ギターの上手い人が必ずやってきた本質的な練習

中級者向け, 初心者向け

ギターの練習方法には超定番のものから個性的なものまで無数にあり、どんな練習をどのくらい重ねるかによって上達のスピードや身に付く演奏スタイルが変わってきます。
しかし、どんな演奏スタイルを目指すにせよギターが上手くなるためには必ず押さえておくべき練習というものもあり、どんなスタイルにも共通する根っこの部分を鍛えてくれます。

今回ご紹介する練習は、運指練習、リズムトレーニング、完コピと誰でもやっている普通の練習ですが、ギターの上手い人がどのようにその練習に取り組んできたのか、どうすればギターを弾き、音楽を奏でるための、本質的な部分を鍛える練習になるのかその秘密を見ていきましょう。

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運指練習

音楽に限らず、スポーツでも勉強でも仕事でも、基礎はとても大切です。
スポーツ選手が筋力トレーニングやフォームの調整に時間を費やすように、ギターでも指や手のトレーニング「運指練習」は欠かせません。

運指練習を行うことで指の動きのスムーズさ、柔軟性、それぞれの指の独立性などが鍛えられ、思ったタイミングで思ったように指が動かせるようになります。
その結果として頭で思い描いた音を正確に指で再現できるようになるので、運指練習というのはただ指が器用に動くようにするだけの練習ではなく、脳と指の連携を強化するためのトレーニングととらえた方が本質的です。

代表的な運指練習の方法を2つご紹介します。

クロマチックトレーニング

運指練習の代表と言えば4本の指を使って1フレットずつ弾いていく「クロマチックトレーニング」です。
指づかいがシンプルなので、指の動かし方や押さえるタイミングなどより本質的な部分に注意を向けることができます。

クロマチックトレーニング

6弦の5フレットから8フレットまでを人差し指、中指、薬指、小指の順番で弾いていくだけなのですが、ただ弾いていくだけではあまり効果的なトレーニングとは言えません。
最初にこのシンプルな練習の中でどこに注意を向けて、どんな効果を得たいのかを明確にしておく必要があります。

注意を向ける点としては

  • 指のバタつき
    (薬指や小指が弦から大きく離れてしまっていないか)
  • 力の使い方
    (指や腕に無駄な力が入っていないか)
  • 音のつながり
    (1音1音が完全につながっているか)
  • 右手と左手のタイミング
    (押弦とピッキングのタイミングが完全にシンクロしているか)
  • 音のバランス
    (一定の強さ、音色で弾けているか)

などがあり、そこから得られる効果としては

  • 無駄のないきれいな運指が身に付く
  • 指の動きがスムーズになる
  • 音を出すタイミングが細かくコントロールできるようになる
  • ピッキングで音色の違いを表現できるようになる

などがあります。

このように、シンプルな運指練習ではありますがその練習への取り組み方で得られる効果は無限に広がっていきます。

スケールトレーニング

代表的なAmスケールのポジションを上がり下がりするシンプルなトレーニングです。

Aマイナースケール

クロマチックトレーニングと同じく指の使い方などフィジカルな部分を強化するための練習にもなりますが、スケールの特徴や本来の意味を考えながら練習すると表面的ではないより効果的な練習になります。

  • 正確なオルタネイトピッキング
    (弦移動する際のピッキングの軌道)
  • 効率的な指づかい
    (それぞれの弦でどの指を使うか)
  • 音程の把握
    (歌いながら弾く)
  • 音楽的に弾く
    (音のつながりや音色、ピッキングのタッチなど)

このようなポイントを意識して弾くのと、ただ指を動かすだけではとんでもなく大きな差が生まれてしまうので、毎日同じ練習をした2人がいたとしても、1年後にはその上達度合いに雲泥の差がついてしまうでしょう。

リズムトレーニング

「プロとアマチュアのいちばん大きな差はリズムである」とよく言われるのですが、同じ曲を同じように弾いているのに上手く聞こえる演奏と、なぜか下手に聞こえる演奏があるのは、演奏者のリズムに左右されている部分が大きくなります。
とても重要なのですが、ある程度経験を積まないとその違いや重要さがわかりづらいのもリズムの特徴です。
ここではシンプルながら効果的なリズムトレーニングの方法を3つご紹介します。

メトロノームを使う

当たり前すぎて恐縮ですが、練習では必ずメトロノームを使いましょう。
先ほどご紹介したクロマチックトレーニングとスケールトレーニングも、メトロノームを使わなければその効果は半減してしまいます。
人間のテンポ感というのかなりいい加減なもので、同じ速さで弾いているつもりでも遅くなったり速くなったりブレてしてしまいます。

メトロノームがない状態で練習を続けているとテンポのブレが当然になってしまい、聞く人を気持ちよくさせる演奏ができないばかりか「ちゃんと弾けているけどなぜか下手」という印象を与えるようになってしまいます。
メトロノームを使って練習することで、一定のテンポで弾く感覚が身についていきます。

裏拍を感じる

リズムには表拍と裏拍があります。

メトロノームを4分音符で鳴らし、メトロノームに合わせて「ワン、トゥー、スリー、フォー」とカウントした場合、カウントの位置が表拍となります。
そして、カウントとカウントのちょうど中間が裏拍になります。

