鳥の目と、虫の目で音楽を
鳥の目と虫の目
ビジネス書や自己啓発的な本や記事などで良く目にする言葉です。
要約すると
鳥の目とは、鳥が高い場所から俯瞰して全体を見渡している様
虫の目とは、近く、細かい事象を注意深く見る事
となり、この鳥の目と虫の目という両方の視点がビジネスの世界では重要だと説いているのです。
音楽においてもこの二つの視点は重要です。
ギタリストであれば自分の音色にとても気を使い、ギターの種類、弦、シールド、コンデンサー、ギター内部の配線パーツなど本当に細かな違いにまで気を使う事になります。
また、フレーズの細かなニュアンスやリズムの取り方を見ても気を使う点は沢山あります。
そう言った細かな部分にどれだけ気を使って演奏できるかが、ギタリストとしての成長にもつながってくるのだと思います。
これが虫の目ですね。
一方、音楽とは一般的にギターだけで作られる事はありません、他の楽器やヴォーカルとのアンサンブルのうえで成り立ってきます。
そこでは他の楽器との音量や音質のバランス、音色、フレーズ的な絡み、リズムの絡みが重要になってきます。
また、どのような展開で流れを作るのか、聞く人に何を伝えたいのか、どういったメッセージがこめられた曲なのかなど根本的な事を考え、それを表現するための最適な演奏方法を考える事になります。
これが鳥の目です。
「ギターを上手く弾く」と言う事だけに特化して考えれば虫の目だけで十分ですが、「音楽を演奏する」という視点で考えれば鳥の目が必要になってきます。
しかしこの二つの「目」はどちらか一つだけを持っていても意味がありません、両方の目を持ち意図的に視点を変える能力が必要となってきます。(本当の意味で鳥の目を持つには、虫の目がないと持つことはできませんが)
一流の音楽プロデューサーは音楽全体を見渡してプロデュースしているのですが、彼らの多くが一流のミュージシャンである事からも分かると思います。
「鳥の目」を身につける為にはまず、「虫の目」を身につけてからではないと身に付かないと思います。
まずギタリストは自分のプレイの細部にまで気を使い、技術を向上させる事に専念しましょう。
そして、作曲やアレンジ、バンド活動などのなかで音楽と接し、人に音楽を聴いてもらうという状況の時には、ギターの事だけに集中せず全体を見渡す事を意識してください。
「鳥の目」が持てるようになると演奏中も他の楽器とのバランスやアンサンブルを見る事ができます、またアドリブ演奏をする際も他の楽器との絡み、全体の展開なども意識して演奏する事ができます。
「なぜここでこのフレーズを弾くのか」「この次にはこんなフレーズを弾こう」などアイデアも別の視点から湧いてきます。
ギタリストは「虫の目」だけに集中しがちなのですが、「鳥の目」で全体を見渡す能力も意識してみるといいのではないでしょうか。