると基本フォームに近づいていきます。
また、親指は上から下に弾く「ダウンピッキング」、人差し指、中指、薬指は下から上に弾く「アップピッキング」で弾くことになります。
各指とも第一関節(先端の関節)を動かすのではなく、第二関節と指の根本の関節から動かすようにして弾いていきます。
指のどこで弦を弾くのか
親指は指の側面(外側)、人差し指、中指、薬指は指の先端(やや内側)で弾きます。
先ほどの基本フォームがしっかりできていると、自然と丸印の部分が弦に当たるようになります。
爪は伸ばしたほうがいい?
同じ指弾きであっても、伸ばした爪で弾くのと、爪を短く切って指の肉部分で弾くのではサウンドや弾き心地も大きく変わります。
爪で弾いた場合はピック寄りの硬く、高音域が強調されたきらびやかな音、指の肉部分で弾いた場合は柔らかく、中音域が強調されたふくよかな音になります。
また、爪と指の肉部分の両方を使って弾くような弾き方もあります。
どちらが正解というわけではなく、出したいサウンドによって使い分けることになります。
指弾きの練習フレーズ
指弾きの基本がわかったところで、練習フレーズにチャレンジしてみましょう。
フレーズ1
【参考音源】
親指→人差し指→中指→薬指と順番に弾いていく基本パターンです。
コードがCからAmに変わっても右手はひたすら同じ弦を弾き続けます。
左手のコードチェンジもCコードの薬指を外すだけでAm7になるので、最小限の動きで弾くことができます。
まずは右手のフォームが崩れないように、親指は弦に対して並行に、他の指は弦に対して垂直(完全に垂直になる必要はありません)に構えます。
そして、指の先の関節だけを動かして弾くのではなく、指の根本から動かして弾いていきます。
フレーズ2
【参考音源】
フレーズ1とは指を動かす順番が変わりますが、それ以外はすべて同じです。
こちらも右手のフォームと指の動かし方を意識しながら練習しましょう。
とてもシンプルなフレーズですが、右手に正しい動きを覚え込ませる練習なので自然に弾けるようになるまで弾き込んでください。
フレーズ3
【参考音源】
右手はフレーズ1の変化系といった動きです。
まずはAコードだけで(コードチェンジしないで)右手に動きを覚え込ませます。
右手の動きが覚えられたらコードチェンジをしていきます。
コードが変わっても右手の人差し指、中指、薬指の動きは変わりませんが、親指は弾く弦が変わっていきます。
狙い通りに弦を弾けるよう、最初は右手をしっかりと見ながら弾いていきます。
最後のコードは親指で5弦から1弦までをストロークします。
フレーズ4
【参考音源】
このフレーズでは初めに、人差し指→4弦、中指→3弦、薬指→2弦を弾き、その後に人差し指→3弦、中指→2弦、薬指→1弦と右手で弾く弦が変わっていきます。
実際の曲でもそれぞれの弦を弾く指が変わっていくことはよくあります。
右手の指が狙った弦に正しくヒットできるように、最初は右手をしっかりと見て、徐々に弦の位置を感覚として覚えていきましょう。
フレーズ5
【参考音源】
複数の弦を同時に弾くこともあります。
こちらのフレーズでは4弦と1弦を同時に弾いています。
また、左手のコードフォームは1弦だけが変わっていくので、1弦の2フレットを薬指、1弦の3フレットを小指で弾いて、2弦3弦を押さえる指はずっと押さえたままです。
最後のコードは4本の指で同時に弦を弾いてみましょう。
この時の指は「床に落ちたティッシュをつまむ」動きをイメージしてみましょう。
指弾きのまとめ
指弾きには「柔らかく、ふくよかな音が出せる」「爪で弾くか、指の肉部分で弾くかで音を変えられる」「アルペジオと相性が良い」「アルペジオ以外にも使われる」「指弾きが基本スタイルになっているジャンルもある」といった特徴がありました。
また、同じ曲でもピックで弾くのと指で弾くのでは印象がガラッと変わります。
今回ご紹介した練習フレーズで指弾きをしっかりとマスターして、ギターでできる表現の幅を広げていきましょう。
ピック弾きも基本から知りたいという方にはこちらの記事をおすすめしています。
ギターの練習では左手の運指練習やピッキングのトレーニングがよく取り上げられますが、その前段階の「ピックの持ち方」もとても重要なポイントです。 「ピックの持ち方」が悪いと、きれいな音が出なかったり、ピッキングのコントロールが難しくてうまく弾けないなどいろいろな問題の原因になります。 「ピックの...