裏拍

この裏拍を感じながら演奏できるようになるとリズムの安定感や躍動感が格段に良くなってきます。
裏拍を感じながら演奏できるようにする練習に「メトロノームを裏に聞く」という練習方法があります。

裏拍トレーニング

表拍は自分でカウントして、メトロノームが裏拍に聞こえるようにしていきます。

いきなりメトロノームが裏拍に聞こえるようにはならないので、まずリズムを細かく感じるところから始めます。
「ワン、トゥー、スリー、フォー」を「ワン &(エンド)、トゥー &(エンド)、スリー &(エンド)、フォー &(エンド)」のように細かくカウントします。
英語で発音しなくても「イチ ト、ニー ト、サン ト、シー ト」と日本語でカウントしても問題ありません。
どちらの場合もカウントを短く、歯切れ良く発音するとより感覚的に掴みやすくなります。

細かくカウントを取りながら「&(エンド)」や「ト」の部分にメトロノームが合うようにしていきます。
最初のうちはメトロノームを裏で聞くこと自体が難しいので、カウントだけからはじめて、慣れてきたら手拍子をする、さらに慣れてきたらギターも弾いてみるようにしましょう。
先ほどご紹介したクロマチックトレーニングやスケールトレーニングも裏拍のメトロノームで弾けるように、じっくりと時間をかけて取り組んでみてください。

リズムチェンジ

音楽は4分音符、8分音符、16分音符など様々な長さの音が組み合わさることによって形作られるので、それぞれの音符をいかに正しく演奏するかが最終的な音楽の形に大きく影響します。
そのため、それぞれの音符を正確に弾き分けるリズムチェンジのトレーニングもとても重要です。

リズムチェンジ

こちらはリズムチェンジとクロマチックトレーニングを組み合わせた練習で、4分音符、8分音符、3連符、16分音符と切り替えていきます。
最初は切り替わりのタイミングでブレが生じると思いますが、そのブレがなくなるまで何度も繰り返して感覚を磨いていきましょう。

どうしてもブレてしまう場合、4分音符を強く感じてリズムに安定感を出していきましょう。
「ワン、ツー、スリー、フォー」を足踏みしながらカウントし、その振動が体の芯に伝わるまで強くしていくと4分音符を強く感じられるようになります。

慣れてきたらテンポを速くする、ギターで弾くフレーズを変えるなど様々なバリエーションで練習して、どんな場面でも安定して弾けるようになっておきましょう。

完コピ

完コピとは「完全コピー」の略で、元となる演奏を忠実に再現していくことで細かなテクニックや表現方法、サウンドメイクから楽曲の解釈の仕方まで多くのことが理解できる、得られるものがとても多い練習です。

普通のコピーと完コピの違い

普通のコピーは同じ音を同じタイミングで鳴らせるようになることがゴールになりますが、完コピはそれに加えて音色や音の強弱、微妙なタイミングから曲に対する解釈までより深く理解していくことになります。
原曲をとことん真似ていくことなので、ただ原曲と同じフレーズが弾けるようになるコピーとはまったく違ったニュアンスを含んでいます。

完コピするための方法

曲をコピーする場合、

「タブ譜をみて押さえ方やリズムを練習」→「音源に合わせて練習」

という流れですが、完コピの場合

「楽譜や耳コピで弾き方を習得」→「音源をよく聞いて細かなニュアンスを掴む」→「音源に合わせて練習」→「ニュアンスやタイミングの違いを少しずつ修正していく」

のように、ただのコピーよりもより深く音源を聞いたり、曲の構成を紐解いていきます。
原曲を聴き込むことや、自分の演奏を録音して原曲と聴き比べるのなど、練習において「聴く」ことの重要性がとても大きくなっています。

完コピのメリット

「聴く」ことに集中していると徐々に「耳」が成長してきます。
「耳」が成長するとこれまで聞き取れなかった微妙な音が聞き取れるようになったり、細かな違いが聞き分けられるようになってきます。
音楽とは楽器などが発した空気の振動を、耳が音として捉えるものなので、その入り口となる「耳」が成長することは、音楽の演奏力全般の向上に直結してきます。

注意深く聞いた音を忠実に再現するためには、これまで使ったことのないテクニック、表現の方法、自分にはないリズムの捉え方など身につけなくてはならないことがたくさん出てくるので、そこには多くの学びがあります。

まとめ

ギターの上手い人が必ずやっている本質的な練習として「運指練習」「リズムトレーニング 」「完コピ」をご紹介してきました。
これらの練習はただ楽譜の通り弾くだけでは本質的な練習とは言えません。

それぞれの練習の意味や目的を理解して、より深く練習に取り組むことでギターの演奏における本質的な部分が強化されていきます。
逆に言うと、どんな練習でもその意味や目的を明確にしておくと、そこから得られる結果は何倍にも膨らんできます。

練習はただ指や体を動かすだけでなく、頭を使うということを理解し、常に考えながら取り組むことが大切です。
仕事や学校が忙しくて練習時間が取れないという方も多いと思いますが、貴重な練習時間を有効に使うためにも、練習の意味や目的を考えてみることをおすすめします。

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