ギターの楽譜【タブ譜】の読み方をゼロから解説
ギターは通常の楽譜(五線譜)が読めなくても、タブ譜(TAB譜)と呼ばれるギター専用の楽譜があるため、音楽未経験者でも最初の一歩が踏み出しやすい楽器です。
この記事ではギター専用の楽譜「タブ譜(TAB譜)」と、同じくよく使われる「ダイアグラム」の読み方をわかりやすく解説していきます。
ギターで使う楽譜の種類
ギターで使用される楽譜には、タブ譜、ダイアグラム、五線譜の3種類があります。
タブ譜とダイアグラムはどちらも「◯弦の◯番目のフレットを押さえる」のかがひと目でわかるようになっており、タブ譜にはさらに「いつ」弾くかというタイミング(リズム)の情報も含まれています。
それぞれの使われる場面をざっくり分けると
- タブ譜=曲の弾き方を伝える
- ダイアグラム=コードの押さえ方を伝える
に分けることができます。
市販の楽譜ではタブ譜といっしょに五線譜も書かれていますが、タブ譜は「押さえる場所」、五線譜は「音の高さ」がひと目でわかるという特徴があります。
また、タブ譜はギター以外の弦楽器でも使用されるので、ウクレレやベースの楽譜も同じ要領で読むことができます。
オンライン専門のギタースクール
当サイトを運営するTHE POCKETは開校14年、日本で最初のオンライン専門ギタースクールです。
プロの講師陣によるマンツーマンレッスンだから、あなたのペースで確実に上達できます
タブ譜の読み方
タブ譜の左端には「TAB」と縦に書かれており、これがタブ譜だということを表しています。
ギターのタブ譜には6本の横線がひかれており、いちばん下の横線が6弦(太い弦)、いちばん上の横線が1弦(細い弦)になっています。
弦の上に書かれた数字は、押さえるフレットの番号を示しており、上のタブ譜は「6弦(太い弦)の3フレットを押さえてください」という意味になります。
ギターの指板図で表すと次の図のようになります。
※実際にギターで押さえるとき、上下の向きが逆転してしまう人が多いので注意しましょう。
※6弦の3フレットを押さえる場合、3フレットのすぐ横(ヘッド側)を押さえます。
また、下のタブ譜の場合は「1弦(細い弦)をどこも押さえず弾いてください」という意味になります。
※どこも押さえずに弾くことを「0フレット」や「開放弦」を弾くと表現します。
ダイアグラムの読み方
こちらは「C」というコードの押さえ方を表したダイアグラムになります。
いちばん下の横線が6弦(太い弦)、いちばん上の横線が1弦(細い弦)という部分はタブ譜と同じです。
縦線はナットやフレットを表しており、下にはフレット番号が書かれています。
この横線と縦線でギターの指板を表現し、●印で押さえる場所を指定しています。
○印はどこも押さえずに弾く開放弦を表しています。
×印が書かれた弦は「音を出さない」という意味になり、左手の指で軽く触れるミュートというテクニックを使います。
(Cの場合、5弦を押さえた薬指の先端か、ネックを握り込んだ親指で6弦に軽く触れてミュートします)
また、どの指で押さえるかわかるように指番号まで書かれているケースもあり、
1=人差し指
2=中指
3=薬指
4=小指
の意味になります。
※上のダイアグラムとタブ譜は同じ意味で、押さえる場所はまったく同じです。
ダイアグラムの読み方はシンプルなのですぐに覚えられると思います。
こちらのコード表を参考に、たくさんのコードを弾いてみましょう。
最近では無料の楽譜サイトでコードダイアグラムを目にすることも多くなってきました。
「(曲名) + コード」と検索すると出てくる、歌詞とその上にコードが書かれたサイトです。
有名どころでは
U-FRET
楽器.me
J-Total Music
などがあります。
どのサイトもコードダイアグラムが表示され、初心者の方にも見やすいサイトになっているのですが、
- カポタストの使用が前提になっている場合がある。
- ストロークやアルペジオのリズムは自分で考える必要がある。
という2つのポイントに気をつけながら活用してください。
リズムの読み方とタブ譜で使われる記号
リズムの読み方
冒頭でタブ譜には「いつ」というタイミング(リズム)の情報が含まれると書きました。
こちらのタブ譜では数字の下にリズム記号が書かれており、
- 縦線だけのものを「4分音符」
- 横線がついたものを「8分音符」
と呼びます。
リズムの読み方は通常の楽譜(五線譜)と同じで、4分音符は1拍分の長さを表し、8分音符は半拍分の長さを表します。
上のタブ譜のリズムだけを言葉で表現すると
「タン タン タ タ タ タ」
となります。
最初のタブ譜を順番に弾いていくと「ドレミファソラ」の音が出るので、このリズムに合わせて弾くと
「ドー レー ミ ファ ソ ラ」
となります。
その他のリズム符を一覧にすると次のような関係になります。
リズムの読み方についてはこちらの記事でくわしく解説しています。
楽譜には大きく分けて3種類の情報が入っています。 ①音程 ②リズム ③表現 楽譜が読むうえでいちばんネックになるのが、リズム譜の読み方です。 4分音符、8分音符、16分音符などたくさんの種類のリズムがあり、それらが複雑に絡み合っているためスラスラと読めるようになるには、それなりの練習が...
