ペンタトニックで指板を横に広く使うための練習法
「ペンタトニックでアドリブはできるようになったけど、5フレットあたりで上下運動しているだけになっている」
「気がつくといつも同じ場所で、同じようなフレーズを弾いている。」
ペンタトニックのあのポジションは、ギターにとってはとても使いやすく名フレーズの宝庫です。
しかしあのポジションだけだと、誰もが「マンネリ」という壁にぶち当たります。
この記事では、Amペンタトニックを例に、2つのボックスポジションをつなげる考え方と、1弦・2弦だけでアドリブをとるシンプルな練習法をご紹介しています。
今使っている6弦ルートポジションに5弦ルートポジションを足し、その2つの間に各弦1音ずつを付け足してつなげるというとてもシンプルな方法です。
マンネリの原因
アドリブをしていると、いつも同じポジションを使っている。
そのせいでフレーズにも影響が出ている。
この症状には、原因が2つあります。
ひとつは、6弦ルートポジションだけで弾いていること。
Amペンタトニックなら、5フレットに人差し指を置くあの形です。
ほとんどの方がここから覚えますし、ここだけでも曲は弾けます。
ただ、知っている場所がひとつしかなければ、動ける範囲もそのひとつぶんです。
もうひとつは、他のポジションも覚えてはいるけれど、別々のものとして覚えていること。
5つのポジションを教則本で覚えた、という方はこちらが多いです。
それぞれの形は弾ける。
でも、それぞれが独立した「別の箱」として頭に入っていて、箱から箱へ移る道がない。
だから弾き始めた箱の中で終わってしまいます。
どちらの原因でも、やることは箱と箱をつなげるです。
ここからは、その具体的な手順を見ていきましょう。
これだけは覚えましょう。2つのボックスポジション
ペンタトニックの音を指板上で4〜5フレットの幅にまとめた形を、この記事ではボックスポジション(箱)と呼びます。
そして、そのポジションのルート音(Amペンタならラ=Aの音)が6弦にあるものを6弦ルートポジション、5弦にあるものを5弦ルートポジションと呼びます。
Amペンタトニックの構成音は、A・C・D・E・G(ラ・ド・レ・ミ・ソ)の5つです。
この記事ではこの5音だけを使います。
6弦ルートポジション(5フレット)
人差し指を5フレットに置いた、いちばん基本の形です。
- 1弦:5・8フレット
- 2弦:5・8フレット
- 3弦:5・7フレット
- 4弦:5・7フレット
- 5弦:5・7フレット
- 6弦:5・8フレット
5弦ルートポジション(12フレット)
人差し指を12フレットに置いた形です。
ルートのAが5弦12フレットにあります。
- 1弦:12・15フレット
- 2弦:13・15フレット
- 3弦:12・14フレット
- 4弦:12・14フレット
- 5弦:12・15フレット
- 6弦:12・15フレット

この2つのポジションを押さえるだけで、使える場所が5フレット付近と12フレット付近の2か所になります。
ここまでは、覚えている方も多いのではないでしょうか。
問題は、この2つの箱がつながっていないことです。
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2つの箱をつなぐ「1音」
全部の弦を一度に見ると混乱しますので、まずは1弦・2弦・3弦だけに絞って考えます。
レッスンでも、最初はこの3本から始めています。
1〜3弦で2つの箱を見比べる
先ほどの2つのポジションから、1〜3弦だけを取り出してみます。
6弦ルートポジション(5フレット)
- 1弦:5・8フレット
- 2弦:5・8フレット
- 3弦:5・7フレット
5弦ルートポジション(12フレット)
- 1弦:12・15フレット
- 2弦:13・15フレット
- 3弦:12・14フレット
1弦を見てください。
8フレットと12フレットの間が空いています。
2弦は8と13の間、3弦は7と12の間。
この空白が「箱と箱の間の道がない」状態です。

各弦に1音ずつ足す
この空白に入るペンタトニックの音は、各弦に1つずつしかありません。
- 1弦:10フレット(D)
- 2弦:10フレット(A)
- 3弦:9フレット(E)
これを足すと、1弦は「5・8・10・12・15」とひとつながりになります。
2弦は「5・8・10・13・15」、3弦は「5・7・9・12・14」です。