タブ譜で使われる記号
ギター特有のテクニックは記号で表されることになります。
ここでは代表的な記号とその弾き方を解説します。
①最初の音をピッキングし、②次に左手の指を①で弾いたのと同じ弦に叩きつけて音を出す奏法。
譜例)3弦5フレットを人差し指で押さえてピッキング→薬指を3弦7フレットに叩きつけて音を出す。
①最初の音をピッキングし、②押さえていた指を弦に引っ掛けながら離すことで音を出す奏法。
譜例)3弦7フレットを薬指で押さえてピッキング→薬指を離す時に2弦側に向かって弾きながら離す。薬指を離す前に3弦5フレットは人差し指で押さえておく。
①左手で押さえた弦をピッキングし、②弦を押さえたまま指を横方向にずらすことで音を変化させる奏法。
譜例)3弦5フレットを人差し指で押さえてピッキング→音が途切れないように人差し指を3弦7フレットまで横移動させる。
①左手で押さえた弦をピッキングし、②その弦を押し曲げることで音程を変化させる奏法。
譜例)3弦5フレットを薬指で押さえ、弦を押さえたまま薬指を4弦方向に押し曲げて音程を上げる。
ピッキングするときに右手の側面(小指側)を弦に触れさせることで、音の伸びを抑える奏法。
譜例)右手の側面(小指側)を6弦のブリッジ付近に触れさせながら、6弦5フレットを弾く。
伸びた音が出ないように、左手が弦を押さえず触れているだけの状態にしてピッキングする奏法。
左手の人差し指から小指まで全体が弦に触れた状態(5フレット付近で、弦を押さえてしまわないように)にして、ピッキングをする。
ギター特有のテクニックはこちらの記事で映像と共に解説しています。
ギターは左手で弦を押さえて、右手に持ったピックで弦を弾くのが基本ですが、先人たちはそれに飽き足らず様々な奏法を編み出してきました。 今回は、そんな先人たちが編み出し受け継がれてきたギターの奏法を、一流ギタリストたちの演奏で振り返ってみましょう。 基本的な奏法 奏法という...
まとめ
タブ譜はひと目で押さえる場所が分かり、とても便利な楽譜です。
読み方はとてもシンプルなので、慣れてしまえばすぐに読めるようになります。
タブ譜がギターで使用される理由は「ギターには同じ高さの音がいろんな場所にある」からです。
6弦の8フレットと5弦の3フレットはどちらも同じ高さの「ド」です。
ピアノでは同じ高さの「ド」は1カ所しかなく、他の場所で出る「ド」はオクターブ違いの「ド」になります。
ピアノと同じ五線譜だけだと、どこのフレットを押さえて良いか分かりづらいのでタブ譜が使われています。
ですが、通常の楽譜ではタブ譜と五線譜が一緒に書かれており、五線譜を目にする機会もタブ譜と同様にあります。
五線譜が読めるとコードの意味が理解しやすくなる、メロディーの流れが掴みやすくなるなどなど音楽をより深く理解する手助けになります。
ギターが楽しく弾けるようになり、より深く音楽のことを理解したくなった時は五線譜にもチャレンジしてみてください。
まずはタブ譜やダイアグラムを使って自由に、楽しくギターが弾けるようたくさん練習して憧れのギターライフを満喫しましょう!!