新しい形を覚えるわけではなく、すでに知っている2つの箱の間に、1音ずつ足すという方法です。
それだけで2つの箱を繋げる道ができます。
まずは道を覚える
足したのはそれぞれの弦に1音だけです。
とても簡単なので、すぐに覚えることができます。
しかし、その道を覚えるだけでは、アドリブには活かすことができません。
ただ歩くだけでなく、そこでフレーズを生み出していくためには「目隠しした状態でも歩ける」状態にしておく必要があります
そこまでしておかないと、気づいたらいつもの上下運動になってしまいます。
まずは1弦の「5・8・10・12・15」を、何も考えずに行き来できるようにしてみましょう。
指板を横に使うための練習方法
ポジションのつなぎ目がわかったら、実際に横に動く練習に入っていきましょう。
バッキングは何でも構いません。
Am一発のループでも、Aのブルースでも、Aマイナーの曲でも。
とにかくバッキングを鳴らしながらやってみましょう。
ステップ1:1弦だけでアドリブ
1弦の「5・8・10・12・15」だけを使って、バッキングに合わせて弾きます。
他の弦は使いません。
1本の弦の上で、5から15まで行ったり来たりしながら、好きなように音を並べてみてください。
フレーズらしいものにはなりにくいですが、問題ありません。
ここで確認したいのは、8フレットから10フレットへ、10フレットから12フレットへと、迷わず移れるかどうか。それだけです。

ステップ2:1弦と2弦でアドリブ
1弦の動きに迷いがなくなってきたら、2弦を足します。
2弦は「5・8・10・13・15」です。
1弦とほぼ同じ並びですが、13フレットのところだけずれています。
ここは間違えやすいので、最初はゆっくり確認しながら弾いてください。
2本の弦を使えるようになると、少しフレーズが組み立てやすくなってきます。
5フレットの箱で弾き始めて、10フレットを通って12フレットの箱で終わる。
そういう流れが自然に出てくるようになれば、横に動けている証拠です。
ステップ3:3弦を足す
2弦までが安定してきたら、3弦「5・7・9・12・14」を足します。
ここまでで、1〜3弦を使って5フレットから15フレットまで横に動けるようになっています。
もともとの上下運動と比べると、使える範囲は倍以上です。

ここまでくると図の赤線で囲んだ部分の塊が見えるようになってきます。
この塊はよくあるペンタトニックのフレーズでも多用されているポジションです。
このポジションでフレーズを組み立てることができ始めたら、オレンジのポジションがただの通り道ではなく、フレーズに彩りを与える大事な音に変わってきます。
余裕が出てきたら4弦以降へ
1〜3弦の横移動がしっかり体に入ってから、余裕があれば4弦も少し使ってみる。
ここでも一気に広げず、1本ずつです。
考え方は同じで、4弦なら10フレット(C)を足すと「5・7・10・12・14」とつながります。
ただ、無理に全部の弦を使おうとする必要はありません。
アドリブでよく使うのはこの1〜3弦あたりですので、まずはそこでしっかり動けるようになることを優先してください。
この練習でよくある失敗
この練習は、地味です。
だからこそ途中でやめてしまう方が一定数います。
先に知っておくと、自分で判断できるようになります。
1. すぐにかっこよく弾けると思って始める
いちばん多いのがこれです。
「横に動けたらかっこいいフレーズが弾けるはず」と期待して始めると、1弦だけの練習は思った結果になりません。
当然です。これはポジションをつなげるための練習であって、かっこよく弾くための練習ではないからです。
2. 1弦だけでは「フレーズにならない」とやめてしまう
1と近いですが、こちらは練習の途中で起きます。
1弦で行ったり来たりしていると、音楽をやっている感じがしなくて飽きてきます。
ここでやめると、10フレットを通る感覚が体に入る前に終わってしまいます。
3. 12フレットの箱を「別のスケール」のように覚える
原因のふたつめに当たる方に多いパターンです。
5弦ルートポジションを、6弦ルートポジションとは無関係な新しい形として覚えてしまう。
すると、また別々の箱が2つある状態に戻ります。
「同じAmペンタトニックの音を、別の場所で見ているだけ」という意識を持っておいてください。
これは「つなげる練習」だと割り切ってその上で、横に動けるようになった場所で使えるフレーズを、1つずつストックしていきましょう。
かっこよさは、あとから足します。
レッスンでのポジションのつなげ方
レッスンでこのテーマを扱うときも、順番は同じです。
まず5フレットと12フレットの箱を確認し、1〜3弦に絞って10フレットを見つけ、1弦だけでアドリブをとってもらう。
ただ、どこで3弦を足すか、どこで4弦以降に進むかは、生徒さんによってかなり違います。
1弦で迷いが消えるまでの時間も人それぞれです。
ご自身の「迷わなくなった」を判断するのは、実は意外と難しいものです。
横に動けているつもりでも、実際には8フレットで折り返している。
そういう癖は、ご本人より周りのほうが早く気づきます。
同じ場所から抜け出せない感じがしている方は、一度弾いているところを見せていただくところから始めてみませんか。
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まとめ
新しい形を覚える必要はありません。
5フレットの箱と12フレットの箱の間に、各弦1音ずつ足す。
まずは1弦の「5・8・10・12・15」を、迷わず行き来できるところからです。
ペンタトニックそのものの覚え方はペンタトニックスケールが使えるようになる覚え方で、横に動けるようになったあとの「音の選び方」はペンタ一発から卒業しよう!コードトーンを狙う1-6-4-5練習法で書いています。
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